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女神の呪い

第833話

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 女神様の妄想とシヴァさんの少年愛に包まれ、神々の断罪に巻き込まれることもなく、異国の学校は今日も平和です。

 朝起きたら護衛さんが熱いタオルで顔を拭いてくれ、メェちゃんが着替えさせてくれた。
 本日のポンチョは羊スタイルです、白くてほわほわしているから暑い国で着てると見てるだけで暑い気がするんだけど譲ってもらえなかった。
 着てる僕自身は温度調節魔法のおかげで特に暑くはないけどねー。

 食堂に行ったらシヴァさんが手配した業者が食材を配達済みなうえ、コックさんが連係プレイでキビキビと働いていた。

「私の一族です」

 刀国でスローライフを満喫していた吸血鬼を引っ張ってきたようだ。
 シャムスが呆れるほどダラダラ種族なのに、さすがに種族を率いる長の一族の前では真面目に働くんだなぁと思いました。

 昨日も座った食堂の奥の席に座ると給仕の子が水を机に置いてくれた。

「まだ働いてるの? もう自分のことに専念していいんだよ?」
「ここでの就職狙ってるんです! 使えるアピールですよ!」

 ウィンク付きで答えてくれた。
 庶民逞しい。いっそ刀国に移住してお城で働けばいいと思う。

 厨房の吸血鬼達とも仲良くやっているらしく、楽しそうに会話を交わしながら働いている。

「吸血鬼って夜属性だと思ってた」
「夜の方が活動しやすいのは本当ですが、刀国に連れてきた吸血鬼は基本的に昼間も活動できますよ」
「そうなんだ」

 学生を襲って食事にしたりは……しないか、シヴァさんがいるもんね。

「世界各国に派遣して、世界中の可哀想な少年を集めさせるのもいいかもしれませんね」

 何を思いついたのか不穏なことを呟いています。

「きっとこの世界なら不遇に嘆いている子がまだまだいるはず」
「否定できない」

 女神様の妄想一つで人間の人生なんて簡単に左右されちゃうからね!
 厄介だけど仕方ないと諦めてほしい。誰も、主である騎士様すら止められないみたいだし、下手に止めると今回みたいなカオスな現場が出来上がりです。

「そう言えば聖女は食堂に入れないみたいだけど、食事ってどうしてるんだろ?」

 ある日突然召喚され、色々なテンプレを乗り越えて学校に入れられ、末路が餓死ってありふれた小説でもみかけたことはないかなぁ?

「ああ…………」

 もしや忘れていたのだろうか。

「まぁ女なんて一人ぐらい消えても誰も困りませんよね、何せここは男も妊娠できる世界ですから」

 ヘラ母さんに連絡とって保護してもらうのと、テンプレ通り修道院に入れるのと、戦争に粛清に巻き込まれて国家と心中、どれがマシなのだろうか。
 あっ、でもこの世界に罪を犯した女性が入る修道院ってあるのかな?

 刀国が特殊すぎて他国の事情が想像出来ません。

 シヴァさんに聞いたらうっとりとした表情を浮かべたのですが、なんだろうこの要らないこと言った感。

「俗世を離れたい子を収容する施設……イィ」

 脳内でどんな想像が繰り広げられているか知りたくないな。

「イツキおはよー!」
「黒ちゃん!」

 おはよう!
 シヴァさんと二人は辛かったよ!!

「きょーのご飯はなんだろなー」
「楽しみですね、旦那様」
「うぇへへへ」

 こっちに来てくれると思ったらそのまま入り口からカウンターへ行ってしまった。
 早く、注文終わらせて早くこっちへ来てねーー!
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