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巡り合い
第540話
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一応確認したけど子供部屋は空でした。
知ってた。
廊下を先に進めばほのかにリンゴの香りが。
涼玉の恵みチートが遺憾なく発揮されている予感。
「行動力がある分、いたずらの規模が大きい」
「まぁ変な魔物を量産されるよりはマシだ」
確かに。
これで多少魔物への関心薄れればいいけど、どうだろうなぁ。
「わぁ立派なリンゴ畑」
廊下の先の出入り口付近はアカーシャの趣味だろうか、リンゴの木がアーチ状になっていた。
葉の隙間から朝日が降り注ぎ、真っ赤なリンゴが宝石のように光っている。
なんて立派なリンゴ畑。
新種かなぁ。
新種だろうなぁ。
アー君が「聖属性」だって言ってたもんね。
背中に種をくっつけるだけで新種が爆誕か、対象が植物だけで良かったと思おう、もし生命体にも有効だったら大変な事になっていた。
「イネス降りてこーい、そろそろ朝食の時間だぞー」
「フーーーー!!」
刀雲と散策を楽しんでいたら昨晩も聞いたようなやり取りが聞こえてきた。
『イネス、昨日も晩御飯食べてないよ』
「ラーシャ連れてくるか?」
「あの人、イネスに激甘だから役に立たない」
子供達の所に辿り着いたらなぜかアカーシャがラーシャをディスっていた。
「みんなおはよ」
『かあしゃまー!』
「かあちゃ!」
「ぐふっ」
シャムスと涼玉に突進されたけど、後ろで刀雲が支えてくれたので転倒は免れました。
「イネス降りて来ないの?」
「うん」
「刀雲どうしよう」
「気の済むまで食べさせればいい、これだけあれば食べ尽くす事もないだろ」
「そうだね」
「ほら朝飯に行くぞ、アカーシャも準備は大丈夫か」
「まだだった」
はっとしたアカーシャが慌てて家の中に駆け出す。
登校準備してないなんて珍しいな、どれだけリンゴ楽しみにしてたんだろう。
「兄様達、リンゴ持っていくから多めにもいどいてねーーー!!」
「「わふ!」」
遠くの方からワンコが返事を返した。
姿は見えないけどどこかにいるようだ、もしやルークもいるのだろうか。
『お腹空いたの』
「飯行くか、イネス置いてくからなー」
「みゃー」
リンゴに目が眩んで昨日からイネスが喋っていないような、語彙力崩壊した?
後で肉でも差し入れるとしよう。
「俺も出勤の時間が近いな、早く飯にしよう」
「うん、みんな行くよー」
「かあちゃ抱っこ!」
「ちょっと無理かなぁ」
地面から持ち上げる事すら出来ないのに、抱っこなんてしたら地面にめり込みそう。
『きょーのおやつはあっぷるぱーい』
「それいいな、ついでにリンゴの葉っぱでお茶作ってもらおう」
「俺はリンゴ丸焼きにする」
「木のあるところで火は厳禁だぞ」
「とうちゃ大丈夫、俺の火、植物燃やさない!」
エヘンと胸を張る涼玉。
そう言えば聖なるさつま芋の木も芋だけが燃えて、木は葉の一枚も被害はなかったなぁ。
涼玉チートの一部だろうか。
知ってた。
廊下を先に進めばほのかにリンゴの香りが。
涼玉の恵みチートが遺憾なく発揮されている予感。
「行動力がある分、いたずらの規模が大きい」
「まぁ変な魔物を量産されるよりはマシだ」
確かに。
これで多少魔物への関心薄れればいいけど、どうだろうなぁ。
「わぁ立派なリンゴ畑」
廊下の先の出入り口付近はアカーシャの趣味だろうか、リンゴの木がアーチ状になっていた。
葉の隙間から朝日が降り注ぎ、真っ赤なリンゴが宝石のように光っている。
なんて立派なリンゴ畑。
新種かなぁ。
新種だろうなぁ。
アー君が「聖属性」だって言ってたもんね。
背中に種をくっつけるだけで新種が爆誕か、対象が植物だけで良かったと思おう、もし生命体にも有効だったら大変な事になっていた。
「イネス降りてこーい、そろそろ朝食の時間だぞー」
「フーーーー!!」
刀雲と散策を楽しんでいたら昨晩も聞いたようなやり取りが聞こえてきた。
『イネス、昨日も晩御飯食べてないよ』
「ラーシャ連れてくるか?」
「あの人、イネスに激甘だから役に立たない」
子供達の所に辿り着いたらなぜかアカーシャがラーシャをディスっていた。
「みんなおはよ」
『かあしゃまー!』
「かあちゃ!」
「ぐふっ」
シャムスと涼玉に突進されたけど、後ろで刀雲が支えてくれたので転倒は免れました。
「イネス降りて来ないの?」
「うん」
「刀雲どうしよう」
「気の済むまで食べさせればいい、これだけあれば食べ尽くす事もないだろ」
「そうだね」
「ほら朝飯に行くぞ、アカーシャも準備は大丈夫か」
「まだだった」
はっとしたアカーシャが慌てて家の中に駆け出す。
登校準備してないなんて珍しいな、どれだけリンゴ楽しみにしてたんだろう。
「兄様達、リンゴ持っていくから多めにもいどいてねーーー!!」
「「わふ!」」
遠くの方からワンコが返事を返した。
姿は見えないけどどこかにいるようだ、もしやルークもいるのだろうか。
『お腹空いたの』
「飯行くか、イネス置いてくからなー」
「みゃー」
リンゴに目が眩んで昨日からイネスが喋っていないような、語彙力崩壊した?
後で肉でも差し入れるとしよう。
「俺も出勤の時間が近いな、早く飯にしよう」
「うん、みんな行くよー」
「かあちゃ抱っこ!」
「ちょっと無理かなぁ」
地面から持ち上げる事すら出来ないのに、抱っこなんてしたら地面にめり込みそう。
『きょーのおやつはあっぷるぱーい』
「それいいな、ついでにリンゴの葉っぱでお茶作ってもらおう」
「俺はリンゴ丸焼きにする」
「木のあるところで火は厳禁だぞ」
「とうちゃ大丈夫、俺の火、植物燃やさない!」
エヘンと胸を張る涼玉。
そう言えば聖なるさつま芋の木も芋だけが燃えて、木は葉の一枚も被害はなかったなぁ。
涼玉チートの一部だろうか。
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