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巡り合い
第552話
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戻ったらお昼過ぎてました。
「シャムスのお腹まんまる」
『けぷー』
座敷に戻ったらお腹を膨らませて縁側でシャムスがひっくり返っていた。
「ごめん、あまりの食べっぷりの良さについ焼き魚与えすぎた」
スライムが魚の内臓と骨を処理し、それを騎士様が食べようと焼いたらシャムスが寄ってきて、可愛く口を開けたので与えたらこんなになったということです。
騎士様、加減してください!
「凶暴なのは終わったから、普通に釣りしていい?」
「はい、いいですよ。ありがとうございます」
刀雲といい、騎士様といい、釣り好きだよねぇ。
海に遊びに行った時も二人は釣りばっかりしていた気がする。
「シャムス、僕用事があるけどどうする? ここでお休みしてる?」
『一緒に行くの』
起き上がろうとコロコロするシャムスを抱き起こす。
うちの子が限界まで食べるのって、やっぱり神薙さんの大食いに影響されてるのかな。
「がぅ」
「きゅぅん」
シャムスを乗せてもらおうと振り返ったら、エムがルドに全身を嗅がれていた。
きっと「兄ばかりずるい」とか言われているんだろうな。
「エムごめん、シャムス乗せてね」
「わふ」
『動けないのー』
にこにこ笑いながらエムの背にまたがるシャムスが可愛い、抱き上げてからエムの背に乗せるまでの短い間でお腹が普通の幼児ぽっこりまで戻っている不思議。
魔力変換ってやつかな?
「しゅっぱーつ」
『ぱーつ!』
「がおー!」
ぞろぞろと歩き出した僕らに騎士様が「えっ、俺一人?」って呟いたけど、もふもふズがいるから大丈夫、寂しくないですよ。
目指すはリゾート部屋。
「シャムス、お勧めのお部屋ある?」
『んーあじあん』
「アジアンだって」
じゃあ前に刀雲とイチャイチャした海の見える部屋にしよう。そう決めて客室のある区画に赴いたはいいけれど、部屋が分からぬ。
『イネスのお部屋寄る?』
「ラーシャとらぶらぶタイムだから怒られる」
『そっか』
「涼玉様、我らの愛の部屋もここから選びましょうぞ!」
「ん?」
「どんな部屋がよろしいか! いざ参らん、我らが愛の巣へ!!」
幼児相手に何言ってんだ。と言いたかったけどマールスの動きの方が早かった。
ぬはははは!と笑いながら手近な部屋に突進していった。
「わ・し・つ・だーーー!」
「露天ついてる」
「ふはははは、幸先がよろしい!」
「囲炉裏付き」
「おやつ食べ放題!」
「俺、ここがいい」
「はい喜んでぇ!」
どうやら二人はあの部屋で暮らすことに決めたようだ。
ごめんドリアン、あとお願い。
「シャムスのお腹まんまる」
『けぷー』
座敷に戻ったらお腹を膨らませて縁側でシャムスがひっくり返っていた。
「ごめん、あまりの食べっぷりの良さについ焼き魚与えすぎた」
スライムが魚の内臓と骨を処理し、それを騎士様が食べようと焼いたらシャムスが寄ってきて、可愛く口を開けたので与えたらこんなになったということです。
騎士様、加減してください!
「凶暴なのは終わったから、普通に釣りしていい?」
「はい、いいですよ。ありがとうございます」
刀雲といい、騎士様といい、釣り好きだよねぇ。
海に遊びに行った時も二人は釣りばっかりしていた気がする。
「シャムス、僕用事があるけどどうする? ここでお休みしてる?」
『一緒に行くの』
起き上がろうとコロコロするシャムスを抱き起こす。
うちの子が限界まで食べるのって、やっぱり神薙さんの大食いに影響されてるのかな。
「がぅ」
「きゅぅん」
シャムスを乗せてもらおうと振り返ったら、エムがルドに全身を嗅がれていた。
きっと「兄ばかりずるい」とか言われているんだろうな。
「エムごめん、シャムス乗せてね」
「わふ」
『動けないのー』
にこにこ笑いながらエムの背にまたがるシャムスが可愛い、抱き上げてからエムの背に乗せるまでの短い間でお腹が普通の幼児ぽっこりまで戻っている不思議。
魔力変換ってやつかな?
「しゅっぱーつ」
『ぱーつ!』
「がおー!」
ぞろぞろと歩き出した僕らに騎士様が「えっ、俺一人?」って呟いたけど、もふもふズがいるから大丈夫、寂しくないですよ。
目指すはリゾート部屋。
「シャムス、お勧めのお部屋ある?」
『んーあじあん』
「アジアンだって」
じゃあ前に刀雲とイチャイチャした海の見える部屋にしよう。そう決めて客室のある区画に赴いたはいいけれど、部屋が分からぬ。
『イネスのお部屋寄る?』
「ラーシャとらぶらぶタイムだから怒られる」
『そっか』
「涼玉様、我らの愛の部屋もここから選びましょうぞ!」
「ん?」
「どんな部屋がよろしいか! いざ参らん、我らが愛の巣へ!!」
幼児相手に何言ってんだ。と言いたかったけどマールスの動きの方が早かった。
ぬはははは!と笑いながら手近な部屋に突進していった。
「わ・し・つ・だーーー!」
「露天ついてる」
「ふはははは、幸先がよろしい!」
「囲炉裏付き」
「おやつ食べ放題!」
「俺、ここがいい」
「はい喜んでぇ!」
どうやら二人はあの部屋で暮らすことに決めたようだ。
ごめんドリアン、あとお願い。
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