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三食昼寝、家族付き
第1059話
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そういう訳で三位です。
四位本当になんだったんだろう、アー君に後で聞いてみよう。
「アイツはいい筋肉をしていた。独身らしいし、いい嫁と子供達に囲まれてデレる一生を送れるような祝福をかけておこう、はーいい筋肉見た」
「アー君の暴走酷かったね」
「朱の暴走も酷かったけどね」
「僕ら、笑顔でアー君のフォローする役割なはずなのに、見事混乱を増長させたね」
事務的にやろう、事務的に。と自らに言い聞かせるように呟くと、アカーシャは舞台袖に向かって合図をした。
舞台中央に立った少年が抱えているのは、台座に乗せられた5つの魔石。
「ほい、触って触って」
「一人一個ずつですよ」
効能を言わずに推し進めるアー君、営業スマイルで魔石を選手に押し付けるアカーシャ。
断言する、あの魔石の効果は碌なもんじゃない。
「あの、本当にこれ、触って大丈夫? このお兄さんの笑顔が悪だくみしてる時の刀羅そっくりで怖いんだけど!」
「ちょっと殿下、自分だけ逃げようとしないでくださいよ!」
「そうですよ、我らはもう触った後ですぞ!」
「ぎゃーーー! やめろーー!」
ここに来て賞品を拒絶する賢い子が現れた。
ただ周囲が拒否を許さない、なんてひどいなかまだろう。
「さて、皆さんワクワク結果発表ー!」
「わーー」
「ひどい、よごされた」
「主思いの部下ですからな我らは」
「「そうそう」」
乙女のようにホロホロと涙を流す王子、対する仲間達はとてもいい笑顔。
「可哀想だから真面目にやってやろう。アカーシャ」
「今触っていただいた魔石の効果ですが、僕の兄弟がおもしろがっ……協力し合った結果、複数の効能が付与されました。効果切れが来る日があるかは不明です」
「楽しかった」
「効果がランダムに表れるのは僕が目が見えないからかもしれない」
あの王子に謝らなきゃいけない気分になってきた。
うちの子たち、何をやらかしたんだろう。
「俺は何にしようか迷ったんだ、だから冒険者の意見を聞いてだな」
「もう嫌な予感しかしない! 返品で!」
「酔ってもアイツらは俺の質問に真摯に答えてくれた。ラッキースケベとかロマンだよなって言ってた」
「いやぁぁぁあ」
「残念ながら僕は魔力の扱いが下手なので、商業ギルドで売買する際にいいことあるよ。的な効果を混ぜておきました」
「あら普通」
「僕はほら、目が見えないから、サーチ系を極めているでしょう? 突発的におじさまの腹筋が脳裏に浮かぶように効果を入れ替えました」
「目が見えないの関係ねぇぇぇし、効果が地獄ですね!!」
「落ち着いて、私は比較的まともなのを入れておいたから。なんだっけ、壁ドン?」
ツッコミ王子のSAN値が終了したようだ。
真っ白になって舞台に膝をついている。
「神々の祝福だから災難回避できるぞ?」
「うん、回避手段がちょっとエロ効果っぽいだけだよ」
「朱曰く、正当な理由あるらしいよ」
「女神の趣味を忖度することで効果がアップするんです」
どうして僕は子供達が選んだ賞品の確認をしなかったんだろうか、そもそも僕から隠れてこそこそ動いていた時点で怪しめばこんな被害が起きることもなかったのにな。
そして二位の発表を前に二位のチームが逃亡しようとして騎士団に捕まっていた。
気持ちは分かる。
四位本当になんだったんだろう、アー君に後で聞いてみよう。
「アイツはいい筋肉をしていた。独身らしいし、いい嫁と子供達に囲まれてデレる一生を送れるような祝福をかけておこう、はーいい筋肉見た」
「アー君の暴走酷かったね」
「朱の暴走も酷かったけどね」
「僕ら、笑顔でアー君のフォローする役割なはずなのに、見事混乱を増長させたね」
事務的にやろう、事務的に。と自らに言い聞かせるように呟くと、アカーシャは舞台袖に向かって合図をした。
舞台中央に立った少年が抱えているのは、台座に乗せられた5つの魔石。
「ほい、触って触って」
「一人一個ずつですよ」
効能を言わずに推し進めるアー君、営業スマイルで魔石を選手に押し付けるアカーシャ。
断言する、あの魔石の効果は碌なもんじゃない。
「あの、本当にこれ、触って大丈夫? このお兄さんの笑顔が悪だくみしてる時の刀羅そっくりで怖いんだけど!」
「ちょっと殿下、自分だけ逃げようとしないでくださいよ!」
「そうですよ、我らはもう触った後ですぞ!」
「ぎゃーーー! やめろーー!」
ここに来て賞品を拒絶する賢い子が現れた。
ただ周囲が拒否を許さない、なんてひどいなかまだろう。
「さて、皆さんワクワク結果発表ー!」
「わーー」
「ひどい、よごされた」
「主思いの部下ですからな我らは」
「「そうそう」」
乙女のようにホロホロと涙を流す王子、対する仲間達はとてもいい笑顔。
「可哀想だから真面目にやってやろう。アカーシャ」
「今触っていただいた魔石の効果ですが、僕の兄弟がおもしろがっ……協力し合った結果、複数の効能が付与されました。効果切れが来る日があるかは不明です」
「楽しかった」
「効果がランダムに表れるのは僕が目が見えないからかもしれない」
あの王子に謝らなきゃいけない気分になってきた。
うちの子たち、何をやらかしたんだろう。
「俺は何にしようか迷ったんだ、だから冒険者の意見を聞いてだな」
「もう嫌な予感しかしない! 返品で!」
「酔ってもアイツらは俺の質問に真摯に答えてくれた。ラッキースケベとかロマンだよなって言ってた」
「いやぁぁぁあ」
「残念ながら僕は魔力の扱いが下手なので、商業ギルドで売買する際にいいことあるよ。的な効果を混ぜておきました」
「あら普通」
「僕はほら、目が見えないから、サーチ系を極めているでしょう? 突発的におじさまの腹筋が脳裏に浮かぶように効果を入れ替えました」
「目が見えないの関係ねぇぇぇし、効果が地獄ですね!!」
「落ち着いて、私は比較的まともなのを入れておいたから。なんだっけ、壁ドン?」
ツッコミ王子のSAN値が終了したようだ。
真っ白になって舞台に膝をついている。
「神々の祝福だから災難回避できるぞ?」
「うん、回避手段がちょっとエロ効果っぽいだけだよ」
「朱曰く、正当な理由あるらしいよ」
「女神の趣味を忖度することで効果がアップするんです」
どうして僕は子供達が選んだ賞品の確認をしなかったんだろうか、そもそも僕から隠れてこそこそ動いていた時点で怪しめばこんな被害が起きることもなかったのにな。
そして二位の発表を前に二位のチームが逃亡しようとして騎士団に捕まっていた。
気持ちは分かる。
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