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巡り合い

第561話

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 ピクニックと言えば青空の下でお弁当!

 小さな子が食べやすいよう、一口サイズのおにぎりやサンドイッチを中心に、唐揚げや玉子焼きを始めとした定番おかずをぎっちり詰めてきたよ!
 乳幼児にはドリちゃんミルクにしようかと思ったけど、普通のミルクを飲まなくなったら困るのでメニュー画面で購入した牧場牛乳にしました。

 他には冒険帰りの冒険者から寄付された魔物の肉、ダンジョンから差し入れられた柿、釣りたての魚など。
 肉と魚は焚火で焼くのかと思いきや、アー君と涼玉が手分けして焼いていた。
 火加減上手になったねー。

「魚はまだわかるとして、柿?」
「柿」
『柿なの』
「俺は関与してない!」

 なんでダンジョンで柿が採れるのか、犯人うちの子しかいないよね?

「きゃー」
「しゅごいねー」
「釣りじょうず」
「げひゃひゃひゃ」

 シートの上でお弁当を広げ、楽しそうに食べている女の子の集団から黄色い声が上がったので、そちらを見たら肌が緑色の子がチヤホヤされていた。
 ……いや、あれゴブリンだわ。

「わたしたちのおうちにいる子はいつもお肉ばっかりなのよ」
「おさかなだって食べたいのにねー」
「だから森で果物さいしゅしてくるのはいつも私たちおんなの役目なの」

 幼女がゴブリンを褒めたたえてると思ったら、流れるように愚痴に移行した。

「いくら元がダンジョンのモンスターでも、えいようバランスは大事だとおもうの」
「男子ってそういうところがわからなのよねー」
「いつもヘラ母様に怒られてるのよ、残すと野菜ばいになるのに」

 どうやらヘラ母さんの孤児院の子達のようだ。
 さすがと言うか、栄養管理になかなか厳しいみたい。

『女の子怖いの』
『ばーば仕込みだから余計に怖い』
『怒らせたら肉食べれないやつだ』

 うちの幼児がそんな女の子達を見ながらガクブルしているのはなぜだろう。

「待った。なんでゴブリン?」

 参加した子供にも、見守り隊の大人の中にもゴブリンはいなかったはずだ。

『ダンジョンから来たよ』
「昼飯時だからなー」

 お昼時なのは分かる。僕らもお昼中だし。

「ダンジョン内での食事提供や、負傷者を入り口まで送ったりとかして小遣い稼ぎしてるんだよ。そのお金で屋台で食べることを覚えたみたい」
「どこにツッコミを入れればいいんだろう」
「甘味提供でパーティーに入ってくれることもあるって!」

 やばい、割と本気でツッコミが追い付かない。
 そもそもモンスターってダンジョンを気軽に出入りしていいものだっけ?

 ……
 …………

 まぁいいか!
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