優子

ゆう

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運命の人に

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ユウは幼い頃、悪い魔王に魔法をかけられていた。

好きな人と愛し合う時、それは発動する。

当時の恐怖を蘇らせ、地獄に落とす。

その魔法からどうやったら解放させてあげれるだろうか?

ユウと私はベットに戻り、ユウは子供のように眠りについた。

私は眠れなかった。ユウを、抱きしめ泣いた。声を出さずに泣いた。

明け方、ユウが目覚める。私は一睡も出来ず、ユウの事を考えていた。

ユウはまだ、寝ぼけてるのか、私の顔を見てクシャって笑顔をくれた。

私はその笑顔で、心が決まった。

もう思い悩む事はしない。ユウが本当に心から笑える日を取り戻す、私の力で。そう決心した。

ユウが昨日の事を思い出したのか、涙を流して

ユウ「ゴメンね、私の事イヤになった?」

そう尋ねできた。

優子「そんな事ないよ、大好きだよ。」

ユウ「ホント?」

優子「うん。ユウはなにも心配しなくて大丈夫だから。私がちゃんと治してあげる。」

ユウ「ありがとう。」

優子「私が急ぎ過ぎたんだよ、ゆっくり行こ。必ず幸せになれるから。」

ユウ「またしてくれるの?」

優子「もちろん。ユウは私の恋人でしょ?私にもしてね。」

ユウ「ねぇ、キスして」

優子「大丈夫?」

ユウ「してほしいの」

私はゆっくりユウのくちびるにキスをした。

眠ってなかった私はユウにキスをしながら眠りに落ちて行く。

夢を見た、ユウと私は手を繋ぎ歩いている。暗い草原、ずっと先に灯りが見える。二人はそこへ向かって進む。きっとそこに幸せは待ってるんだろう。


目が覚めた。もうお昼だった。

ユウがいない、リビングに行くがいない。浴室、トイレ、どこにもいない。

不安が心に・・・

携帯を探す。あった。

慌ててLINE

優子「今どこ?」

すぐに返信が返ってくる。

ユウ「もうすぐ家に着くよ、待ってて。」

私は待ちきれず玄関で待つ。

ホントにすぐ帰ってきてくれた。

泣きながら、ユウを抱きしめる。

優子「起きたら、いないからぁ、もう心配したんだからね」

ユウは買い物に行ってた、だけだった。

ユウは手話で「心配かけてゴメンね、でも優子の方こそ大丈夫?」

優子「なんで?」

ユウ「だって優子、まだパンティ一枚だけだよ。私はそのままでいて欲しいけど。」

私は慌ててユウの部屋に逃げ込んだ。

服を着て顔を洗った、昨日たくさん泣いたから目が腫れてる。

そういえば、ユウの両親と妹はいつ帰ってくるのかな?

朝食兼お昼ご飯を食べながらユウに聞いた。

ユウ「明日だよ」

優子「じゃあ、今日も泊まってもいい?」

ユウ「いいけど、また昨日みたいになるかも・・・」

優子「今日はしないよ、心配しないで。ユウと一緒にいたいだけ。キスはしちゃうかもしれないけどね」

ユウ「嬉しい。」


ユウ「あっそうだ、晩ご飯の分買ってない。買いに行かなきゃ。」

優子「一緒にお買い物行く?」

ユウ、くんって頷く。いつもの可愛い仕草。

買い物から帰ってきて、ソファで二人並んで座る。

肩を寄せ、自然と手を繋ぐ。

私は考えてた。もしユウがトラウマを克服できたら、失ってしまった声が戻るんじゃないかって考えた。

そう考え出したら無性にユウの声を聞きたくなってしまう。

私に目標が増えた。

一つ、ユウを、幸せにする

二つ、ユウのトラウマを消してあげる。

三つ、ユウの声を取り戻す。

やる気が出てきた、つい握っていたユウの手を強く握ってしまった。

ユウはビックリして私の顔を覗き込む。

優子「愛してるよ」て言ってあげる。

ユウちょっと照れてる、可愛い。



ユウに私が見た、夢の話をした。

ユウ、私に寄りかかり、聞いてる。

ユウ携帯のLINEで

ユウ「私達、今、そこに行こうとしてるって事?」

優子「そうだと思う。ユウはそこにはどんな事が待ってると思う?」

ユウ「うーん、よくわかんないけど、きっと優子になにも我慢させないで済むようになってると思う」

優子「なにも我慢してないよ」

ユウ「昨日の事もそうだけど、優子が望む事全て叶えてあげれる私になりたいの。」

優子「うふ、ありがとう。でも無理しないでいいんだよ。」

ユウ「少しずつね、やらせてね」
可愛いく笑ってくれる。

優子「私の思ってるのは、ユウにかけられてる魔法を消してあげるの。それで失ってた声も戻るの。で二人幸せに暮らすの。」

ユウ泣きながら、「喋れるようになるかな?なるといいな。」

優子「私はそう信じてる」

ユウ「私、優子を信じてる、だって優子は、私を助けてくれた運命の人だもん。」

優子「運命の人?」

ユウ「うん、入学式の日に声をかけてくれて、あのイジメっ子からも守ってくれた。こんな私を好きだとも言ってくれる。ずっと暗闇の中にいた私を救ってくれたの。運命の人なの。」

私はユウを抱きしめ泣いた。



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