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湯水のごとくお金を使おう
第625話
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暗殺騒動が相次ぎ、使者の前で邪神一家による人間踊り食いが連日行われる中、神薙さんと伴侶の副官さんがそれぞれ一つずつ卵を産んだ。
よく食べるなぁと思っていたらそういう理由だったみたい。
「樹、もうちょっとリアクションしよう」
「いえ、なんか納得してしまって」
夫婦同時に出産とかこの世界でしか出来ないですよね。って言ったら騎士様泣くだろうか。
「しかも二匹で一対という珍しいタイプ!」
「兄弟であり妻であり夫であり唯一無二の番、素晴らしいね――ハハ」
騎士様の麗しいお顔が盛大に引きつっている。
えっ、生まれてないのに何で番と分かるのかって?
シャムスがそんな感じのことを歌っているとアー君が教えてくれました。
「母上の能力全開だな! 出会いも最短記録?」
「どの時点で互いを認識してたかによるかな、アカーシャとタイガはお腹にいる時から伴侶を決めていたよ」
「早っ」
僕もそう思う。
生まれた瞬間に伴侶とドロンした所も同じだね~。
「名前どうするー?」
『対の名前がいーなー』
「シャム兄、俺も温めてみたい」
「みんなで温めるです」
「うぅ、息をするように簡単に神薙の直系が増えるよぉ」
元気出して欲しい。
それにしてもさすが進化する邪神、今や産みっぷりは僕と同レベル!
「どうしよう、スキルだったら封印できたけど、うわぁ」
「卵を温める光景を見て癒されてください」
「光景は癒されるけど、卵が邪神二人分だと思うと素直に癒されない」
今回の卵の大きさはどちらも掌サイズ、二つの卵を中心にうちの子が丸まっている光景は、鍋や箱にすっぽりはまった猫並みに癒されます。
それに気付いたお兄ちゃんが寄ってきて、小さいもふを囲むように横になる。
至福の光景がここに。
「春日さんがいたら永久保存してもらったのにな」
「今頃隠れ家でダラダラスローライフ満喫中だと思う」
一歩外に出ると騒動に巻き込まれるから、当分引きこもる予定らしいです。
それでもバザーの日は掘り出し物目当てに出てくるようだけどね。
「そういえばバザーって開催日決まったんですか?」
「参加者から『もうちょっと待って』って言われて延びてる。獣人雇ってダンジョンに潜り、資金稼ぎしてるみたい」
「獣人を……大変、マシュー君の労働力が!!」
「え?」
「マシュー君の領地、豊穣の影響で大豊作で、収穫が間に合わなくて獣人雇ったり、休学してまで労働しているんです」
「この間、アー君らがダンジョンから労働力追加したのはその対策のはずだけど」
言われてみれば。
「じゃあもう大丈夫かな?」
「マシューの領地広いうえに作物の種類多いからなぁ」
卵に抱き着く形で起き上がったアー君が、あくびをしながら言う。
アー君って結構あちこちの情報把握しているよね、下手すれば女神様より刀国のこと熟知していそうな感じ。
「どうにか領民増やしたい所だよなぁ、他国から連れてくるか!」
『奴隷買取?』
「この場合は解放、また救済だな!」
「奴隷自体許してないはずなんだけどな、なんか無くならないんだよね。なんでだろう?」
最大の原因は女神様だと思うのです。
動機はそうだな「奴隷が主人に溺愛される展開ウマー」とか「最下層からの成り上がり物語とか燃える」とかその辺りじゃないでしょうか。
よく食べるなぁと思っていたらそういう理由だったみたい。
「樹、もうちょっとリアクションしよう」
「いえ、なんか納得してしまって」
夫婦同時に出産とかこの世界でしか出来ないですよね。って言ったら騎士様泣くだろうか。
「しかも二匹で一対という珍しいタイプ!」
「兄弟であり妻であり夫であり唯一無二の番、素晴らしいね――ハハ」
騎士様の麗しいお顔が盛大に引きつっている。
えっ、生まれてないのに何で番と分かるのかって?
シャムスがそんな感じのことを歌っているとアー君が教えてくれました。
「母上の能力全開だな! 出会いも最短記録?」
「どの時点で互いを認識してたかによるかな、アカーシャとタイガはお腹にいる時から伴侶を決めていたよ」
「早っ」
僕もそう思う。
生まれた瞬間に伴侶とドロンした所も同じだね~。
「名前どうするー?」
『対の名前がいーなー』
「シャム兄、俺も温めてみたい」
「みんなで温めるです」
「うぅ、息をするように簡単に神薙の直系が増えるよぉ」
元気出して欲しい。
それにしてもさすが進化する邪神、今や産みっぷりは僕と同レベル!
「どうしよう、スキルだったら封印できたけど、うわぁ」
「卵を温める光景を見て癒されてください」
「光景は癒されるけど、卵が邪神二人分だと思うと素直に癒されない」
今回の卵の大きさはどちらも掌サイズ、二つの卵を中心にうちの子が丸まっている光景は、鍋や箱にすっぽりはまった猫並みに癒されます。
それに気付いたお兄ちゃんが寄ってきて、小さいもふを囲むように横になる。
至福の光景がここに。
「春日さんがいたら永久保存してもらったのにな」
「今頃隠れ家でダラダラスローライフ満喫中だと思う」
一歩外に出ると騒動に巻き込まれるから、当分引きこもる予定らしいです。
それでもバザーの日は掘り出し物目当てに出てくるようだけどね。
「そういえばバザーって開催日決まったんですか?」
「参加者から『もうちょっと待って』って言われて延びてる。獣人雇ってダンジョンに潜り、資金稼ぎしてるみたい」
「獣人を……大変、マシュー君の労働力が!!」
「え?」
「マシュー君の領地、豊穣の影響で大豊作で、収穫が間に合わなくて獣人雇ったり、休学してまで労働しているんです」
「この間、アー君らがダンジョンから労働力追加したのはその対策のはずだけど」
言われてみれば。
「じゃあもう大丈夫かな?」
「マシューの領地広いうえに作物の種類多いからなぁ」
卵に抱き着く形で起き上がったアー君が、あくびをしながら言う。
アー君って結構あちこちの情報把握しているよね、下手すれば女神様より刀国のこと熟知していそうな感じ。
「どうにか領民増やしたい所だよなぁ、他国から連れてくるか!」
『奴隷買取?』
「この場合は解放、また救済だな!」
「奴隷自体許してないはずなんだけどな、なんか無くならないんだよね。なんでだろう?」
最大の原因は女神様だと思うのです。
動機はそうだな「奴隷が主人に溺愛される展開ウマー」とか「最下層からの成り上がり物語とか燃える」とかその辺りじゃないでしょうか。
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