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巡り合い

第543話

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 ちょっと思うところがあり、女神様に接触することにしました。

 今回用意したのはシャムスに譲ってもらった金色のリンゴ、で作った甘口ワインとサワー、あとジュースもつけてみました。
 スライム大活躍、もう何でもありだね。
 いっそワイン製造スライムごと女神様に……スライムに全力拒否されました。

 その他に柔らかローストビーフとフランスパンで作ったピザトースト、美容に良さそうなフルーツ特盛ヨーグルト。
 これをアイテムボックスに入れます。
 次に、寝ます。

「イツキちゃんいらっしゃい! さぁどうぞ!」

 目を開けたら白い空間で女神様がコタツを前に正座していた。
 察しが早くて何よりですが、フォークを片手に構えている時点でなんか残念な人だなぁって。

「その前に、ピンク騒動を放置しているのはなぜですか?」

 アー君は騎士様が倒れた衝撃で使い物にならないと言ってたけれど、間違ってますよね?
 正直に答えるまで用意したこれらは渡しませんよ!

「う、うぐぅ」
「正直に言いましょう? 今まで何をしていらっしゃったんですか?」
「遠征中に溜まった疲労の回復を、その」
「このワインは神薙さんに奉納しますね~」
「溜まった小説読んでました! 頭の中までピンクなヒロインをざまぁする系に今はまってます、さーせんしたぁぁあ!!!」

 本当にこの人が女神で大丈夫なのだろうか。

「うちのアカーシャがノイローゼ気味なんです、退学にしようが追放しようが殺処分しようが翌日には新しいピンクが湧くってどんな悪夢ですか」
「今回の悪意、なんか粘着質で剥がせないんです」

 どれだけお酒を飲みたいのか、とても素直に白状し始めました。

 曰く、女神様の中にある負の部分を強化し、世界を混沌に呼ぶ。そんな感じの呪いっぽいらしい。
 本来なら物語にある女神のように狂い、世界を破滅に堕とすような事態になっていてもおかしくないみたいなのだけど、何て言うか、まぁ、女神様が腐女神だったのが不幸中の幸いというか、強化された負の部分がピンクへのざまぁとして表れているみたいです。

 あれ、それってピンクまさかの被害者?
 結構な人数死亡してますよ?

「女神様の中にある負の部分が、ピンクヒロインへのざまぁを望む部分だけってことに関心すればいいのか、心に闇がないことを称えれいいのか、僕には分かりません」
「出来れば褒めてほしい、犠牲は最小限だし!」
「その犠牲者の中にアカーシャが含まれているのが最大の問題なのですが、ピンクって数に限りないんですか?」
「物語の数だけ存在する」

 ドヤ顔で何言ってんだこの女神。

「うーん、女神様の中にあるピンクの記憶を削除するのが一番手っ取り早いかなぁ」
「えっやだ、私の楽しみ取るつもりかよ!」
「子供のためですし」

 解決方法が一つ浮かんだところで女神様にはもう用はないかな、質問には答えてもらえたのでお酒とつまみを出して机に並べる。

「ひゃふー、最高だね!」
「そのうちリンゴの命名頼まれると思うので、候補考えておいてくださいね」
「オッケー! お任せあれってなぁ!」

 ワインを注いでいる器が湯呑み茶碗なのですが。まぁいいや。

「じゃあお邪魔しました」

 希少品なので味わってくださいねー、無理だろうなぁ、ラッパ飲みしないだけ褒めるべきだろうか。
 帰ろ帰ろ。
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