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三食昼寝、家族付き
第977話
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意外にも僕を淫らな宴会から救ったのは、新たに親族に加わったお兄さんだった。
名前なんだったっけ? 横文字の名前って覚えにくいよね。
「ではそちらの品をひとまず月にこれだけ定期的に納品してもらおう」
「はい」
「お茶の方はいかがかしら、栽培が安定したならレモン国で広めたいのだけど」
魔力の研究に鬼羅も巻き込もうと話していたカイちゃんとアカーシャにアー君が声を掛け、約束通りお兄さんと引き合わせた。
商談はあっという間に成立し、お兄さんは何と砂漠の国の商業ギルド支店長に任命された。
資金はセティが出すから好きにやっていいよ、とアカーシャに言質をもらい、そこからさらに黒豚君に引き合わされて輸入品に関して話しを詰めていた所にネリちゃん登場、商談の輪が広がった。
神薙さん周囲は楽しくお酒を飲む大人達、邪神兄弟はイチャイチャしながら食事を楽しみ、僕の周囲では真面目な話が繰り広げられている。
いやまぁここに居るのは僕の意思なんだけどね、場違い感の酷さよ。
ムーくんの介抱でもしようかと思ったけど、その前に目を覚まして今はお兄さんの後ろで大きな体を縮こまらせてハートを飛ばしている。
大丈夫だよね、一方的な愛じゃないよね?
ちゃんと相思相愛になるよね!?
セティ達はちゃんと食べてるかな、お酒ばっかり飲んでないかな?
肉ばかりじゃなく野菜も食べてほしいな。そう思いながらいるはずの場所を見たら、あの子たちすでにいませんでした。
僕は探しませんよ、成人してるからいいんです。
雷ちゃんの姿も見えないってことは参加してるんですね、いや待て、タイガもいない。
あれ、ちょっと待って、誰と誰がいないんだろ?
途中からレイアさんや魔王様夫婦も参加してさらに人数が増えたから、ちょっと把握しづらい。
「そう言えばそちら識字率はどうなっていますの?」
「ぼく……私の領地では子供を中心に簡単な字なら読めるようになってきました」
「私の任地ではどうだ?」
「セティの領地は識字率上がってるけど、王都はまだまだ貴族や富裕層止まり」
「私、シャムス様に捧げるために絵本を描いているのですが、識字率の向上に利用できないか試してみたいのです、協力していただけません?」
商談だよね?
話題が真面目過ぎてついていけないよアー君。
アー君?
「シャムス、この焼き鳥美味いぞ!」
『コリコリー!』
「俺つくね気に入った!」
「僕カシラ気に入りました! ラーシャもう一本!」
「タレも塩もうんまい! イネスこっちも美味しい!」
呼ばずとも現れる、それがネヴォラ。
最初からいたかのようにイネスとキャッキャッしながら食べている。
「ネヴォラ、この後勝負!」
「ん、遅くなるとじいちゃん心配するから一戦だけ」
勝負を挑む青藍にネヴォラが答える。
前は遅くなろうと気にしなかったのに、いい子になって!!
ゴブリン集団、甘やかすだけじゃなくちゃんと教育してるんだなぁ。
「パパ、食べないならこれもらってくな」
「ああんアー君ひどい」
アー君が騎士様から唐揚げの皿を一個強奪した。
ドリアンに言えば追加をもらえるのに、わざわざ騎士様から奪ったのは反応を楽しんでるんだろうな。
「この唐揚げをピリ辛に味付けたチーズを絡めて食べるんだ!」
『おいちー』
「はふはふ」
「涼玉様、ゆっくりお食べください」
いいな、楽しそう。
うん、僕もあっちに参加しよう。
名前なんだったっけ? 横文字の名前って覚えにくいよね。
「ではそちらの品をひとまず月にこれだけ定期的に納品してもらおう」
「はい」
「お茶の方はいかがかしら、栽培が安定したならレモン国で広めたいのだけど」
魔力の研究に鬼羅も巻き込もうと話していたカイちゃんとアカーシャにアー君が声を掛け、約束通りお兄さんと引き合わせた。
商談はあっという間に成立し、お兄さんは何と砂漠の国の商業ギルド支店長に任命された。
資金はセティが出すから好きにやっていいよ、とアカーシャに言質をもらい、そこからさらに黒豚君に引き合わされて輸入品に関して話しを詰めていた所にネリちゃん登場、商談の輪が広がった。
神薙さん周囲は楽しくお酒を飲む大人達、邪神兄弟はイチャイチャしながら食事を楽しみ、僕の周囲では真面目な話が繰り広げられている。
いやまぁここに居るのは僕の意思なんだけどね、場違い感の酷さよ。
ムーくんの介抱でもしようかと思ったけど、その前に目を覚まして今はお兄さんの後ろで大きな体を縮こまらせてハートを飛ばしている。
大丈夫だよね、一方的な愛じゃないよね?
ちゃんと相思相愛になるよね!?
セティ達はちゃんと食べてるかな、お酒ばっかり飲んでないかな?
肉ばかりじゃなく野菜も食べてほしいな。そう思いながらいるはずの場所を見たら、あの子たちすでにいませんでした。
僕は探しませんよ、成人してるからいいんです。
雷ちゃんの姿も見えないってことは参加してるんですね、いや待て、タイガもいない。
あれ、ちょっと待って、誰と誰がいないんだろ?
途中からレイアさんや魔王様夫婦も参加してさらに人数が増えたから、ちょっと把握しづらい。
「そう言えばそちら識字率はどうなっていますの?」
「ぼく……私の領地では子供を中心に簡単な字なら読めるようになってきました」
「私の任地ではどうだ?」
「セティの領地は識字率上がってるけど、王都はまだまだ貴族や富裕層止まり」
「私、シャムス様に捧げるために絵本を描いているのですが、識字率の向上に利用できないか試してみたいのです、協力していただけません?」
商談だよね?
話題が真面目過ぎてついていけないよアー君。
アー君?
「シャムス、この焼き鳥美味いぞ!」
『コリコリー!』
「俺つくね気に入った!」
「僕カシラ気に入りました! ラーシャもう一本!」
「タレも塩もうんまい! イネスこっちも美味しい!」
呼ばずとも現れる、それがネヴォラ。
最初からいたかのようにイネスとキャッキャッしながら食べている。
「ネヴォラ、この後勝負!」
「ん、遅くなるとじいちゃん心配するから一戦だけ」
勝負を挑む青藍にネヴォラが答える。
前は遅くなろうと気にしなかったのに、いい子になって!!
ゴブリン集団、甘やかすだけじゃなくちゃんと教育してるんだなぁ。
「パパ、食べないならこれもらってくな」
「ああんアー君ひどい」
アー君が騎士様から唐揚げの皿を一個強奪した。
ドリアンに言えば追加をもらえるのに、わざわざ騎士様から奪ったのは反応を楽しんでるんだろうな。
「この唐揚げをピリ辛に味付けたチーズを絡めて食べるんだ!」
『おいちー』
「はふはふ」
「涼玉様、ゆっくりお食べください」
いいな、楽しそう。
うん、僕もあっちに参加しよう。
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