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女神の呪い
第804話
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獣人一同の総意で軟禁レベルが上がりました。
一時は庭をふらふらするのも禁止されてたけど、運動不足はお腹の子に悪いと言ったら羊が寄り添うことを条件に散歩の許可が出された。
なんだろう、家じゃないのに家にいるような過保護さです。
「おかしいとは思ってたはずなんだ」
「そうですね、奴隷を縛る魔法を通してイツキを始末しろ的なこと命じられたはず」
「でも本人に対面したら襲うとかどうでも良くなった!」
「今までの人生で抱えてた悩みとかどうでも良くなったよなー」
「負の感情が反転して、イツキを守らなきゃって思った!」
どうやら謎能力に合わせ、シャムスのパパである始まりの獣・獅皇さんの加護も効いているようです。
野生の魔物だろうが孤高の獣だろうが世捨て獣人だろうが、もふもふである限り獅皇さんの影響からは逃れられないんだろうなぁ、ありがたやー。
図書館の本を片っ端からアイテムボックスに入れようとして怒られ、椅子に座って大人しくしてろと説教されて今はアイテムボックスを開放した状態で待機中です。
怒られたのは本をもらおうとした事ではなく、妊娠中に無茶な事をしようとしたその行動だった。
オカン怖いね。
「出会ってすぐ、普通に護衛してたよな俺ら」
「それを疑問にも思わなかったよなー」
「殺してやるーってそれしか思ってなかったはずなのに、不思議にも思わなかったのが不思議ー」
「理性を総動員して観察すれば、仲間の外見が変わり果てている!!」
「前は毛並みもボロボロのみすぼらしい感じで、目だけ殺気立ってたのに、今は毛並みが輝いて、どこかあほ面ですもんねーあははー」
千年級の神獣の虎をぬいぐるみ外見にする謎能力ですから、心が荒んでいるだけの奴隷の心を癒すのは楽勝です。
あっ、これ絵本だ。シャムス喜ぶだろうなぁ、ドリアンに修繕してもらおう。
「この離宮を結界で閉じて出入り出来なくすれば、食料も調達出来なくて待つのは餓死、かぁ」
「おっかないーー!!」
「それが今は毎日美味しい飯!」
「水もいつでも飲めるし、なんか力湧く!」
きゃっきゃする獣人可愛い。
幾らでもお食べ、神様で稼いだポイントで今なら食べ放題だよ。
「それにしても魔王かぁ」
「いきなりどうした」
「最初に召喚された時に、金ぴかな人達が召喚理由を説明していたんだけど、その時に魔王を討伐するために呼んだって言ってたんだよね」
「ああ、つい先日も魔王に襲撃されて王宮の一部が破壊された」
「王様が誘拐されて将軍が追いかけたけど、ドラゴンに襲撃されて還らぬ人になったって言ってたよね」
「俺らも欠損してなきゃ戦線に送られたと思うとゾッとするー」
「確かイツキの前にも召喚儀式して聖女か何か呼んだんだよな?」
「それが偽物と発覚した時は、本物は姿を消してたんだよなぁ」
「みんな詳しいね?」
あと何かどこかで聞いたことのある話の気がします。
「俺ら奴隷だったろ、何を聞いても告げ口とか出来ないから、ぺらぺら喋るのよ」
「なるほどー」
異世界あるあるだね。
「じゃあ今は王様いないの?」
「王位継承権を巡って血みどろの争い起こってるよ~」
「一番民に人気の高かった王子は確か留学中だっけ」
「そうそう、暗殺が上手くいかなくてその度に八つ当たりされた!」
うーん。
話を聞けば聞くほど、知り合いの話だよね。
「俺が聞いた話じゃその王子は嫁連れて帰国はしてるらしーぞ」
「えー!!」
「どうもその嫁が魔王なんじゃないかって噂」
すみません、それ僕の身内っていうか僕の子供。
あと魔王じゃなくて魔王の前世の親っていうか、女神の上司の親友っていうか、魔王より厄介でおっかない存在です。
一時は庭をふらふらするのも禁止されてたけど、運動不足はお腹の子に悪いと言ったら羊が寄り添うことを条件に散歩の許可が出された。
なんだろう、家じゃないのに家にいるような過保護さです。
「おかしいとは思ってたはずなんだ」
「そうですね、奴隷を縛る魔法を通してイツキを始末しろ的なこと命じられたはず」
「でも本人に対面したら襲うとかどうでも良くなった!」
「今までの人生で抱えてた悩みとかどうでも良くなったよなー」
「負の感情が反転して、イツキを守らなきゃって思った!」
どうやら謎能力に合わせ、シャムスのパパである始まりの獣・獅皇さんの加護も効いているようです。
野生の魔物だろうが孤高の獣だろうが世捨て獣人だろうが、もふもふである限り獅皇さんの影響からは逃れられないんだろうなぁ、ありがたやー。
図書館の本を片っ端からアイテムボックスに入れようとして怒られ、椅子に座って大人しくしてろと説教されて今はアイテムボックスを開放した状態で待機中です。
怒られたのは本をもらおうとした事ではなく、妊娠中に無茶な事をしようとしたその行動だった。
オカン怖いね。
「出会ってすぐ、普通に護衛してたよな俺ら」
「それを疑問にも思わなかったよなー」
「殺してやるーってそれしか思ってなかったはずなのに、不思議にも思わなかったのが不思議ー」
「理性を総動員して観察すれば、仲間の外見が変わり果てている!!」
「前は毛並みもボロボロのみすぼらしい感じで、目だけ殺気立ってたのに、今は毛並みが輝いて、どこかあほ面ですもんねーあははー」
千年級の神獣の虎をぬいぐるみ外見にする謎能力ですから、心が荒んでいるだけの奴隷の心を癒すのは楽勝です。
あっ、これ絵本だ。シャムス喜ぶだろうなぁ、ドリアンに修繕してもらおう。
「この離宮を結界で閉じて出入り出来なくすれば、食料も調達出来なくて待つのは餓死、かぁ」
「おっかないーー!!」
「それが今は毎日美味しい飯!」
「水もいつでも飲めるし、なんか力湧く!」
きゃっきゃする獣人可愛い。
幾らでもお食べ、神様で稼いだポイントで今なら食べ放題だよ。
「それにしても魔王かぁ」
「いきなりどうした」
「最初に召喚された時に、金ぴかな人達が召喚理由を説明していたんだけど、その時に魔王を討伐するために呼んだって言ってたんだよね」
「ああ、つい先日も魔王に襲撃されて王宮の一部が破壊された」
「王様が誘拐されて将軍が追いかけたけど、ドラゴンに襲撃されて還らぬ人になったって言ってたよね」
「俺らも欠損してなきゃ戦線に送られたと思うとゾッとするー」
「確かイツキの前にも召喚儀式して聖女か何か呼んだんだよな?」
「それが偽物と発覚した時は、本物は姿を消してたんだよなぁ」
「みんな詳しいね?」
あと何かどこかで聞いたことのある話の気がします。
「俺ら奴隷だったろ、何を聞いても告げ口とか出来ないから、ぺらぺら喋るのよ」
「なるほどー」
異世界あるあるだね。
「じゃあ今は王様いないの?」
「王位継承権を巡って血みどろの争い起こってるよ~」
「一番民に人気の高かった王子は確か留学中だっけ」
「そうそう、暗殺が上手くいかなくてその度に八つ当たりされた!」
うーん。
話を聞けば聞くほど、知り合いの話だよね。
「俺が聞いた話じゃその王子は嫁連れて帰国はしてるらしーぞ」
「えー!!」
「どうもその嫁が魔王なんじゃないかって噂」
すみません、それ僕の身内っていうか僕の子供。
あと魔王じゃなくて魔王の前世の親っていうか、女神の上司の親友っていうか、魔王より厄介でおっかない存在です。
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