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三食昼寝、家族付き
第900話
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お土産という名の賄賂をばら撒いた少年、あれも攻略方法の一種だそうです。
お金がかかる方法だけど、次回からモンスターが好意的になって妨害や攻撃が減るので採取クエストがやりやすくなり、総合的に見て儲けの方が大きいらしいです。
ただしこの初級ダンジョンでしか通じない。そりゃそうだ。
ダンジョン側としては冒険者の生還率を上げるのが目的なので、賄賂を使ってその場を切り抜けるのも戦略の一つであり、決しておやつ目的ではないと目を潤ませて主張。
もふもふモンスター可愛い。
あ、はい、スライムのぷるぷるも大変可愛らしいです。
「うん、うん、信じるから」
「ウルフ、口に串焼きのタレ付いてる」
『好みを把握してるの』
「涼ちゃん、そのクッキー何味?」
「いちご」
ウルフや角兎に迫られる僕を尻目にシャムス達はスライムをクッションにリラックス、モンスターの群れに轢かれた冒険者はお茶を片手に愚痴ったり、さっき入ってきたおっさん冒険者の方とお喋りしている。
「俺ら比較的真面目に頑張ったのに!!」
「比較的?」
「ネヴォラっていう巡回ボスとかち合わないよう、隠密スキル磨きまくった!」
「あの子との戦闘も回避可能な時と、強制戦闘な時あるから気を付けてね~」
「ゴブリンがいるとネヴォラが若干猫かぶってるから交渉の余地があるんだよ、単独だったり海の匂いしてると問答無用」
「怖っ!」
「屋台で賄賂買っておいて良かったろ、おっさん!」
冒険者同士だからこそ分かり合えることがあるようで、楽しそうに会話が弾んでいる模様。
これも出会いの一つじゃない?
「ママ、あっちのおっさんチームは商人の護衛で刀国に来たんだって」
「おおー、王道な仕事だね。女神様が好きそう」
「話を聞いた限り、実際見守られてたっぽい、ただ期待していたような展開はなかったみたいだけどな」
熊みたいなおじさん四人の絡みなんてみたいのか?
ああ女神様って雑食だっけ。
(おっさん受けってジャンルもあるんだぜ!)
(ママに変なこと教えるな!)
女神様が唐突に話しかけてきたけれど、アー君が瞬殺してくれた。
「アー君ありがと」
「朝飯前!」
エッヘンと胸を張るアー君可愛い。
「ねぇねぇ神子様、このおっちゃん達が女神様に祝福もらうにはどうしたらいい?」
「見守りはあるっぽいけど、覗き見レベルで戦闘の役には立ってないみたいなんだよ」
「レイア様だとちょっとおっさん達には合わない気がするよな」
「あ、はぁい、僕にいい案あるよぉ」
いい子達だなぁとほのぼのしていたら、最後に男の娘が元気良く手を挙げた。
声は裏声使ってるのかな、普段はキャラを作っているけど、ピンチには化けの皮が剥がれる感じか。
「僕と、いっぱいエッチなことするってのは!?」
「はぁぁぁ!?」
「あー、確かに、出羽亀した後のご褒美として一番可能性高そう」
「プレイのお題は『可憐な少女を蹂躙する四人の野獣』とか!? きゃっ!」
「いやお前は男だろ……まぁいいか」
提案に顎が外れるほど驚いたおじさんらに対し、仲間の言葉を肯定する冒険者。
悲しいかな、刀国で育った子供は女神様の性癖を受け入れちゃっているんだよね。
「今やる? それとも宿屋いく? 裏路地もお勧め!」
「若い子がそんなこと言っちゃダメだろ!」
「おっちゃん硬いなぁ、女神様はこういう言動大好きだぜ。なぁ神子様」
「はい、大好物ですね。君達はきっといいスキル貰えると思うよ、いっそ今おねだりしてもいいと思う」
多分まだ覗き見真っ最中だろうし。
「はいはいはい!! 俺、今は軽業師だけど、本当は踊り子希望ッス!!」
「おい、素が出てるって」
「あ、あはは、踊り子希望でぇす」
男の娘の中身がほぼおっさんな件。
――色気が足りない。
厳かな声でズバリと言い切られ、男の娘がその場に崩れ落ちた。
お金がかかる方法だけど、次回からモンスターが好意的になって妨害や攻撃が減るので採取クエストがやりやすくなり、総合的に見て儲けの方が大きいらしいです。
ただしこの初級ダンジョンでしか通じない。そりゃそうだ。
ダンジョン側としては冒険者の生還率を上げるのが目的なので、賄賂を使ってその場を切り抜けるのも戦略の一つであり、決しておやつ目的ではないと目を潤ませて主張。
もふもふモンスター可愛い。
あ、はい、スライムのぷるぷるも大変可愛らしいです。
「うん、うん、信じるから」
「ウルフ、口に串焼きのタレ付いてる」
『好みを把握してるの』
「涼ちゃん、そのクッキー何味?」
「いちご」
ウルフや角兎に迫られる僕を尻目にシャムス達はスライムをクッションにリラックス、モンスターの群れに轢かれた冒険者はお茶を片手に愚痴ったり、さっき入ってきたおっさん冒険者の方とお喋りしている。
「俺ら比較的真面目に頑張ったのに!!」
「比較的?」
「ネヴォラっていう巡回ボスとかち合わないよう、隠密スキル磨きまくった!」
「あの子との戦闘も回避可能な時と、強制戦闘な時あるから気を付けてね~」
「ゴブリンがいるとネヴォラが若干猫かぶってるから交渉の余地があるんだよ、単独だったり海の匂いしてると問答無用」
「怖っ!」
「屋台で賄賂買っておいて良かったろ、おっさん!」
冒険者同士だからこそ分かり合えることがあるようで、楽しそうに会話が弾んでいる模様。
これも出会いの一つじゃない?
「ママ、あっちのおっさんチームは商人の護衛で刀国に来たんだって」
「おおー、王道な仕事だね。女神様が好きそう」
「話を聞いた限り、実際見守られてたっぽい、ただ期待していたような展開はなかったみたいだけどな」
熊みたいなおじさん四人の絡みなんてみたいのか?
ああ女神様って雑食だっけ。
(おっさん受けってジャンルもあるんだぜ!)
(ママに変なこと教えるな!)
女神様が唐突に話しかけてきたけれど、アー君が瞬殺してくれた。
「アー君ありがと」
「朝飯前!」
エッヘンと胸を張るアー君可愛い。
「ねぇねぇ神子様、このおっちゃん達が女神様に祝福もらうにはどうしたらいい?」
「見守りはあるっぽいけど、覗き見レベルで戦闘の役には立ってないみたいなんだよ」
「レイア様だとちょっとおっさん達には合わない気がするよな」
「あ、はぁい、僕にいい案あるよぉ」
いい子達だなぁとほのぼのしていたら、最後に男の娘が元気良く手を挙げた。
声は裏声使ってるのかな、普段はキャラを作っているけど、ピンチには化けの皮が剥がれる感じか。
「僕と、いっぱいエッチなことするってのは!?」
「はぁぁぁ!?」
「あー、確かに、出羽亀した後のご褒美として一番可能性高そう」
「プレイのお題は『可憐な少女を蹂躙する四人の野獣』とか!? きゃっ!」
「いやお前は男だろ……まぁいいか」
提案に顎が外れるほど驚いたおじさんらに対し、仲間の言葉を肯定する冒険者。
悲しいかな、刀国で育った子供は女神様の性癖を受け入れちゃっているんだよね。
「今やる? それとも宿屋いく? 裏路地もお勧め!」
「若い子がそんなこと言っちゃダメだろ!」
「おっちゃん硬いなぁ、女神様はこういう言動大好きだぜ。なぁ神子様」
「はい、大好物ですね。君達はきっといいスキル貰えると思うよ、いっそ今おねだりしてもいいと思う」
多分まだ覗き見真っ最中だろうし。
「はいはいはい!! 俺、今は軽業師だけど、本当は踊り子希望ッス!!」
「おい、素が出てるって」
「あ、あはは、踊り子希望でぇす」
男の娘の中身がほぼおっさんな件。
――色気が足りない。
厳かな声でズバリと言い切られ、男の娘がその場に崩れ落ちた。
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