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三食昼寝、家族付き

第1033話

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 肉が凄い勢いで消費されていく。
 邪神一家がいるのもあるけど、涼玉とアー君の勢いもこれまた凄い。

「アー君、チーズフォンデュあるけど、今日はいらない?」
「ん、んっ!」

 肉を口いっぱいに頬張ったまま片手を伸ばされたけど、それはつまり食べるアピールでいいんだよね?
 可愛いなぁと眺めていたら、黒子……じゃない、アー君親衛隊がささっと動いて小鍋にチーズを入れて溶かし、肉を刺した串を手に持たせた。

「俺も俺も、マールス!」
「っは!」

 今日の争奪戦は野外だからいつも以上にわちゃわちゃしております、お弁当? 一瞬でした。
 飯盒で炊いたお米とカレーは一応騎士様の口には入ったけど、ほぼ子供達に奪われてたかな、今日は何ていうか野外という解放感からか全体的にテンションが高いです。

 昼間だけど今日はお酒もあります、セティが持ち込んだ度数の高いものから、大衆向けのエール、日本の大手メーカーのビール、刀国限定希少酒などなど。
 獣人団はもう飲み始めているけど、狐さんとボスは嫁の世話が優先みたいです、うちの子愛されてる。

「涼ちゃん、これ、ゴーッてして、僕だとうっかり炭になっちゃいます」
「ガァッ!!」
「ありがとー!」
「このトウモロコシ、甘くて旨いな! これも育ててもらおうぜ!」
『生でも美味しいね』
「もぐもぐもぐ」
「アー君、チーズたっぷりピザですよー」
「あー」

 今日はアー君の食欲が凄いなぁ、いつもはお喋りしながら楽しむのに、今日は一心不乱に食べてる。

「次は焼きトマト、チーズのせ」
「うまっ!」
「胡瓜の浅漬け」
「ボリボリボリ」

 おお胡瓜がアー君の口に吸い込まれていく。
 面白い。

「スペアリブ焼けたぞ」
「「うおおおおおお」」

 刀雲の一言に獣人団が群がった。

「ママ」
「大丈夫だよ」

 あれ食べたい。と目で訴えるアー君、でも僕が行ったら弾き飛ばされる未来しか見えない。
 でも安心してほしい、今のアー君には黒子が付いている!

 サッと横から差し出されたお皿には、スペアリブと太いソーセージが乗っていた。
 ほらね、この通り。

「ありがとう」
「……」

 一礼してまた肉を焼きに戻っていった。
 アー君ったら凄い部下手に入れたんだなぁ。はい、あーん。

「これは、パパ特製のタレ!」
「そう言えば研究してたねー」
「こっちのソーセージはパパの手製の気配!」
「凄いなぁ、刀雲気合入ってる」

 もう一人のパパと言えば邪神一家が暴走しないよう、ひたすら無心で肉を焼き続けている。
 おかしいな、全てにおいてカリスマ的な存在なはずなんだけどな?
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