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女神の呪い
第821話
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メンバー変更のサービスは受け付けていなかったようです。
「学校を案内しますよ」
「笑顔が胡散臭い」
朝一のストライキから丸一日を経て、こっそり抜け出そうとしたら部屋を出た所でインテリ眼鏡が気配を消して待っていた。
王道で笑顔が胡散臭いっていえば副会長だったかな?
女神様があれこれ語るから情報がちょっと混ざってるんだよねぇ。
なんだっけ、この手のタイプは嘘の笑顔を指摘され、本当の自分を見抜いてもらったとか何とかで転校生に心を傾ける………………ちょっと待った、今、僕はこのインテリ眼鏡に何て言った?
あーあーあー
驚いた顔でこちらを見て、うっとりした目に変わったーーー!!
王道転校生ポジション、僕がやるの!?
帰っていい?
スーちゃん、転移とか持ってない?
その後、案内の一環で生徒会室に連れていかれメンバーを紹介された。
無口な書記はセントバーナード、チャラい会計は黒ラブ、双子は柴犬の子犬、副会長はボルゾイ、俺様会長はゴールデンレトリバーかなぁ。
どんなわんこも好きだけど、ゴールデンとノーリードで散歩してみたい。
会長さん、ちょっと一緒にお散歩しませんか?
砂漠の国の学校なのにファンタジーの世界観を優先し、人種が行方不明な所に設定の雑さを感じます。
でも身分階級はあるみたいだね、女神様が語っていた「身分が下の者から上の者に声をかけてはいけない」うんぬんかんぬん設定が採用されてるっぽい。
刀国も建前上、身分とか階級はあるんだけど、城下だと適用されない。
城下で身分うんぬん言ったら、屋台の売り子が神薙さんや騎士様、魔王様に声かけられないからね~。
「私の顔に何かついていますか?」
僕の顔をのぞきこみ、ふわりと笑う副会長。
ボルゾイといえば我が家のおバカな三匹ワンコの前世だな、なんだろう、副会長が一気に可愛く見えてきた気がする。
いいよねボルゾイ、あの高貴な佇まいとツンデレを兼ね備えた感じ。
そうか副会長はボルゾイだったのか、ツンデレは尊いよね。
ふと気付いたら副会長が顔を真っ赤にさせていた。
無意識に頭を撫でていたようだ。
ごめんなさい、つい癖で。
羊のもふっとさもいいけれど、ワンコの毛並みとはまた違うからそろそろ恋しくてですね。
「いいなーいいなー」
「ねーねー僕らも撫でてー」
両側から双子が抱き着いてきたので、ご要望に応えてわしゃわしゃと頭を撫でまわす。
刀羅と鬼羅は大人しく刀国で公務をこなしているだろうか、脱走して砂漠の国破滅計画に加わってないといいけれど……、学生は勉強するものですよ。
「チャイムが鳴った気がする」
「へーきへーき、俺ら生徒会は――」
「学校は勉強をする場所です、授業に出てください」
何か言おうとした黒ラブのセリフをぶった切り、手を叩いて退室と移動を促す。
「えーやだやだー」
「一緒にいたい」
駄々をこねる双子の頬にチュチュっとキスをして、ふわふわになった所で背を押して送り出した。
我が家の双子はここに甘いものを付けないといけないけれど、あの二人は素直で大変よろしい。
さて最後の一人、魔王のような覇気を発する会長が座ったままこちらを見ている。
会長、授業はいいのですか?
「学校を案内しますよ」
「笑顔が胡散臭い」
朝一のストライキから丸一日を経て、こっそり抜け出そうとしたら部屋を出た所でインテリ眼鏡が気配を消して待っていた。
王道で笑顔が胡散臭いっていえば副会長だったかな?
女神様があれこれ語るから情報がちょっと混ざってるんだよねぇ。
なんだっけ、この手のタイプは嘘の笑顔を指摘され、本当の自分を見抜いてもらったとか何とかで転校生に心を傾ける………………ちょっと待った、今、僕はこのインテリ眼鏡に何て言った?
あーあーあー
驚いた顔でこちらを見て、うっとりした目に変わったーーー!!
王道転校生ポジション、僕がやるの!?
帰っていい?
スーちゃん、転移とか持ってない?
その後、案内の一環で生徒会室に連れていかれメンバーを紹介された。
無口な書記はセントバーナード、チャラい会計は黒ラブ、双子は柴犬の子犬、副会長はボルゾイ、俺様会長はゴールデンレトリバーかなぁ。
どんなわんこも好きだけど、ゴールデンとノーリードで散歩してみたい。
会長さん、ちょっと一緒にお散歩しませんか?
砂漠の国の学校なのにファンタジーの世界観を優先し、人種が行方不明な所に設定の雑さを感じます。
でも身分階級はあるみたいだね、女神様が語っていた「身分が下の者から上の者に声をかけてはいけない」うんぬんかんぬん設定が採用されてるっぽい。
刀国も建前上、身分とか階級はあるんだけど、城下だと適用されない。
城下で身分うんぬん言ったら、屋台の売り子が神薙さんや騎士様、魔王様に声かけられないからね~。
「私の顔に何かついていますか?」
僕の顔をのぞきこみ、ふわりと笑う副会長。
ボルゾイといえば我が家のおバカな三匹ワンコの前世だな、なんだろう、副会長が一気に可愛く見えてきた気がする。
いいよねボルゾイ、あの高貴な佇まいとツンデレを兼ね備えた感じ。
そうか副会長はボルゾイだったのか、ツンデレは尊いよね。
ふと気付いたら副会長が顔を真っ赤にさせていた。
無意識に頭を撫でていたようだ。
ごめんなさい、つい癖で。
羊のもふっとさもいいけれど、ワンコの毛並みとはまた違うからそろそろ恋しくてですね。
「いいなーいいなー」
「ねーねー僕らも撫でてー」
両側から双子が抱き着いてきたので、ご要望に応えてわしゃわしゃと頭を撫でまわす。
刀羅と鬼羅は大人しく刀国で公務をこなしているだろうか、脱走して砂漠の国破滅計画に加わってないといいけれど……、学生は勉強するものですよ。
「チャイムが鳴った気がする」
「へーきへーき、俺ら生徒会は――」
「学校は勉強をする場所です、授業に出てください」
何か言おうとした黒ラブのセリフをぶった切り、手を叩いて退室と移動を促す。
「えーやだやだー」
「一緒にいたい」
駄々をこねる双子の頬にチュチュっとキスをして、ふわふわになった所で背を押して送り出した。
我が家の双子はここに甘いものを付けないといけないけれど、あの二人は素直で大変よろしい。
さて最後の一人、魔王のような覇気を発する会長が座ったままこちらを見ている。
会長、授業はいいのですか?
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