702 / 1,127
湯水のごとくお金を使おう
第694話
しおりを挟む
死闘をくぐり抜けて何とか夕食が時間までに完成した。
シャムスのスーパースラちゃん本当に凄い、乱用するとカイちゃんが切なそうにする以外は何の問題もないよ!
「パパー」
「おおイネス、熱烈だな」
帰宅した刀雲にイネスがいの一番に駆け寄ってその胸に飛び込んだ。
「あのね、あのね、これプレゼント!」
アイテムボックスに尻尾を突っ込み、取り出したのは子豹のイネスが抱えられる程度の小さな小瓶。
絵面は可愛いけれど、瓶の中身はイカの塩辛です。
置き時間? そんなものドリちゃんが時間操作とかそういうの使ってどうにでもしてくれます。
「開けてもいいか?」
「はい!」
「おっイカの塩辛じゃないか、イネスありがとうな」
「えへへー」
ちなみにラーシャは庭の蒸し器の前でこの光景見ながらぐぬぬってしてました。
最初は無理矢理でも愛が芽生えるのが腐女神クオリティ、忘れがちだけどイネスとラーシャの間には子供もいるんだよね、今はラーシャが「二人の時間を持ちたい」と回避しているらしい。
「イツキ、もう食べていい?」
今夜は樽で飲む気のようで、樽を片手で持ちながら神薙さんが庭からそわそわと声を掛けてきた。
刀雲と家族は全員帰宅、もふもふズも続々帰って来てるけど、もう少々お待ちください。
「ちょっと待ってくださいね、刀雲、今夜は何を飲む?」
「刀雲パパ、お勧めは日本酒!」
「お刺身とあうの」
「今日は料亭ふう!」
いつもならここでワンコ親子もわぅわぅと参加するけど、本日は庭に用意した宴会席に神薙さんとともにすでに座っていて、海老料理を前に涎をボタボタ垂らしています。
ちょっとお高い料亭っぽく一人ひとりに懐石料理を作ってみました。
幼児はたくさん食べれるように一口サイズ、神薙さんは量もサイズも他の数倍、5m級の伊勢海老のエビフライは食事が開始されて少し経ってから出す予定、すぐ出すと勢いで食べられて張り切ったイネスの功績が説明出来ないからね。
もちろんお代わりは自由だし、大皿に乗った料理もあるよ。
「じゃあアー君お勧めの日本酒で」
僕らも庭に用意された席に移動、お酒が注がれると刀雲がコップをかかげて「一日お疲れ」と声をあげた所で戦が開始された。
座敷は本日、神薙さん用の料理が待機する場所となっております。
「こらイネス、海老ばっかり食べないの!」
「海老祭り!」
「俺は大人、俺は大人、わさびを食べれる!! ぐあぁぁぁ!!」
「アー君なにやってるの、ほらお水」
「ツーンってする」
ワサビは好き嫌いあるから無理して食べなくてもいいんだけどなぁ、しかも今日のワサビは春日さんが茶屋の敷地内にある川でお試し栽培したやつ、もちろん地球からの輸入品。
「水よりお茶があうかな?」
「そうだね、冷茶にする?」
「うん」
ワサビでダメージを受けたアー君は涙目のまま食事を再開、隣ではマールスが蒸した伊勢海老を涼玉のために割り、シャムスは伊勢海老の味噌汁を堪能していた。
伊勢海老カレーを作ろうかと悩んだけど、カレーって匂いが強いから今回は見送りました。
「さてと」
自分の分の懐石料理を食べ終えた所で神薙さんが一度箸をおくと、ささーっとドリアンが一斉に空になった皿を片付け、一度机の上を空にした。
食べ終わった訳じゃないよ、むしろ懐石料理は前菜、ここからが本番。
ドリアンらがそれぞれ配置につく。
まず巨大エビフライが机に置かれ――る前に皿の上から消えた。
「みぃぃ」
自慢するつもりだったイネスがしょんぼりしてラーシャの懐に潜っちゃった。
次に運ばれたのは伊勢海老が飛び出るパエリア、バレーボールサイズのタコ焼き、サーモンフライ、スルメ。
全て一瞬で消えました。
なんだろう、今日の神薙さんの食べっぷりが凄い。
いつももうちょっと味わっているのに、出された瞬間料理が消えてます。
「なぁイツキ、神薙様のあの食べっぷり……もしかして妊娠してないか?」
刀雲が不吉なこと言った。
金ちゃんと銀ちゃんが生まれたばかりなのに、また邪神が増えたら騎士様さすがに泣きそう。
……あっ、デザート考えてなかった。
シャムスのスーパースラちゃん本当に凄い、乱用するとカイちゃんが切なそうにする以外は何の問題もないよ!
「パパー」
「おおイネス、熱烈だな」
帰宅した刀雲にイネスがいの一番に駆け寄ってその胸に飛び込んだ。
「あのね、あのね、これプレゼント!」
アイテムボックスに尻尾を突っ込み、取り出したのは子豹のイネスが抱えられる程度の小さな小瓶。
絵面は可愛いけれど、瓶の中身はイカの塩辛です。
置き時間? そんなものドリちゃんが時間操作とかそういうの使ってどうにでもしてくれます。
「開けてもいいか?」
「はい!」
「おっイカの塩辛じゃないか、イネスありがとうな」
「えへへー」
ちなみにラーシャは庭の蒸し器の前でこの光景見ながらぐぬぬってしてました。
最初は無理矢理でも愛が芽生えるのが腐女神クオリティ、忘れがちだけどイネスとラーシャの間には子供もいるんだよね、今はラーシャが「二人の時間を持ちたい」と回避しているらしい。
「イツキ、もう食べていい?」
今夜は樽で飲む気のようで、樽を片手で持ちながら神薙さんが庭からそわそわと声を掛けてきた。
刀雲と家族は全員帰宅、もふもふズも続々帰って来てるけど、もう少々お待ちください。
「ちょっと待ってくださいね、刀雲、今夜は何を飲む?」
「刀雲パパ、お勧めは日本酒!」
「お刺身とあうの」
「今日は料亭ふう!」
いつもならここでワンコ親子もわぅわぅと参加するけど、本日は庭に用意した宴会席に神薙さんとともにすでに座っていて、海老料理を前に涎をボタボタ垂らしています。
ちょっとお高い料亭っぽく一人ひとりに懐石料理を作ってみました。
幼児はたくさん食べれるように一口サイズ、神薙さんは量もサイズも他の数倍、5m級の伊勢海老のエビフライは食事が開始されて少し経ってから出す予定、すぐ出すと勢いで食べられて張り切ったイネスの功績が説明出来ないからね。
もちろんお代わりは自由だし、大皿に乗った料理もあるよ。
「じゃあアー君お勧めの日本酒で」
僕らも庭に用意された席に移動、お酒が注がれると刀雲がコップをかかげて「一日お疲れ」と声をあげた所で戦が開始された。
座敷は本日、神薙さん用の料理が待機する場所となっております。
「こらイネス、海老ばっかり食べないの!」
「海老祭り!」
「俺は大人、俺は大人、わさびを食べれる!! ぐあぁぁぁ!!」
「アー君なにやってるの、ほらお水」
「ツーンってする」
ワサビは好き嫌いあるから無理して食べなくてもいいんだけどなぁ、しかも今日のワサビは春日さんが茶屋の敷地内にある川でお試し栽培したやつ、もちろん地球からの輸入品。
「水よりお茶があうかな?」
「そうだね、冷茶にする?」
「うん」
ワサビでダメージを受けたアー君は涙目のまま食事を再開、隣ではマールスが蒸した伊勢海老を涼玉のために割り、シャムスは伊勢海老の味噌汁を堪能していた。
伊勢海老カレーを作ろうかと悩んだけど、カレーって匂いが強いから今回は見送りました。
「さてと」
自分の分の懐石料理を食べ終えた所で神薙さんが一度箸をおくと、ささーっとドリアンが一斉に空になった皿を片付け、一度机の上を空にした。
食べ終わった訳じゃないよ、むしろ懐石料理は前菜、ここからが本番。
ドリアンらがそれぞれ配置につく。
まず巨大エビフライが机に置かれ――る前に皿の上から消えた。
「みぃぃ」
自慢するつもりだったイネスがしょんぼりしてラーシャの懐に潜っちゃった。
次に運ばれたのは伊勢海老が飛び出るパエリア、バレーボールサイズのタコ焼き、サーモンフライ、スルメ。
全て一瞬で消えました。
なんだろう、今日の神薙さんの食べっぷりが凄い。
いつももうちょっと味わっているのに、出された瞬間料理が消えてます。
「なぁイツキ、神薙様のあの食べっぷり……もしかして妊娠してないか?」
刀雲が不吉なこと言った。
金ちゃんと銀ちゃんが生まれたばかりなのに、また邪神が増えたら騎士様さすがに泣きそう。
……あっ、デザート考えてなかった。
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる