上 下
870 / 1,127
女神の呪い

第861話

しおりを挟む
 とんだ波乱を乗り越えて始まったチーズ祭り、神薙さんの邸宅は喧騒が届かないからとても平和。
 本人は子供達の他に騎士様やレイアさんをパーティーに誘い、祭りの最前線で暴れてくると朝早くからいません。
 レイアさん朝早すぎて半分寝てた気がするけど、力加減間違えてダンジョン破壊しないといいなぁ。

 二日間潜る予定のパーティーがこぞってポーション類を求めたことで孤児院はぼろ儲け、ゴブリンから薬草を購入して追加ポーション生成中。
 社務所の売り上げも絶好調、お守り類や携帯食料、獣人の派遣からレンタル装備まで過去最大の売り上げを更新中だって。

「社務所で販売する商品が何気に増えている」
「レンタルはアカーシャのアイデア、俺が作った武器を役立たせたいって言ったら提案してくれた」
『売り飛ばそうとするとお店ごと爆破なの』
「アカーシャの快進撃が止まらない」

 アカーシャがどんどんクロードさん化している。
 あまりがめつい人間にならないといいなぁ。せめて腹黒ぐらいでとどまってほしい。

「今頃ダンジョンは賑わってるんだろうね、でも入り口でエルフに襲われたりしないの?」
「今日はどこも大人数だから、一人二人欠けた所で特に影響ないと思う」
『選びほーだい』
「青の親戚が増殖してるな」

 襲われることは否定しないのか、そうか。

「ダンジョンの様子見る前におやつを選ぼう」
「まぁま」
「ポップコーン以外にもおすすめがあったらくれー」
「はいはい」

 可愛くおねだりされてメニュー画面を展開したら、慣れた手つきでパパっと画面を切り替えておやつを吟味し始めた。

 我が家からも三匹とイネスが出陣中。
 もふもふズは通常の狩りと祭り参加に別れて行動、そういえば刀羅と鬼羅はどのチームで参加してるんだろう?

「アー君は刀羅と鬼羅がどこに混ざってるか知ってる?」
「セティチーム」

 シュワっとする炭酸飲料とポテトのセットを選んだアー君が答えてくれた。

「!?」
「神薙様が家族参加って聞いて、じゃあ自分達は兄弟で無双しようって声かけてた」
「そもそも何でチーズ祭りのこと知ってるんだろう」
「よむちゃん」

 シャムスが選んだのはオレンジジュースと月餅。
 すぐ食べ終わっちゃうけど大丈夫?

「夢の中でじょーほー交換した。カイちゃんも参加してる」

 涼玉が選んだのはサイダーとキャラメル味のポップコーン。
 マールスがいないけど自分で飲み食い出来るんだろうか?

 疑問に思っていたらシャムスがスライムを呼び寄せ、自分達の周囲に配置した。
 クッションと給仕係を兼用させるつもりなんだろうなぁ。

 ちなみにセティとカイちゃん、今夜は二人とも我が家でご飯食べるそうです。
 早く言おう。

「ドリちゃん、今夜セティとカイちゃんがお泊りするって!」

 夕食の用意の他、お泊りする部屋も用意しなきゃ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。

竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。 溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。 みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。 囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。 サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。 真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。 ☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正 ⭐残酷表現あります。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 時々おまけを更新しています。

処理中です...