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三食昼寝、家族付き

第902話

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 お家に帰り、ドリちゃんに本日の戦利品を公開した。
 キノコは手に入ったけど全部貢物なんだよね、いいのかなぁこれで。

 刀雲と騎士様はまだ帰ってないから、キノコ料理から作り始めていいかな。
 作りすぎても余ることがないのが我が家です。

「肉食べたい、肉」
「かれーもすきー」
「歯ごたえあるやつ!」
「キッシュ!」

 子供達がリクエストしているので、まずはそっちから作っちゃおうかな。
 全てのキノコを鑑定し終えたドリちゃんにリクエストを伝えれば、視界の隅をスラちゃんが物凄い勢いで動き始めた。

「ドリちゃん、チーズを使ったキノコ料理ってある?」
『カレーは甘口ー』
「はらへった」
「僕も」

 約二名が空腹を訴えている。
 ダンジョンで冒険者の分まで食べてたけど、もう消化したのだろうか。

 おやつをねだるための方便だと思ったら、涼玉とイネスのお腹が盛大に鳴った。

「イネス! ケバブ買ってきたぞ!」
「ラーシャ偉いです!」

 座敷に駆け込んできたラーシャにイネスが飛びつく。
 ただしラーシャが買ってきたケバブは一つだけだった模様、食べ物が絡んだ恨みが厄介なことをラーシャは自覚した方がいいと思う。

「キシャーーーー!!」
「うおぁ」
「これは僕の!」

 空腹で正気度が下がった涼玉がラーシャに吠えた瞬間、イネスはケバブを咥えて屋根の上へと逃げてしまった。
 仲良く分けるという選択肢はなかったようです。

「涼玉様っ! 黄金の焼き芋がありますからお気を確かに!!」
「がぅ!」

 素早くマールスが焼き芋を取り出せば涼玉が飛びついて食べ始めた。
 黄金の焼き芋?
 そう言えば涼玉が食べるさつま芋が輝いているような……邪神の本拠地の割には聖なる食物実る率がやたら高いよね。
 豊穣のドラゴン効果なんだろうか?

「まだありますから、ゆっくりお食べください」
「ふんふんっ!」
「ラーシャ……俺らの分も買って来いよ」
『そーだそーだ』
「閉店間際だったから一人一個しか買えなかったんだよ」
「そこは俺の名前なり、ママの名前なりだせよ! ネヴォラの前に放り出すぞ!」
『ぶーぶー』

 たくさん遊んでお腹が空いたのか幼児の気が立っていますね。
 メニュー画面展開、月餅をぽちっとな。

「はいはい、おやつですよ~」
「やったー」
『あーん』
「かあちゃ、俺も!」
「イネスはー?」
「食べます!」

 幼児の気が逸れた所でラーシャを連れて調理場へ移動。

「ラーシャ、一個だけしか買ってない時は皆がいない所で渡そうね」
「分かった」

 ラーシャもネヴォラのキックは避けたいようです、確実に折れるらしいからね、怖い怖い。
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