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巡り合い

第538話

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 酔っ払ったアカーシャを子供部屋に連れて行ったら大変な事になっていた。

「誰、部屋の中にリンゴ植えたの」

 そう、子供部屋にりんごの木が生えていたんです。
 いくら部屋が好き勝手改造できるからって、なぜ室内に植えたのだろうか。

 床どころか屋根も突き破ってないかなこれ。

『ひゃぁぁぁ』
『こんな風にバレるとは』
『ごまかせないぜ』

 下の方はもいだ後がみられるので、味見と称して食べ放題したのが明らかです。
 犯人は主に子供達全員な気がする。
 
「んみゅ!?」

 呆然と上を見上げたら、今まさにリンゴを食べているイネスと目が合った。
 夕食食べないでリンゴを食べていたのか。

「今日の夕食、煮込みハンバーグだったのに」
「みゃぅみゃぅ」
「あのな、実はこのリンゴも聖属性なんだ」

 さつま芋と違って加工せずとも生で食べれるので、存在を知ったイネスが延々と食べ続けているらしいです。
 猫にまたたび状態?

 まぁとにかく、聖なるリンゴを食べたイネスが発する神気で木が成長し、たわわに実るリンゴ、突き破る天井、ちなみに現在進行形で成長中。
 ここが外だったら問題ないのだけど、室内だからね。
 引き離さないと子供部屋が崩壊する。

「伐採しようか」
「しゃーーー!!」
「神薙さんに食べてもらおう、キーちゃん、神薙さん呼んできて」
「きゃるる」
「アカーシャはひとまず俺らの部屋に寝かせるか」
「んん、とうさまぁ」
「はいはい、服に手を入れない」

 アカーシャだめだよ、刀雲は僕の!!
 このままじゃ刀雲が食べられちゃう、どうしよう、誰を呼ぶのが適任ですか女神様ぁぁ!!

(親子丼ひゃっはああああああ)

 駄目だ役に立たない。

 キーちゃんが神薙さんを乗せてやってきたので事情を説明したらそっと目をそらされた。
 もしやこの騒動、神薙さんも関与していらっしゃる?

「イネス降りて」
「み、みぃぃぃ」

 神薙さんに言われて渋々イネスが木から降りてきた。
 さすが神薙さん、頼りになる!

「イネスにいちゃ、おなかまんまる」
「みぃぃ」

 うちの子達がどんなに傍若無人でも神薙さんだけには逆らわない、恐怖対象の刷り込みって大事なんだなぁ。

 リンゴの木は神薙さんの手によってあっという間に解体された。
 たわわに実ったリンゴは一部を残して神薙さんの胃の中へ、残された分は明日のおやつのようです。
 木の本体や葉っぱは使い道があるらしく、アイテムボックスに片付けてました。

 木が撤去された所でドリアンにお願いして子供達の寝床の用意をしてもらい、僕は一旦神薙さんと座敷に戻った。
 呼び出しに応じてもらったお礼は果実タルト十個ぐらいでいいかな?
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