1,081 / 1,127
三食昼寝、家族付き
第1070話
しおりを挟む
ああ思い出してみれば、謎能力は子供達と力が混ざって生まれた力であり、最初からあったのは安産スキルとか女神様おススメスキルばっかりだったなぁ。
刀国を離れ、好みの男を見つけて謎能力も初心に返ったんだろうな。
一言いいですか?
そんな初心は永遠に捨てておいてください。
カオスな能力でも周囲に幸せ振りまく方が僕的にはいいな!
「まーま」
「はぁい」
花ちゃんが産湯に入れてくれ、おくるみに包んでから僕の横に寝かせてくれたのだけど、皆さんはお気付きになられただろうか。
そう、この子、生まれたばかりなのに喋ってるんですよ!
目もしっかり開いて晴天のような蒼い瞳がこちらを見ているし、小さなお口の中には白くて小さな歯が綺麗に生え揃い、モミジのような手はなかなか握力が強い。
この時点ですでに普通の子供じゃありませんね!
何せ我が家には普通の赤ちゃんであるアテナがいる、今回は刀国の外に連れだすことに難色を示したヘラ母さんが預かってくれるとのことで置いてきたけど、あの子はまだ喋れない!
そう、普通の赤ちゃんは喋らない!
「キシャ」
「まんま!」
遠い目をしていたら花ちゃんに服をはがされ、母乳に生まれたばかりの我が子が吸い付いた。
花ちゃんすげぇや、乳母の才能あるよ。
「あ、まずい、花ちゃんアー君呼べる? 魔力が凄い勢いで吸われててまずい」
「キキャアアアア!!」
魔力枯渇のこの感じ、久々すぎて対処忘れました。
わたわたした花ちゃんが絶叫しながら部屋を飛び出していった。
その間にもちゅーちゅーと吸われていく魔力、最近はドリちゃんがいたから魔力枯渇知らずだったんだ。
もしかしてドリちゃん、僕の魔力も管理していてくれたんだろうか、さすが我が家の賢母。
「キシャーー!」
「キシャ!」
花ちゃんが連れてきたのはアー君ではなくオプちゃんだった。
「しゃ~」
僕の手を握り、そっと魔力を流すオプちゃん。
……この魔力は間違いない、僕らの魔力だ。
ああなるほど、オプちゃんは僕らの夢の世界の住人だから、あの世界の魔力を取り扱うことができるのか。そっかぁ納得――するわけないだろ。
え、あの魔力身内以外でも使えるの!?
それ大丈夫!?
アー君知ってる!?
アー君じゃなくてもうちの子の誰か把握してる??
オプちゃんに助けてもらうこと数十分、ようやく初乳を終えた赤ちゃんを花ちゃんが抱き上げ、背中をトントンしてゲップをさせている。
あの知識は一体どこから……。
「くぁぁぁ」
役目を果たしたオプちゃんはというと、大きな欠伸をして目をこすると、もぞもぞと布団に潜るような動作をしながらえっちゃんの中に沈んでいった。
そこでハッとしたのがえっちゃん、僕も今気付いたんだけど、もしや魔力の供給、えっちゃんでもできた?
「かあちゃん大丈夫か!? 涼ちゃんに呼ばれて来たぞ!」
「ヨムちゃん」
「ってもう生まれてる! 俺の出番なし!?」
「来てくれてありがとうね、もう大丈夫だよ」
「よむー」
「もう喋ってる。さすが俺の弟!」
「弟だ弟だ」
『ママー』
「もうそろそろ立てそうですね!」
イネスちゃん、さすがにそれは無理だよ。とツッコミ入れようとして赤ちゃんを見たらさっきより一回り大きくなっておりまして。
さすがうちの子、成長スピードが人外。
刀国を離れ、好みの男を見つけて謎能力も初心に返ったんだろうな。
一言いいですか?
そんな初心は永遠に捨てておいてください。
カオスな能力でも周囲に幸せ振りまく方が僕的にはいいな!
「まーま」
「はぁい」
花ちゃんが産湯に入れてくれ、おくるみに包んでから僕の横に寝かせてくれたのだけど、皆さんはお気付きになられただろうか。
そう、この子、生まれたばかりなのに喋ってるんですよ!
目もしっかり開いて晴天のような蒼い瞳がこちらを見ているし、小さなお口の中には白くて小さな歯が綺麗に生え揃い、モミジのような手はなかなか握力が強い。
この時点ですでに普通の子供じゃありませんね!
何せ我が家には普通の赤ちゃんであるアテナがいる、今回は刀国の外に連れだすことに難色を示したヘラ母さんが預かってくれるとのことで置いてきたけど、あの子はまだ喋れない!
そう、普通の赤ちゃんは喋らない!
「キシャ」
「まんま!」
遠い目をしていたら花ちゃんに服をはがされ、母乳に生まれたばかりの我が子が吸い付いた。
花ちゃんすげぇや、乳母の才能あるよ。
「あ、まずい、花ちゃんアー君呼べる? 魔力が凄い勢いで吸われててまずい」
「キキャアアアア!!」
魔力枯渇のこの感じ、久々すぎて対処忘れました。
わたわたした花ちゃんが絶叫しながら部屋を飛び出していった。
その間にもちゅーちゅーと吸われていく魔力、最近はドリちゃんがいたから魔力枯渇知らずだったんだ。
もしかしてドリちゃん、僕の魔力も管理していてくれたんだろうか、さすが我が家の賢母。
「キシャーー!」
「キシャ!」
花ちゃんが連れてきたのはアー君ではなくオプちゃんだった。
「しゃ~」
僕の手を握り、そっと魔力を流すオプちゃん。
……この魔力は間違いない、僕らの魔力だ。
ああなるほど、オプちゃんは僕らの夢の世界の住人だから、あの世界の魔力を取り扱うことができるのか。そっかぁ納得――するわけないだろ。
え、あの魔力身内以外でも使えるの!?
それ大丈夫!?
アー君知ってる!?
アー君じゃなくてもうちの子の誰か把握してる??
オプちゃんに助けてもらうこと数十分、ようやく初乳を終えた赤ちゃんを花ちゃんが抱き上げ、背中をトントンしてゲップをさせている。
あの知識は一体どこから……。
「くぁぁぁ」
役目を果たしたオプちゃんはというと、大きな欠伸をして目をこすると、もぞもぞと布団に潜るような動作をしながらえっちゃんの中に沈んでいった。
そこでハッとしたのがえっちゃん、僕も今気付いたんだけど、もしや魔力の供給、えっちゃんでもできた?
「かあちゃん大丈夫か!? 涼ちゃんに呼ばれて来たぞ!」
「ヨムちゃん」
「ってもう生まれてる! 俺の出番なし!?」
「来てくれてありがとうね、もう大丈夫だよ」
「よむー」
「もう喋ってる。さすが俺の弟!」
「弟だ弟だ」
『ママー』
「もうそろそろ立てそうですね!」
イネスちゃん、さすがにそれは無理だよ。とツッコミ入れようとして赤ちゃんを見たらさっきより一回り大きくなっておりまして。
さすがうちの子、成長スピードが人外。
22
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
ライバル視していた隣国の魔術師に、いつの間にか番認定されていた
地底湖 いずみ
BL
魔法ありの異世界に転生をした主人公、ライ・フォールは、魔法学園の成績トップに君臨していた。
だが、努力をして得た一位の座を、急に現れた転校生である隣国の男、ノアディア・サディーヌによって奪われてしまった。
主人公は彼をライバルと見なし、嫌がらせをしようとするが、前世の知識が邪魔をして上手くいかず、いつの間にか彼の番に認定され────
────気づかぬうちに、俺はどうやら乙女ゲームの世界に巻き込まれていたみたいだ。
スパダリヤンデレ超人×好きを認めたくない主人公の物語。
※更新速度 : 中
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる