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湯水のごとくお金を使おう
第597話
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お風呂上がりのアイス食べたさに、イネスがいつものようにラーシャの腕に連続蹴りをしている。
そんなに揺らしたらかえってスプーンを持ちにくいと思うんだ。アイスを前にしたイネスには通じないだろうけど。
「ラーシャで実験しよう、シャムス、スライム一丁」
『あい! こーねこね!』
アー君がアイテムボックスから金属を取り出してシャムスに渡し、シャムスはいつものように鼻歌を歌いながらスライムを作っている。
『なにがいーい?』
「とりあえず腕輪で」
『うでわになーれー』
「できあーがーりー」
三分クッキングみたいになってる。
「ラーシャ、ちょっとこれ付けてみてくれ」
「腕輪?」
出来上がった腕輪をアー君がラーシャに渡すと、疑問を持つことなく腕に装着してくれた。
「イネスちょっと蹴って」
「あい」
ぷるるん
「!!」
ぷるるるるる
「うおおおおお、痛くないけど、振動があぁぁ、イネスストップゥゥゥゥ」
「楽しいです!」
「シャムス失敗だ」
『ありゃ~?』
見た目は金属質なのに変わらない弾力性。
ラーシャに痛みはないみたいだけど、マナーモードみたいになってかえって大変そうですよ。
「発想は良かったと思うんだ!」
『良かったの!』
「ただちょっと、シャム兄の作ったスライムの弾力が魅力的なだけで」
「みゅみゅみゅみゅみゅーーー!!」
「ふぅ」
子供達が自己弁護している間にラーシャは腕輪を外し、腕輪を渡されたイネスは腕輪を抱きしめるように猫キックを炸裂させている。
腕輪に夢中なイネスを下におろすと、ラーシャは溶けかけているアイスを食べ始めた。
「スライム使わないで普通に腕輪作ったら?」
「いや、硬い腕輪でイネスの爪が傷むのは困る。振動だけ何とかしてもらいたい」
腕輪自体は気に入ったようです。
「皮っぽいのを作ってみるか、ちょうどいいのないな、リンゴでいっか。シャムス頼む」
『こねこね、どやー』
冒険者の初期装備のような皮の腕輪が出来た。
リンゴがスライムになる所まではわかる、でもなんで、皮の腕輪が出来るの!?
「ラーシャ試してみてくれ」
「分かった。イネスおいで」
『キックよ』
「……みゅ!」
試作品を装備したラーシャがイネスを再び抱き上げると、イネスは蹴らずにガブッと噛みついた。
「イネス違うぞ、蹴りだ蹴り」
「みゅ~ん」
『あれぇ?』
「リンゴ食べてる時みたいになってる」
「イネス?」
「みゅぅ~ん」
うっとりしながら甘噛みしていますね。
「素材が悪かった」
『猫にまたたびなの』
「これもらっていいか?」
「えっ、試作品だぞ?」
「イネスが気に入ってるし、可愛い」
リンゴ畑にはラーシャ入れないもんね、あの腕輪をしていればイネスはラーシャの腕からは離れないだろうけど。
「まぁ、齧ってもダメージないみたいだし」
『成功なのよ』
「寝よう寝よう」
「僕も寝る」
本日のお遊びはここまでのようです。
「やってらんねぇわ」な空気を出しつつ、子供達が部屋へと戻っていく。
「イネス、俺らも寝ようか」
「みゃぁぁん」
うわぁ、目線が甘っ。
王子バージョンじゃないのに甘ったるい。
僕も寝よう。
そんなに揺らしたらかえってスプーンを持ちにくいと思うんだ。アイスを前にしたイネスには通じないだろうけど。
「ラーシャで実験しよう、シャムス、スライム一丁」
『あい! こーねこね!』
アー君がアイテムボックスから金属を取り出してシャムスに渡し、シャムスはいつものように鼻歌を歌いながらスライムを作っている。
『なにがいーい?』
「とりあえず腕輪で」
『うでわになーれー』
「できあーがーりー」
三分クッキングみたいになってる。
「ラーシャ、ちょっとこれ付けてみてくれ」
「腕輪?」
出来上がった腕輪をアー君がラーシャに渡すと、疑問を持つことなく腕に装着してくれた。
「イネスちょっと蹴って」
「あい」
ぷるるん
「!!」
ぷるるるるる
「うおおおおお、痛くないけど、振動があぁぁ、イネスストップゥゥゥゥ」
「楽しいです!」
「シャムス失敗だ」
『ありゃ~?』
見た目は金属質なのに変わらない弾力性。
ラーシャに痛みはないみたいだけど、マナーモードみたいになってかえって大変そうですよ。
「発想は良かったと思うんだ!」
『良かったの!』
「ただちょっと、シャム兄の作ったスライムの弾力が魅力的なだけで」
「みゅみゅみゅみゅみゅーーー!!」
「ふぅ」
子供達が自己弁護している間にラーシャは腕輪を外し、腕輪を渡されたイネスは腕輪を抱きしめるように猫キックを炸裂させている。
腕輪に夢中なイネスを下におろすと、ラーシャは溶けかけているアイスを食べ始めた。
「スライム使わないで普通に腕輪作ったら?」
「いや、硬い腕輪でイネスの爪が傷むのは困る。振動だけ何とかしてもらいたい」
腕輪自体は気に入ったようです。
「皮っぽいのを作ってみるか、ちょうどいいのないな、リンゴでいっか。シャムス頼む」
『こねこね、どやー』
冒険者の初期装備のような皮の腕輪が出来た。
リンゴがスライムになる所まではわかる、でもなんで、皮の腕輪が出来るの!?
「ラーシャ試してみてくれ」
「分かった。イネスおいで」
『キックよ』
「……みゅ!」
試作品を装備したラーシャがイネスを再び抱き上げると、イネスは蹴らずにガブッと噛みついた。
「イネス違うぞ、蹴りだ蹴り」
「みゅ~ん」
『あれぇ?』
「リンゴ食べてる時みたいになってる」
「イネス?」
「みゅぅ~ん」
うっとりしながら甘噛みしていますね。
「素材が悪かった」
『猫にまたたびなの』
「これもらっていいか?」
「えっ、試作品だぞ?」
「イネスが気に入ってるし、可愛い」
リンゴ畑にはラーシャ入れないもんね、あの腕輪をしていればイネスはラーシャの腕からは離れないだろうけど。
「まぁ、齧ってもダメージないみたいだし」
『成功なのよ』
「寝よう寝よう」
「僕も寝る」
本日のお遊びはここまでのようです。
「やってらんねぇわ」な空気を出しつつ、子供達が部屋へと戻っていく。
「イネス、俺らも寝ようか」
「みゃぁぁん」
うわぁ、目線が甘っ。
王子バージョンじゃないのに甘ったるい。
僕も寝よう。
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