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湯水のごとくお金を使おう
第600話 神様でポイント稼ぎ
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それにしてもポイントがぁぁ。
こうなったら神様をポイント稼ぎに利用するしかない。
子供達を騎士様にお任せし、まず調理場に行きます。
「ドリちゃん、おにぎり作るから具を作ってもらっていい?」
了承のサインが返されたので、奥の部屋に移動します。
ドリアンがおにぎりを並べるお皿と、握りやすいようにおひつに移した白飯、あと具を幾つか持ってきてくれたので炬燵の上に並べる。
炬燵は通年です。
季節感なんて元々この世界にはないようなものだから特に問題はない。
「神薙さんに食べてもらうのは当然として、刀雲とルークにもお弁当として渡そうかなぁ」
「肉、追加しますか?」
「お願い」
詰めるおかずはドリアンにお任せで、僕はひたすらおにぎりを量産。
ぎゅぎゅっと握って三角おにぎりの完成です、大きなの作れればいいけど、僕の手だと子供用サイズのおにぎりしか出来ない悲しさ。
これが普通の大きさのはずなんだけどなぁ。
この世界の人、基本的に大きいのには理由がある。
女神様が日本人推しで、体格差があるラブが好きだから。
まぁ腐女神の呪いの一環ですね。
妄想を実現させるために体格差が強化された結果、全体的に体が大きい、身長2mとか普通にいる。刀雲と僕が並ぶと大人と子供、アカーシャなんてすでに僕の身長を超えているもんね。
獣人に至っては3m級とかいそう、多分会ったことあるだろうけど、脳が現実直視を拒否してるのか記憶にないんだよね。
外に出ると巨人ばっかりな世界、僕がこの家に引きこもるのも仕方ないと思うのです。
とりあえずそれは置いといて。
「神薙さんに食べてもらうにはちょっと小さすぎるかなぁ?」
十個ぐらい作ったけど、刀雲だったら一口で食べれちゃうサイズ。
前はもっと上手に作れたはずなんだけど、おっかしいなぁ。
僕が縮んだ?
「わぁ美味しそう、食べていい?」
「聞く前に手を伸ばさないでください」
「これカレー味? 美味しいね」
「!!!」
今、僕は凄いドキドキしています。
美味しいと言った騎士様の笑顔にドキッとした訳じゃない、ポイントが増える瞬間をみてしまったんです。
聞いてください、神薙さんにおにぎり一つで100ポイント前後、でも今増えた数値は1000、なんと丸が一つ多い!
ご都合主義に贔屓も加わって大変な数値が出てますよ女神様!
まぁいいか!
ラッキー!!
「騎士様!」
「つまみ食いしてごめんなさい」
即謝ってきた。
すぐ反省するなら最初からやらない、じゃなくて。
「ちょっとそこで待っててください!」
ドリアンに指示を飛ばして料理中のドリちゃんの所に駆け寄る。
「ドリちゃん、おにぎりが豪華に見えるようなセット作りたい!」
「……」
少し考えた素振りを見せたドリちゃんだけど、僕が作ったおにぎりを差し出すと、ちょっぴり豪華なお膳セットを出してくれた。
これに盛り付けろということらしい。
僕の目的を正しく理解してくれているドリちゃんに手伝ってもらいながら、お皿に一番出来栄えの良いおにぎりを乗せる。
胡瓜の浅漬け、厚焼き玉子、梅干し、ワカメの味噌汁。
おにぎり以外はメニュー画面で出したものだけど、大丈夫、騎士様に食べてもらうものだからそこまで査定厳しくないはず。
「ありがとうドリちゃん!」
持っていこうとして転倒しそうになったので、お膳はドリアンが運んでくれるそうです。
毎回ごめんなさい。
「お待たせしました!」
「わ、わぁ、それ食べるの?」
「はい!!」
僕のポイントのために完食してください!
まぁ夕食入らなくなるかもですけど。小さいことです。
「一口ずつ食べて残してくれてもいいですよ」
「えっ、どうするつもり?」
「女神様にあげようかなぁって、きっと10万ポイントとか訳わからないポイント貰えます」
「露骨な下心! もっとオブラートに包んで、お願い」
騎士様が頭を抱えてしまった。
「そうだ、こうしよう」
「?」
何やら思いついた騎士様がお膳の上にサッと手をかざした。
「鈴、これ食べていいよ!」
「あざーーーーーっす!!」
料理が一瞬で消えた。
ポイントは……わぁ100万以上入ってる。
騎士様が関わると相変わらず吹っ飛ぶ女神様だなぁ。
「樹の手料理に俺の魔力を少々振りかけた。これで皆とご飯食べれる」
それほどに皆が食べている中、一人で見守るのも、一口食べて女神様に与えるのもなんか嫌だったようだ。実は騎士様、寂しがりやですよね。
僕としてはポイントが入ったから問題なしだけど。
「ご協力ありがとうございます」
「うん、ポイントほぼ使い果たしたのも神薙のせいだっていうしね、このぐらいなら幾らでも協力するよ」
「じゃあ……」
まずメニュー画面を開きます。
現在の女神様特集は……長崎、と。
この女神様特集、最初は意味分からなかったけど、どうやら女神様が今一番食べたいと思っているものが表示されるらしい。
ユー〇ーブの広告みたいに強制表示の時もある邪魔な機能の一つ、奉納すると通常よりポイント多めにもらえるけど、普通に無視してます。
でも今日はポイント稼ぎが目的だからね、ビカビカやかましいほど主張してるのはトルコライスとカステラか、トルコライスの種類が豊富。
ここは一番ビカビカしてるドライカレー、黒豚肉を使ったトンカツ、ナポリタンが盛られたこれにしよう。
カステラはどれに……七色に光って主張してるこの二本セットの高級品でいいか、ずっと画面見てると目が痛いから早く閉じたい。
「お願いします」
「いいけど、どうするの?」
首を傾げながらも魔力を注入してくれる騎士様、お優しい。
「こうするんです」
トルコライスはお皿に盛られているのでこのまま、カステラはレモンの国から貢がれた高級風呂敷に包みます。
そして拝む。
(女神様、女神様、追加です)
(ひゃっはぁぁ!! 今日は祭りかよ! イツキちゃんったら最高! ポイント追加しといたから、また頼むな!!)
コツコツ稼ぐ予定だったけれど、女神様で荒稼ぎしました。
イェイ。
こうなったら神様をポイント稼ぎに利用するしかない。
子供達を騎士様にお任せし、まず調理場に行きます。
「ドリちゃん、おにぎり作るから具を作ってもらっていい?」
了承のサインが返されたので、奥の部屋に移動します。
ドリアンがおにぎりを並べるお皿と、握りやすいようにおひつに移した白飯、あと具を幾つか持ってきてくれたので炬燵の上に並べる。
炬燵は通年です。
季節感なんて元々この世界にはないようなものだから特に問題はない。
「神薙さんに食べてもらうのは当然として、刀雲とルークにもお弁当として渡そうかなぁ」
「肉、追加しますか?」
「お願い」
詰めるおかずはドリアンにお任せで、僕はひたすらおにぎりを量産。
ぎゅぎゅっと握って三角おにぎりの完成です、大きなの作れればいいけど、僕の手だと子供用サイズのおにぎりしか出来ない悲しさ。
これが普通の大きさのはずなんだけどなぁ。
この世界の人、基本的に大きいのには理由がある。
女神様が日本人推しで、体格差があるラブが好きだから。
まぁ腐女神の呪いの一環ですね。
妄想を実現させるために体格差が強化された結果、全体的に体が大きい、身長2mとか普通にいる。刀雲と僕が並ぶと大人と子供、アカーシャなんてすでに僕の身長を超えているもんね。
獣人に至っては3m級とかいそう、多分会ったことあるだろうけど、脳が現実直視を拒否してるのか記憶にないんだよね。
外に出ると巨人ばっかりな世界、僕がこの家に引きこもるのも仕方ないと思うのです。
とりあえずそれは置いといて。
「神薙さんに食べてもらうにはちょっと小さすぎるかなぁ?」
十個ぐらい作ったけど、刀雲だったら一口で食べれちゃうサイズ。
前はもっと上手に作れたはずなんだけど、おっかしいなぁ。
僕が縮んだ?
「わぁ美味しそう、食べていい?」
「聞く前に手を伸ばさないでください」
「これカレー味? 美味しいね」
「!!!」
今、僕は凄いドキドキしています。
美味しいと言った騎士様の笑顔にドキッとした訳じゃない、ポイントが増える瞬間をみてしまったんです。
聞いてください、神薙さんにおにぎり一つで100ポイント前後、でも今増えた数値は1000、なんと丸が一つ多い!
ご都合主義に贔屓も加わって大変な数値が出てますよ女神様!
まぁいいか!
ラッキー!!
「騎士様!」
「つまみ食いしてごめんなさい」
即謝ってきた。
すぐ反省するなら最初からやらない、じゃなくて。
「ちょっとそこで待っててください!」
ドリアンに指示を飛ばして料理中のドリちゃんの所に駆け寄る。
「ドリちゃん、おにぎりが豪華に見えるようなセット作りたい!」
「……」
少し考えた素振りを見せたドリちゃんだけど、僕が作ったおにぎりを差し出すと、ちょっぴり豪華なお膳セットを出してくれた。
これに盛り付けろということらしい。
僕の目的を正しく理解してくれているドリちゃんに手伝ってもらいながら、お皿に一番出来栄えの良いおにぎりを乗せる。
胡瓜の浅漬け、厚焼き玉子、梅干し、ワカメの味噌汁。
おにぎり以外はメニュー画面で出したものだけど、大丈夫、騎士様に食べてもらうものだからそこまで査定厳しくないはず。
「ありがとうドリちゃん!」
持っていこうとして転倒しそうになったので、お膳はドリアンが運んでくれるそうです。
毎回ごめんなさい。
「お待たせしました!」
「わ、わぁ、それ食べるの?」
「はい!!」
僕のポイントのために完食してください!
まぁ夕食入らなくなるかもですけど。小さいことです。
「一口ずつ食べて残してくれてもいいですよ」
「えっ、どうするつもり?」
「女神様にあげようかなぁって、きっと10万ポイントとか訳わからないポイント貰えます」
「露骨な下心! もっとオブラートに包んで、お願い」
騎士様が頭を抱えてしまった。
「そうだ、こうしよう」
「?」
何やら思いついた騎士様がお膳の上にサッと手をかざした。
「鈴、これ食べていいよ!」
「あざーーーーーっす!!」
料理が一瞬で消えた。
ポイントは……わぁ100万以上入ってる。
騎士様が関わると相変わらず吹っ飛ぶ女神様だなぁ。
「樹の手料理に俺の魔力を少々振りかけた。これで皆とご飯食べれる」
それほどに皆が食べている中、一人で見守るのも、一口食べて女神様に与えるのもなんか嫌だったようだ。実は騎士様、寂しがりやですよね。
僕としてはポイントが入ったから問題なしだけど。
「ご協力ありがとうございます」
「うん、ポイントほぼ使い果たしたのも神薙のせいだっていうしね、このぐらいなら幾らでも協力するよ」
「じゃあ……」
まずメニュー画面を開きます。
現在の女神様特集は……長崎、と。
この女神様特集、最初は意味分からなかったけど、どうやら女神様が今一番食べたいと思っているものが表示されるらしい。
ユー〇ーブの広告みたいに強制表示の時もある邪魔な機能の一つ、奉納すると通常よりポイント多めにもらえるけど、普通に無視してます。
でも今日はポイント稼ぎが目的だからね、ビカビカやかましいほど主張してるのはトルコライスとカステラか、トルコライスの種類が豊富。
ここは一番ビカビカしてるドライカレー、黒豚肉を使ったトンカツ、ナポリタンが盛られたこれにしよう。
カステラはどれに……七色に光って主張してるこの二本セットの高級品でいいか、ずっと画面見てると目が痛いから早く閉じたい。
「お願いします」
「いいけど、どうするの?」
首を傾げながらも魔力を注入してくれる騎士様、お優しい。
「こうするんです」
トルコライスはお皿に盛られているのでこのまま、カステラはレモンの国から貢がれた高級風呂敷に包みます。
そして拝む。
(女神様、女神様、追加です)
(ひゃっはぁぁ!! 今日は祭りかよ! イツキちゃんったら最高! ポイント追加しといたから、また頼むな!!)
コツコツ稼ぐ予定だったけれど、女神様で荒稼ぎしました。
イェイ。
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