866 / 1,127
女神の呪い
第857話
しおりを挟む
アー君のチーズパーティーが祝宴も兼ねることになった。
つまりいつも通り神様が大量に参加するってことだよね、普通に食材集めるだけじゃ足りないなこれ。
「アー君、チーズ以外も効率よく集めたいのだけど、いい案はないかな?」
「シャムス何かある?」
『涼ちゃんをマシューのとこに派遣』
「おれ?」
曰く、涼玉を置いて力を開放することで作物を活性化させ、収穫しまくれば何とかなるだろうと。シャムスの案は確かにいいかもしれない、けどそれだと過労死する人が出そうだね。
今だって離れているにも関わらず豊穣の影響を受け、毎日収穫にひーひー言っているみたいだしね。
「一ついい案があるんだ」
僕の懸念にアー君があげたのは、砂漠の国で出会った陽気な獣人達を農民として受け入れることだった。
「砂漠の国では奴隷は法で定められた労働力、とは言え、主人によっては扱いに雲泥の差があったみたいで、ママを守っていた獣人は最悪に近い待遇を受けていたんだって。今更扱いを変えられたところで国への恨みは消せないって言われたから、獣人の国に全員移住させたんだけど……」
『ぬるいって文句が出たの』
「わがままだよな」
獣人の国はレモン国に隣接している。
間に国があったかもしれないけれど、気付いたらお隣さんになっていたらしい。
僕の子供のルカは守護者であって国の運営は畑違い、かと言って脳筋獣人にも難しい、何せ主神であるレイアさんが力こそ全て!なお人だから、民もそうなって当然。
獣人のために国を作ったはいいけれど、動かすには人間が必要――ということで、現在、国の運営はレモン国から派遣された役人が行っているんだって。
そのお礼としてレモン国はレイアさんから加護を受け、軍事面が爆上がり、じゃあ俺も俺もと騎士様やアー君、ドラグーン王国が後ろ盾についてびっくりするぐらいの大国に成長。
実際に国王様がひっくり返り、同情した刀国の国王様からお見舞いの品が届けられたとか。
獣人の国の獣人は元帝国の奴隷、陽気な獣人団と立場は同じはずなのだけど、一つだけ決定的な違いがあるんだよね。
そう、僕です。
陽気な獣人団は僕と接触したことでほわ~んとなったけど、同時に戦闘力も上がっている。
おまけに群れを率いるボスが勤勉なので、無料でお肉を食べ放題でき、自由を謳歌する暮らしが肌に合わなかったらしい、真面目って損ですね。
あと、ドラゴニュートの攻撃力が高過ぎて魔物が木っ端微塵になってしまい、苦情が殺到しているという悩みもあるとか。
そこでドラゴニュートを見捨てないのがボスのいいところだよね。
「その点、刀国なら労働を巡る熾烈な争いがあるからな! 相手は主に孤児院の連中だけど!」
『魔物も強いの』
「竜種との交易でマシューの所、また人手が足りなくなりつつあるって」
マシュー君の領地が潤うのはいいことだけれど、領民が増えれば増えるほど仕事も増えているような。
「レモン国のアランだっけ? あの王子が執務を手伝ってるから書類仕事はスムーズらしいけど、肉体労働はそうはいかないしな! ギルドと教会、宿を作ってほしいという要望もあるし、ギルドと商会は大忙しだってアカーシャが言ってた」
『働き甲斐のある職場なの』
「最近は魔物との交易も盛んなんだって」
お米を栽培するための領地だったのに、ずいぶんと規模が大きくなったなぁ。
数日後、陽気な獣人団がマシュー君の領地に移住。
アカーシャから案内役を任命された才蔵とドラゴニュートが恋に落ちたと聞いた。
つまりいつも通り神様が大量に参加するってことだよね、普通に食材集めるだけじゃ足りないなこれ。
「アー君、チーズ以外も効率よく集めたいのだけど、いい案はないかな?」
「シャムス何かある?」
『涼ちゃんをマシューのとこに派遣』
「おれ?」
曰く、涼玉を置いて力を開放することで作物を活性化させ、収穫しまくれば何とかなるだろうと。シャムスの案は確かにいいかもしれない、けどそれだと過労死する人が出そうだね。
今だって離れているにも関わらず豊穣の影響を受け、毎日収穫にひーひー言っているみたいだしね。
「一ついい案があるんだ」
僕の懸念にアー君があげたのは、砂漠の国で出会った陽気な獣人達を農民として受け入れることだった。
「砂漠の国では奴隷は法で定められた労働力、とは言え、主人によっては扱いに雲泥の差があったみたいで、ママを守っていた獣人は最悪に近い待遇を受けていたんだって。今更扱いを変えられたところで国への恨みは消せないって言われたから、獣人の国に全員移住させたんだけど……」
『ぬるいって文句が出たの』
「わがままだよな」
獣人の国はレモン国に隣接している。
間に国があったかもしれないけれど、気付いたらお隣さんになっていたらしい。
僕の子供のルカは守護者であって国の運営は畑違い、かと言って脳筋獣人にも難しい、何せ主神であるレイアさんが力こそ全て!なお人だから、民もそうなって当然。
獣人のために国を作ったはいいけれど、動かすには人間が必要――ということで、現在、国の運営はレモン国から派遣された役人が行っているんだって。
そのお礼としてレモン国はレイアさんから加護を受け、軍事面が爆上がり、じゃあ俺も俺もと騎士様やアー君、ドラグーン王国が後ろ盾についてびっくりするぐらいの大国に成長。
実際に国王様がひっくり返り、同情した刀国の国王様からお見舞いの品が届けられたとか。
獣人の国の獣人は元帝国の奴隷、陽気な獣人団と立場は同じはずなのだけど、一つだけ決定的な違いがあるんだよね。
そう、僕です。
陽気な獣人団は僕と接触したことでほわ~んとなったけど、同時に戦闘力も上がっている。
おまけに群れを率いるボスが勤勉なので、無料でお肉を食べ放題でき、自由を謳歌する暮らしが肌に合わなかったらしい、真面目って損ですね。
あと、ドラゴニュートの攻撃力が高過ぎて魔物が木っ端微塵になってしまい、苦情が殺到しているという悩みもあるとか。
そこでドラゴニュートを見捨てないのがボスのいいところだよね。
「その点、刀国なら労働を巡る熾烈な争いがあるからな! 相手は主に孤児院の連中だけど!」
『魔物も強いの』
「竜種との交易でマシューの所、また人手が足りなくなりつつあるって」
マシュー君の領地が潤うのはいいことだけれど、領民が増えれば増えるほど仕事も増えているような。
「レモン国のアランだっけ? あの王子が執務を手伝ってるから書類仕事はスムーズらしいけど、肉体労働はそうはいかないしな! ギルドと教会、宿を作ってほしいという要望もあるし、ギルドと商会は大忙しだってアカーシャが言ってた」
『働き甲斐のある職場なの』
「最近は魔物との交易も盛んなんだって」
お米を栽培するための領地だったのに、ずいぶんと規模が大きくなったなぁ。
数日後、陽気な獣人団がマシュー君の領地に移住。
アカーシャから案内役を任命された才蔵とドラゴニュートが恋に落ちたと聞いた。
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる