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湯水のごとくお金を使おう

第728話

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 さてさて食後のお楽しみ、本日のデザートはこちら。
 シュワシュワぷるるん、フルーツポンチ!

 ギレン今年もサイダーの奉納ありがとう!
 大丈夫、ちゃんとアカーシャに使っていいと許可は貰っている。

「シュワーってする」
「このサクランボ、形がハート!」
『アー君大当たりね』
「このガラス、作り手は――タイガにいちゃっ」

 涼玉大正解。
 我が家で使っている芸術品に近い食器などは大体タイガの試作品です、完成品はラセンに貢いでいるらしい。

「シャムス様、あーん」
『あーん』

 ネヴォラがシャムスにあーんをしている、か、可愛いっ!!

「お疲れのパパを労わってやろう」
「ん?」
「ほれあーん」
「アー君っ!!」

 膝から降りて騎士様の横に行ったアー君が騎士様に「あーん」をしている。
 けどアー君は幼児で、タッチがまだしっかり出来ないという弱点がありまして……。

「あっ」

 バランスを崩すと同時に、小さなスプーンに乗っていたフルーツがボトッと騎士様の膝に落ちた。

「非常に遺憾です」
「アーくーーーん」

 食べかけフルーツポンチをアイテムボックスにしまうと、ダッシュで逃走して僕の所に帰ってきた。

「アー君、ああいう時はごめんなさいでしょう?」
「パパごめんね?」

 両手を合わせ、小首を傾げながらの謝罪。
 困ったような顔をしていた騎士様が一転、デレデレと相好を崩しました。チョロイ。

 ちなみにボトッと落としてしまったフルーツはスラちゃんが回収、続いてドリアンがクリーンを掛けてシミ一つ残しませんでした。
 素晴らしい連携だったよ。

「ワンコ兄弟もあーん」
「わふー」

 どうやら今日のネヴォラは「あーん」をしたい気分らしい。

「そういえばネヴォラ」
「?」
「中級ダンジョンでエルフが暮らし始めたが、会いに行ってどうだった?」

 アー君の問いにネヴォラは少しだけ考えながら口を開いた。

「エロかった」

 エロ?
 いや、でも、迫害とかそういう嫌な目に合わなかったからいいのかな?

「減ったなら増やして見せよう我が種族って言いながら、通過しようとした冒険者襲ってた」
「よし、あいつらは自然界に返そう」

 でもアー君、エルフを拾った時点でこうなるのは分かっていたはずでしょう?
 だって女神様の夢と妄想が詰まった種族だよ?

「ネヴォラはエルフの群れに戻らなくていいのか?」
「やだ、あのエロフはわたしを甘やかしてくれないもの、じいちゃん達と一緒がいい」

 初級ダンジョンのゴブリンは皆してネヴォラを甘やかしてるからね、それと同レベルの扱いをエルフがしてくれるかって言ったら無理だろう。
 だってエロフだし。
 スケベなことをするのが使命の種族だしね。
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