フットサル、しよ♪

本郷むつみ

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チーム名決定です♪

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 優しい目で5人を見つめ、ゆっくり語り出す三橋。

「私が戸崎志保様を見た時、すぐに花のイメージが浮かびました。それは【ライラック】です。
淡いピンクの花がたくさん咲き、まるで何かを引き付けるような花です。花言葉は【友情、無邪気】です」

「同じように佐原理沙様を見た時に浮かんだ花のイメージは【アカツメクサ】です。この花の別名は『クローバー』です。私が佐原様に抱いたイメージは4つ葉のクローバーです。4人のメンバーを支える佐原様にはぴったりだと思います。花言葉は【勤勉、実直】です」

「お嬢様のイメージは【スターチス】です。小さくもいつまでも色褪せない。そして苗からは花の色がわからず、咲くまでの楽しみがあります。この方々によってお嬢様がどんな色になるか、この三橋は今から楽しみでございます。花言葉は【永久不変】です」

「足立柚季様は【イエローサルタン】です。この花はタンポポに良く似ていますが、花弁に深い切れ込みのある独特な姿、さわやかな香りが個性的な足立様にぴったりだと思っています。花言葉は【強い意志】です」

「遠藤舞様は【桔梗】です。このフットサル部の癒し的な存在の遠藤様。桔梗は昔から漢方にも使われ、人を癒す花として有名です。遠藤様はこの部活を癒す存在のイメージが強いのでこの花のイメージが沸きました。花言葉は【優しい温かさ、清楚】です」

 5人への花のイメージの特徴を捉えながら説明する三橋。

「長々と私が皆様への持つイメージを花に例えて説明させていただきました。最後にチーム名ですが、どちらの方も私には花のイメージがあります。そこでチーム名は【フローラル】と言うのはいかがでしょうか? 意味は【花のような】と言う意味でございます」

 言って三橋は5人に深々と頭を下げる。
 三橋の出したチーム名【フローラル】その言葉を聞いた志保がポツリと呟いた。

「フローラル……」

「フローラル……ね」

「なかなか良いですわね……」

「って言うか、かなり良いと思うけど」

(コクコクコク)

 次第に実感が沸き始める5人。

「いいよ。フローラル。うん、凄く良い」

「うん、私も気に入った」

「私達にふさわしいチーム名ですわ」

「私も~」

(コクコクコク)

 テンションが上がりハイタッチをメンバー全員でする。そんな中、チーム名を考えた三橋だけが冷静に、そして身体を小刻みに揺らしながら立っていた。
 自分の執事がいる事に気付いた亜紀が上機嫌で三橋を褒める。

「三橋、とても良い仕事をしましたわ。褒めて差し上げますわ」

「ありがとうございます。では、私はこれで」(プルプル)

 そう言って三橋はさらに身体の揺れを激しくしながら体育館から去っていった。

「おじいちゃん、素敵なチーム名を決めてくれてありがとう~」

 志保は大きな声で三橋の背中に向かって言って頭を下げると理沙や舞が続いた。だが、三橋は振り返る事も無くそのまま立ち去っていた。三橋の姿が見えなくなるまで見送ると志保が大きな声で気合を入れる。

「さあ、昼まで練習やるよ。昼からはミーティングしてから持久力アップの為、ランニングや階段上り!」

「助けて~」

 志保のメニューを聞いた4人から悲鳴が上がった。


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