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女神の呪い

第813話

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 残念神が私物を開放し、離宮の一室を煌びやかに飾り立てた。

 部屋の一番奥には豪華な王座がどーんと置かれ、そこにはシャムスを抱えた僕が座っています。
 正直、内装が派手で落ち着かない。

 神薙さんのお屋敷で一番みんなが集まるのは座敷。
 もふもふズが子供達が好き勝手に移動したり、思い付きで宴会始まったりするので、基本的に部屋にあるのは畳と机、座布団ぐらい。

 箪笥とか掛け軸とか最初はあった気がするけれど、同居が始まった時には撤去されてたな、うちの子が登ったり破くと思ったんだろうなぁ。
 実際、自室にあるクローゼットに登って刀雲に下してもらってるイネスの姿をたまに見る。

 最近は縁側に日向ぼっこスペースとしてクッションが山積みになっていたり、美しかった純和風庭園には聖なるさつま芋の木、池にはトラちゃん一家など賑やかになったよねぇ。
 あー何だか帰りたくなって来た。
 出来合い物じゃなくドリちゃんご飯食べたい。

「シャムス様、お食事の用意が出来ました」
「湯浴みもいつでも出来ます!」
「フルーツはお食べになりますか?」

 獣族としての本能だろうか、獣人がやたらにシャムスの世話を焼こうとしてくる。
 自宅ではどうだっけ?
 アー君と自由に行動して留守が多くなったよねぇ、ママ寂しい。

「お食事は後にするの、ありぇのお話先に聞くの」
「ひっ、お許しを」

 自分に出来る最高のごますりをしたつもりなのだろう、けれど残念、シャムスは幼児でもアー君を筆頭とする兄弟によって最高峰の物に触れる機会が多く、審美観は僕よりずっと鋭い。
 タイガの作品の良さも分かるとか凄いよね。

 僕はカッコイイとかすっげーとしか感想言えなくて何だか申し訳ない。

 ところで。
 僕の謎能力も効果ないぐらい残念神が怯えて話にならないのですが。

「ぼしゅ」
「はっ!」
「べっしちゅでお話聞いてきて」
「承知致しました」

 僕と同じことをシャムスも思ったようで尋問役にボスを指名した。
 尋問が拷問になる前に洗いざらい喋ってください、シャムスはこう見えて意外に過激な所があるので、そちらに目覚めさせない為にも早めにお願いします。

「喋らなかったらどうしゅる?」
「一晩中正座と、最低でも数年の禁欲とかかな」

 腐女神様なら宴会出禁と地上の見守りという名の覗き全般禁止になります、アー君と女神様が僕の知らないところでバトルしている気配がする。
 バトルというより熾烈な交渉?
 アー君が優位なのは変わらないけどね。

 あと……残念神よりドラゴニュートが数年の禁欲に衝撃を受けている気がする。
 慌てて後を追いかけていったので、事情聴取はスムーズに進むでしょう。多分。
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