神様のポイント稼ぎに利用された２

湯水のごとくお金を使おう

第739話

　湖、温水だった。
　なんかほのかに温かい。

　これ、いいわぁ、いつまでも入ってられる。

「とーうーん！」
「溺れるなよ」
「大丈夫、ここ足つくから！」

　水の中から手を振ったらハンモックを楽しむ刀雲が笑いながら手を振り返してくれた。
　刀雲ってハンモック好きだよね、去年かな、ギレンの所に泊まった時もハンモックにラブコール送っていた気がする。

　この湖、快適すぎる。
　騎士様が作ったばかりの空間だから、エロい要素がないんだよ！
　触手とかアメーバとか、水着が波に流されるハプニングとか一切発生しない、騎士様の結界内だから女神様も出羽亀出来ない。

　スライムはいるけど騎士様が持ち込んだシャムスのスライムだったので安心、もちろんシャムスに許可を貰ってここに移住させたみたい。
　コテージとコテージ周辺の管理を一手に担ってるらしく、一人寂しくハンモックに揺られていたのを刀雲が発見しました。

　お願いすれば上に乗れって寝れるタイプの浮き輪にもなってくれるし、寝たまま流されてもスライムが泳いでコテージに戻ってくれるのがありがたい。
　本当にシャムスのスライムって万能だよなぁ。帰ってきたらたくさんチュッチュしてあげよう。

　今は僕の浮き輪代わり。
　スライムに顔を突っ込むと、水の中の光景を楽しめるのが嬉しい。

　あっ、黄色と黒の縞模様の見たことある気がする魚がいる。
　なんだっけ、確かあれ、海の魚でダシっぽい名称だったような気がす…………リュウグウノツカイと目が合った。
　君確か深海魚じゃなかったですっけ？
　ここ浅瀬、僕でも足がつくぐらい浅いけど大丈夫？

　なんかトラちゃんの身内っぽい、ヒレを使って挨拶された。

　地球だけでなく我が家からも人員を引き抜いたんですね騎士様、ラセンにプレゼントしようとして途中から割と本気で楽しんだんだろうなぁ。

　ウミガメまでいる。
　カツオにマイワシ、サザエ、カンパチ、タコ、マツバガニ……待って、なんか魚が次々現れては挨拶して通り過ぎて行くんだけど！
　もしかして僕が見学されてる側！？

　あとサザエが何で泳いでるの！？
　めっちゃ泳いでた、どこが目だか分からないけど見られてるのは分かった。

「一回上がる。スーくんコテージまでお願い」

　精神の安定を図るため、撤退します。
　おお、自動遊泳がとても便利。

　プール横の階段に着くと若干よろよろしながら階段を上る。

「このまま寝たい、でもその前に乾かさなきゃ」

　いや待てよ、部屋の中に入らないならキチッと乾かさなくてもいいんじゃない？
　網だ、網ハンモックを試そう。