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三食昼寝、家族付き

第1069話

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 別に僕は謎能力に何かを求めてはいない。
 あえて言うならば何もして欲しくないかな、特にアー君に対抗して無双とか求めてない。

「かあちゃ、戻りが遅いと思ったらまさかの展開、まさかでもないか」
「はい、ちょっと前までは平常運転でした」
『おとうといっぱい』

 教皇様の片腕に抱かれてきのこハウスに戻ったら、何があったか速攻でばれた。
 そして普通に受け入れられている現状。
 イネスの言う通り、この程度はそう言えばちょっと前までは日常の範囲内だったかもしれない、最近は別の方向に謎能力を発動しているせいで忘れていました。

 明後日の方向に能力が発動した結果の代表の花ちゃんが、ここに座れと葉っぱで三人ぐらい乗れそうなブランコをトントンと叩いている。
 家の前にあんなのあったっけ? なんて思っている間に僕を抱えたままブランコに座ったよこの権力者。

「キラキラ教皇、お肌もキラキラだな」
『ママ襲ったの?』
「謎能力の本領発揮ですねー」

 イネス、いたたまれないから指摘しないでぇぇ。

「この方の伴侶になりたいのですが、許してもらえますか?」
「かあちゃが良いならいいぞー」
『パパ増えた』
「別居婚ですけどね!」

 どうでもいいですが下ろしてくれませんかね?
 ダメ、ああそう。

「今日からは私も皆さんの家族です」
「ママ拒否権ないっぽい!」
『はらぐろ』
「逃げても追って来るタイプです!」
「知ってた」

 出会った瞬間から捕縛されて逃げられなかったしねー。

「ではもういっ」
「夕食の用意しよう!」

 放っておいたらこの場で始めそうで怖いよこの人!
 ヴィシュタル教の教皇という時点で何の安心感も得られない!

「今日は何を食べようか!」
「ピザ」
『ピザ』
「クリスピー生地で」

 ピザを推す子供達の後ろでは、花ちゃんがピザ生地を作り、オプちゃんがレンガ生成して窯を作っているところだった。
 本格ピザを食べる気だな、じゃあ僕は上に乗せる食材を用意すればいいかな。

「キラキラは仕事に戻らなくていいのか?」
『おさぼり?』
「いけない大人ですねー」
「神々の御子を接待するのも立派な仕事です」

 接待?
 相手を美味しく頂くのも接待に入るのだろうか?

 考えてはいけない、だってこの人、女神様を信仰する宗教のお偉いさんだもの。

 頑張って無心を貫き、ピザを皆で作りました。
 花ちゃんの生地の作り方が本場のプロ級だった、横で真似して小さい生地をくるくる回すオプちゃんも可愛らしかったです。

 作り終えた所でお腹が痛くなり、倒れかけたら花ちゃんに抱き留められ、そのまま家の中に連れ込まれた。
 痛いなーと思う暇もなく意識が混濁。

「まま」

 目を開けたら天使が増えていた。
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