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湯水のごとくお金を使おう

第716話

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 毛玉くん、釣竿を渡したら素直に庭で釣りを始めた。
 ピクリとも動かないから、もふもふズの中でも小型の小鳥タイプが頭の上などに止まって休憩している。
 その小鳥の中にセンちゃん混ざってるのはお約束。

 夕食までに一匹ぐらい釣れるだろうか?
 いざとなったら戦艦あるけどねー。

 トレントの種を植え終えた子供達が戻ってきたのでお待ちかねのお昼です。
 毛玉くんは呼ばなくても食卓に待機しておりました。いつの間に。

 魚は釣れなかったらしく、ドリアンを見たら首を横に振られた。
 あの池で一匹も釣れないって逆に凄い気がする。

「ちらしー!」
「きれーね」
「くくく、イネスに自慢してやる」

 涼玉が何か言いながらによによしている。
 マールスは困ったような表情をしながら、涼玉のためにお茶を入れている。給仕する姿が日々板についてきたよね。

「ゴブリン師匠の所に行って来たら、エルフが集落作ってのんびり暮らしてた」
『暇そうだったの』
「明日から本気出すって言ってた」
「先日行った時も同じことを言っていましたな」

 奴隷から解放されたエルフ、現在はゴブリン師匠が守る階層で暮らしてるんだっけ。
 心身ともに健康すぎてダラダラしているっぽい、女神様にエロを特徴とされている種族だし、そのうちゴブリン師匠がエルフでハーレム作っても僕は驚かない。

 そして僕は見てしまった。
 毛玉くんがスプーンを持つため、毛皮から手を出す瞬間を。
 蹄っぽかったけど、持ち辛かったのか人間の手に変化させてスプーン使ってました。

 三つ目で蹄を持つ魔物ってなんだろう?
 アー君は正体もう分かってるのかなぁ?

 ちらし寿司を食べ終わり、午後は何をしようかとデザートのパンケーキを食べながらお悩み中の子供達、毛玉くんは相槌を適当に打ちながらパンケーキはすでに五枚目。
 生クリームが気に入ったらしく、毎回生クリームを大盛で追加している。

「えっ、今度はアイスとバナナも食べるの」
「……」

 うむ。と言わんばかりに頷かれた。
 よく食べるなぁ。

 その横では食べ終わったシャムスとアー君がドリアンに口元を拭ってもらい、涼玉の口はマールスが宝石を扱うように丁寧に拭いていた。
 涼玉ドラゴンだし、もっとこう、ゴシゴシって感じでいいのにね?

『のんびりすりゅ』
「のんびりとなると、やっぱ釣りかな」
「そんで夜は活け造り」

 涼玉のリクエストがレベル高い。
 えぇ、あれ食べたいの?
 活け造りに合うものってなんだろう、お寿司?

 お昼が終わったらドリちゃんと打ち合わせしなきゃ。

 そう思ったのに。

「アルジュナ様!!」

 涙目の衛兵さんがアー君の名前を呼びながら庭に駆け込んできました。

 アー君、ご指名です。
 夕食までに解決をお願いします。
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