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巡り合い

第591話

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 本日の夕食は1m級のエビ、豚の丸焼き、ちらし寿司、握り寿司など。
 ちなみに神薙さんに出すちらし寿司は寿司桶丸ごと、何個ぐらいあれば足りるだろうか。

「ギレンの作るお寿司好きだなぁ」
「そうかそうかァ」

 アカーシャの声援を受けてデレデレしているのはギレン、ネヴォラとのやり取りで疲れた心をアカーシャに癒してもらいたくてそのまま滞在中。
 滞在のごますりに寿司を大量に作っているところ、食べやすいから子供達も寿司好きなんだよね。

「アカーシャの好きな玉子は多めに作っておくからなァ」
「うん、ありがとう。あと」
「マグロも多めに作ってあるぞ」
「ギレン大好き」

 あらまぁギレンの顔面が大変なことに。
 子供達に囲まれている時の刀雲の崩れっぷりより酷いかも。

「ロブスターです!!!」
「こらイネス、盗もうとしちゃダメだろ!」
「僕のエビーーーーー!」

 ラーシャの腕を後ろ足で連続蹴りしながらイネスが大暴れしている。

「にいちゃ、聖なるエビ作ったらどうなる?」
「イネスに乱狩りされるだろうな」
『イネス盗み食いはめっ、よ』
「エビー」

 シャムスに注意されたのかイネスがしょんぼりしてしまった。でも目線はエビから離れない。

「ラーシャ離して、エビ盗まないから」
「本当だな、信じるからな、盗み食いしたら夕食抜きにされるぞ」
「はいです」

 何を思いついたのかイネスがラーシャに降ろすように言い、念を押されながら下に降ろされる様子を兄弟達が見つめている。
 すでにエビを巡る攻防戦は始まっている模様。

 視線を受けながらトコトコとイネスが向かった先は、すでに席について「いただきます」の合図を待つ神薙さんのところだった。
 まだ準備段階なんだけどなー。

「神薙様、お願いあります」
「ん?」
「ばっくんする方法教えてください」

 ばっくんとはつまり、巨大な相手だろうと身をえぐって食べる邪神らしい豪快なあの食べ方の事、神薙さんは一度に大量に食べるだけでなく、狙ったものだけを皿から食べる技術も持っている。
 本来は攻撃手段だと思うけど、神薙さんにとってはただの食事手段です。

 あれをイネスは身に着けたいと。

「やめろイネス! お前っ、エビを独り占めするつもりだろ!」
「俺もエビ食べたい!」
『イネスひどいのー』

 理由を察した兄弟から盛大なブーイングを受けている。
 まぁそりゃそうだよね。

「戦略です」
「同じ技使ってもイネスの口じゃ入らないし、他が食べれなくなるぞ?」
「本性はでっかいです!」
「イネス、っめ、皆で仲良く食べなさい」
「ママァ」

 可愛くうるうるしても駄目です。

「ギレン、このエビで握り作って」
「俺にはちょっと無理だなァ」

 その横では神薙さんがギレンに無茶ぶりしていた。

「神薙さんあれで作った握りを食べたいならドリちゃんに頼みましょう」
「ドリアン」
「ハイ」

 ただ問題は……机に乗るかなぁ?
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