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湯水のごとくお金を使おう

第682話

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 皆様は覚えているだろうか騎士様が地球から輸入したコモドドラゴンらを。
 彼らのうち亜人に進化したコモちゃんは「十勇士」と名付けられ、忍者に憧れ精進中のイブに預けられて隠密っぽい役割をしている。

 隠密と言っても、基本好き勝手に生きて過程で手に入れた情報をイブに報告しているだけらしい、刀国は平和だから監視対象は基本的に他国の人間。
 不穏な気配があれば本来は監視、裏取り、捕縛となるんだけど……ここ刀国だから、邪神が大繁殖しちゃってる国だから、不穏な気配を察知すると人喰い邪神が出張しちゃうんだよね。

 物騒な話は置いといて。
 十勇士の佐助や才蔵を最近見かけないと思ったら、アカーシャの所で働いていました。

 佐助はモールの警備員、アカーシャの店を守るために鼻息荒く店内巡回してるらしい。
 陽気な性格で常連客に人気で、商品の場所も把握しているので案内するサービス付き。

 才蔵はモール内にあるカフェの店員、柔らかな物腰と丁寧な言葉遣いでお嬢さんに大人気。
 ただし横暴な客に対しては一転、店の外に引きずり出してモールの中心にある噴水に投げ捨てる危険な一面もあるけど……ギャップ萌えに目覚めた人間が続出しただけだったらしい。

 噴水ですが、デートスポットにもなっているらしくって、運が悪いと白ちゃんや黒ちゃんがお嫁さんとイチャイチャしているんだって。
 つまり、最悪食われます。

 ……カフェって確か二階にあったよね、そこから投げ捨てるの?
 クレーム入れるのも命懸けですね。

 そんなハラハラがあるモールに金ちゃんが銀ちゃんと住みたいと言い出した。
 どうやら昨日の夕食時、白ちゃんに自慢されたようだ。

「十勇士やもふもふズが出入りしてるから警備は問題ないけど、ご飯どうするの?」
「アカーシャにたかる」

 即答された。

「アー君どうしよう」
「金色はともかく、銀色には向かないだろ」
「そう?」
「ぴ」

 銀ちゃんが小さく頷いた。

「俺のとこ来るか?」
「涼玉はマールス兄貴がついているから怖い」
「そんな事はない」

 否定するマールスだけどちょっと眉間に皴寄ってるよ。

『ナーガのところは?』
「ああマシューの領地か、いいかもな。領地広げる案出てるし、守りは多い方がいい」
「食事処がなーいー」

 やーだーやーだーと言いながら金ちゃんが畳の上を転がる。
 そう言えばないね、そもそも農業のための領地だから農地と家しかない。

「ないなら作ればいいんじゃない? アー君、どう?」
「どうせならもっと大規模に行こう」

 何か思いついたようでアー君の目がキラキラと光ってます。

「実は冒険者ギルドから懇願されてたんだよな、中級ダンジョンみたいな休憩地点欲しいって」
「そこは普通、人間が頑張る所じゃない?」
『だめだめなのよ』
「女神のやる気が足りない」

 開拓系漫画には興味がないってことだろうか、困ったお方ですね。

「教会はもうあるっけ?」
『ないかなー?』
「回復ぽいんとー」

 ポーション売るつもりか、生産間に合うのかな?

「武具の手入れに鍛冶屋だろ、あと宿屋にー」

 アー君がとても楽しそうです。

「マシューの所には十勇士やその後輩もいるし、家族単位で住民が増えたから人手は足りるはず」
『たぶん』
「お金が足りなくなったらバイトもできるぜ!」

 実際、魔物に襲われて荷物を失う冒険者は多いようです、ありがち、ありがち。

「今まではマシュー君の領地は素通りだったのかな?」
『侵入者はコモドドラゴンにがぶー』
「騎士様のめいれー受けて守ってるから、侵入者にはよーしゃなしだぜ」
「こわいよな」

 そこの棒読みアー君、目が泳いでいるけどもしかしてコモドドラゴンに何かした?
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