841 / 1,127
女神の呪い
第832話
しおりを挟む
たった今、黒ちゃんに食べられた人は別にネリちゃんの婚約者でも何でもないそうです。
さらに言えばこの学園の生徒かどうかも微妙だとか。
女神様の呪いの魔の手がここにも。
アー君がイライラしていたやつだ……本当にどこまでも追ってくるんだなぁ。
ここに来て僕は大変なことに気付いてしまいました。
「召喚もの、おまけ、王道学園要素に婚約破棄まで混入された!!」
召喚ものだけでも勇者と聖女と神子という三つの要素含んでいるっていうのにもう何がなんだか、髪型が縦巻きドリルなばっかりに悪役令嬢役が回ってくるネリちゃんも大変だね。
「げっふ」
「クリーン」
ゲップをしながら机の上に戻ってきた黒ちゃんにお嫁さんがすかさずクリーンをかけたけど、通路側は相変わらずモザイクがかかったまま。
もう慣れてしまったのかネリちゃんも顔色一つ変えない、優雅にパフェを食べながら話を続けている。
お食事中の方々ごめんなさい、早く慣れてください。
「イツキいたー」
「会長もいるー」
「授業真面目に受けたらお腹空いた~、一日頑張ったご褒美欲しいなぁ……って、なんでかいちょーの護衛がイツキを守ってるの?」
「僕ら警戒されてる」
双子と黒ラブ会計、無口な書記が現れた。
副会長はいないようだ。あれか、聖女にうっかり捕まった口か。
通路のモザイクはスーちゃんが片付けしてくれたらしく綺麗になっている。
さすがシャムスのスライムは仕事が早い。
「王道学園……転校生ポジションですか、イツキ様」
「そうみたい」
さすが腐女神の愛し子、何も説明していないのにテンプレを一瞬で見抜いた。
「なんの話ー?」
「まぜてよー」
「移動すると厄介ごとに絡まれるのが定番。シヴァ様」
「なんでしょうか」
「このアホ達を率いて別の席に移動していただいてもよろしいでしょうか、会長も連れて行って問題ありませんわ」
「いいでしょう」
スッと立ち上がったシヴァさん、王道生徒会をあっという間に言いくるめて全員率いて移動していった。
すごいなー。
あっ、席に着いた瞬間に神子がシヴァさんの足元にスライディングした。どんな調教したんだあの人。
「女神ヴィシュタルから聞いてはいましたが、本当に未成年男子なら何でもよいのですね、あの方は」
「うん。性格に問題があっても矯正しちゃいえばいいしね」
テンプレな偽物神子が一瞬でドアマットに志願するとか本当になにしたんだろう?
「それにしても国が戦争中なのに、この学校は平和だね。テンプレの嵐が吹き荒れてるけど」
「女神ヴィシュタルの御心が学校を包み学生を守っているのでしょう、なんて愛情深い」
やっぱり腐女神の呪いの一環だった。
呪いもたまにはいい仕事するね。
ネリちゃんは純粋に感動しているけれど、女神様の御心の中身って学生同士のエロへの情熱だと思うの。
ある意味愛情深くはあるけどね!
「次の新刊は学校を舞台に王道学園でドロドロにします」
凛とした表情でそんなことを宣言された。
……そう言えばネリちゃんってそっちの本も執筆してたっけ。
女神様の心を正確に理解して、その上で愛情深いって言ってたの!?
えぇぇぇぇ。
さらに言えばこの学園の生徒かどうかも微妙だとか。
女神様の呪いの魔の手がここにも。
アー君がイライラしていたやつだ……本当にどこまでも追ってくるんだなぁ。
ここに来て僕は大変なことに気付いてしまいました。
「召喚もの、おまけ、王道学園要素に婚約破棄まで混入された!!」
召喚ものだけでも勇者と聖女と神子という三つの要素含んでいるっていうのにもう何がなんだか、髪型が縦巻きドリルなばっかりに悪役令嬢役が回ってくるネリちゃんも大変だね。
「げっふ」
「クリーン」
ゲップをしながら机の上に戻ってきた黒ちゃんにお嫁さんがすかさずクリーンをかけたけど、通路側は相変わらずモザイクがかかったまま。
もう慣れてしまったのかネリちゃんも顔色一つ変えない、優雅にパフェを食べながら話を続けている。
お食事中の方々ごめんなさい、早く慣れてください。
「イツキいたー」
「会長もいるー」
「授業真面目に受けたらお腹空いた~、一日頑張ったご褒美欲しいなぁ……って、なんでかいちょーの護衛がイツキを守ってるの?」
「僕ら警戒されてる」
双子と黒ラブ会計、無口な書記が現れた。
副会長はいないようだ。あれか、聖女にうっかり捕まった口か。
通路のモザイクはスーちゃんが片付けしてくれたらしく綺麗になっている。
さすがシャムスのスライムは仕事が早い。
「王道学園……転校生ポジションですか、イツキ様」
「そうみたい」
さすが腐女神の愛し子、何も説明していないのにテンプレを一瞬で見抜いた。
「なんの話ー?」
「まぜてよー」
「移動すると厄介ごとに絡まれるのが定番。シヴァ様」
「なんでしょうか」
「このアホ達を率いて別の席に移動していただいてもよろしいでしょうか、会長も連れて行って問題ありませんわ」
「いいでしょう」
スッと立ち上がったシヴァさん、王道生徒会をあっという間に言いくるめて全員率いて移動していった。
すごいなー。
あっ、席に着いた瞬間に神子がシヴァさんの足元にスライディングした。どんな調教したんだあの人。
「女神ヴィシュタルから聞いてはいましたが、本当に未成年男子なら何でもよいのですね、あの方は」
「うん。性格に問題があっても矯正しちゃいえばいいしね」
テンプレな偽物神子が一瞬でドアマットに志願するとか本当になにしたんだろう?
「それにしても国が戦争中なのに、この学校は平和だね。テンプレの嵐が吹き荒れてるけど」
「女神ヴィシュタルの御心が学校を包み学生を守っているのでしょう、なんて愛情深い」
やっぱり腐女神の呪いの一環だった。
呪いもたまにはいい仕事するね。
ネリちゃんは純粋に感動しているけれど、女神様の御心の中身って学生同士のエロへの情熱だと思うの。
ある意味愛情深くはあるけどね!
「次の新刊は学校を舞台に王道学園でドロドロにします」
凛とした表情でそんなことを宣言された。
……そう言えばネリちゃんってそっちの本も執筆してたっけ。
女神様の心を正確に理解して、その上で愛情深いって言ってたの!?
えぇぇぇぇ。
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで
キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────……
気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。
獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。
故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。
しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる