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三食昼寝、家族付き
第1040話
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本日の夕食はピザです。
午前中に大量生産したピザ生地に具をのせるだけなんだけど、ほら我が家って人数がいるから数を作るの大変なんだよ。
ピザの他にはパン各種やサラダ、ポテトフライやオニオンフライなどが並ぶ予定。
神薙さん用の巨大ピザは僕らの分が終わったら全員で作ります。
ドリちゃんが限界に挑戦して最大サイズが出来たので、トッピングが大変なんだ。
「俺、山小屋には共通語を書けるようになるため通ってるはずなんだ、なのに最近は授業後に教師に魔法の指導してるんだ」
いつも通りの平和な午後、山小屋から帰ったアー君が夕食のお手伝いをしながら愚痴をこぼした。
「それで帰りがちょっと遅くなったんだね」
「いや、おかしくない? 俺幼児」
『人選に間違いないの』
「魔法の使い方ってバラバラだもんなー、漫画を嗜む俺らは理由分かってるけど!」
魔法の研究をしている鬼羅によると古代魔法から漫画やラノベ、ゲーム知識まで、あれもこれも混ざり合ってカオスな感じになっている上、あり方が生き物のように変動するので一つの理論が成立しないらしい。
変動するタイミングは解明されたみたいだけどね。
「女神が新作ゲームや作品にハマった時だな、その作品の設定がこの世界に混じるんだ。クリアしたり完結して次に意識が向けばそこで変動が止まって消えることもある。気に入ったシリーズは残ったままになるとかもう滅茶苦茶」
「うっわぁ」
「だから鬼羅の悩みを解決する方法としては、長寿シリーズの制作会社に女神が好みそうなネットゲームを制作してもらって女神がそれにハマってもらう。というのがある」
「女神様の好みそうなゲーム……?」
一狩りいくあれは好きそうだけど、狩りと恋愛、それも男同士の熱いのを混ぜるの?
混ぜなくてもそれ、この世界ではただの日常風景だね。
「でも女神様って自分でゲーム発売しているよ」
「え」
「中身はともかく、コアなファンがついているみたい。あとBL界ではそこそこ知名度もあるし、書籍化されたとか延々と自慢されたことがあったかな?」
情報量多いうえに長かったから聞き流してて記憶怪しいけど。
「だから方向性をうっかり間違えると、アー君がゲーム設定に巻き込まれるよ?」
「それは、嫌だ!」
必死になって首を横に振るアー君、まぁ最も、学園に通ったら王道設定が追いかけていくと思うけどね。
これは学園への夢を壊さないために黙っておいてあげよう。
「じゃ、じゃあ女神好みの本を作る、のは?」
「それは巫女さんやネリちゃんがもうやってるよ、刀国で日本語を勉強させてるのそのためだし。あと女神様は色んな物語を同時に読み込んでるから、魔法の設定が混乱するのそのせいじゃない?」
「んもーー!」
『おてあげぇ』
「妄想の影響だから下手なことするとさらにカオスになるってことか?」
「うん、藪を突くより、自分達で理論を作って確立した方が早いんじゃないかな」
思考の統一化は騎士様もチャレンジしたことあるらしいけど、妄想が爆発して酷いことになったとか聞いたような。
「じゃあ今みたいに理屈じゃなく勢いで突き進むのが正解……?」
『鬼羅ちゃんの研究の意味なくなっちゃう』
「考えるな感じろ!?」
「それが一番正解かな」
実際、幼児のノリと勢いで涼玉がドラゴンブレスで氷を吐き出せたしね。
午前中に大量生産したピザ生地に具をのせるだけなんだけど、ほら我が家って人数がいるから数を作るの大変なんだよ。
ピザの他にはパン各種やサラダ、ポテトフライやオニオンフライなどが並ぶ予定。
神薙さん用の巨大ピザは僕らの分が終わったら全員で作ります。
ドリちゃんが限界に挑戦して最大サイズが出来たので、トッピングが大変なんだ。
「俺、山小屋には共通語を書けるようになるため通ってるはずなんだ、なのに最近は授業後に教師に魔法の指導してるんだ」
いつも通りの平和な午後、山小屋から帰ったアー君が夕食のお手伝いをしながら愚痴をこぼした。
「それで帰りがちょっと遅くなったんだね」
「いや、おかしくない? 俺幼児」
『人選に間違いないの』
「魔法の使い方ってバラバラだもんなー、漫画を嗜む俺らは理由分かってるけど!」
魔法の研究をしている鬼羅によると古代魔法から漫画やラノベ、ゲーム知識まで、あれもこれも混ざり合ってカオスな感じになっている上、あり方が生き物のように変動するので一つの理論が成立しないらしい。
変動するタイミングは解明されたみたいだけどね。
「女神が新作ゲームや作品にハマった時だな、その作品の設定がこの世界に混じるんだ。クリアしたり完結して次に意識が向けばそこで変動が止まって消えることもある。気に入ったシリーズは残ったままになるとかもう滅茶苦茶」
「うっわぁ」
「だから鬼羅の悩みを解決する方法としては、長寿シリーズの制作会社に女神が好みそうなネットゲームを制作してもらって女神がそれにハマってもらう。というのがある」
「女神様の好みそうなゲーム……?」
一狩りいくあれは好きそうだけど、狩りと恋愛、それも男同士の熱いのを混ぜるの?
混ぜなくてもそれ、この世界ではただの日常風景だね。
「でも女神様って自分でゲーム発売しているよ」
「え」
「中身はともかく、コアなファンがついているみたい。あとBL界ではそこそこ知名度もあるし、書籍化されたとか延々と自慢されたことがあったかな?」
情報量多いうえに長かったから聞き流してて記憶怪しいけど。
「だから方向性をうっかり間違えると、アー君がゲーム設定に巻き込まれるよ?」
「それは、嫌だ!」
必死になって首を横に振るアー君、まぁ最も、学園に通ったら王道設定が追いかけていくと思うけどね。
これは学園への夢を壊さないために黙っておいてあげよう。
「じゃ、じゃあ女神好みの本を作る、のは?」
「それは巫女さんやネリちゃんがもうやってるよ、刀国で日本語を勉強させてるのそのためだし。あと女神様は色んな物語を同時に読み込んでるから、魔法の設定が混乱するのそのせいじゃない?」
「んもーー!」
『おてあげぇ』
「妄想の影響だから下手なことするとさらにカオスになるってことか?」
「うん、藪を突くより、自分達で理論を作って確立した方が早いんじゃないかな」
思考の統一化は騎士様もチャレンジしたことあるらしいけど、妄想が爆発して酷いことになったとか聞いたような。
「じゃあ今みたいに理屈じゃなく勢いで突き進むのが正解……?」
『鬼羅ちゃんの研究の意味なくなっちゃう』
「考えるな感じろ!?」
「それが一番正解かな」
実際、幼児のノリと勢いで涼玉がドラゴンブレスで氷を吐き出せたしね。
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