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巡り合い
第525話
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ようやく庭に出れた。
確かにこれは僕一人で来てたら庭に辿り着くのも一苦労だったかも。
「餅はどこでやってるんだろう?」
「うーん? ここの庭も広いからね」
アカーシャもわからないみたいだ、かと言って二手に別れたら僕が迷子になる。
「私が聖女としてリヒト君を支えます、だからタチアナさん、リヒト君を解放してあげて!」
もーやだー
「アカーシャ、なんかテンプレなセリフが聞こえた」
「きっと髪の色はピンクだね」
「摘んでも摘んでも生えてくるんだけど、女神様の妄想の影響力が強過ぎる」
「僕も大分ああいった輩に慣れたよ、一クラスに一匹はいるし、酷い時は二匹いる。電波なのは出来る限りある罪ない罪押し付けて退学にしてるんだけど、翌週には別のが湧くんだよね。留学制度取り消さない限り面白いぐらい繁殖するから困る」
聖女ってこの世界に何人いて、どういったポジションなんだろうか?
あと誰が認定するのかもちょっとだけ気になる。
「見に行く?」
「そうだね、避けても無駄な事もあるし、どうせなら出来る限り把握しておこうか」
はぁ。と重いため息を吐いたアカーシャと騒動の中心へと向かったら、やっぱりピンクの髪の女の子がいて、ちょっと良い服を着た男の子の腕にしがみついていた。
対峙しているのは縦長ロールな髪型の子、テンプレと違うのは男の子の顔色が悪いことだろうか。
ネリちゃんもいまだにドリルだし、縦長ロール流行ってるのかな?
「リヒト君の奥さんはこの私がなります、水の聖女であるこの私が!」
「リヒト様、貴方のご意見は?」
「……っ」
「リヒト君を責めないで! 好きになった私が悪いんです!」
「リヒト様?」
ビクビクしていた男の子がふとこちらを向いた瞬間、なんか背後にわんこの耳と尻尾が見えた。
「アカーシャ、助けて!」
ピンクを振り切った男の子が駆けてきてアカーシャに全力で抱き着いた。
「はいはい、母様は」
「ここにいます。動きません」
「うん」
「怖かったぁぁぁ」
「はいはい」
「あら」
縦長ロールの子がアカーシャに気付いて肩の力を抜いた。
「女怖い、女怖い、もうヤダ」
「はいはい」
「また邪魔をするのねアカーシャっ!!」
「はいはい」
「リヒト君が好きなのは私よ! リヒト君から離れて!」
「はいはい」
「やだ、見捨てないで、貢ぐからぁぁ」
「はいはい」
なんだあのカオス。
縦長ロールの子はアカーシャに対応を丸投げし、自分は傍観するつもりだろう、手に持ったお皿には可愛らしいケーキが幾つか乗っている。
持ちに行くの早っ。
僕も食べたいな、ちょっとだけ、すぐそこだしいいよね?
「話している間、母様と一緒にいて」
ポイっとワンコな子を押し付けられた。
「こんばんは」
「こんばんは」
思考を読まれたかのようなタイミングでお守りを押し付けられました。
「大変だね」
「はい、僕、あの子が怖いのにグイグイくるから逃げられなくて」
めそめそ泣きだした。
縦長ロールの子助けて、なんとかして! と思って視線を向けたらケーキを食べながら談笑してこちらに気付いてくれなかった。
または気付いているけど無視されました。
「あの、プリンで良ければ食べる? 甘くて美味しいよ?」
「うぅありがとうございます」
神薙さん用に十数個出しておいて良かった、ついでにスプーンも一緒に渡せば、うるうるしながらも食べ始めた。
ふぅ。
あとはアカーシャがこの場を治めるのを待つだけ――。
「リヒト君に必要なのはこの私よ! 雨のないこの国に雨を呼べるんだから! 今ここで証明してあげる!!」
「は?」
待って、僕でもわかるレベルでそれはまずい。
ブツブツと呪文を唱え始めたピンクに緊急事態を悟る。
どうしよう、この場合どうしたら正解?
血を見ずに解決する方法があったら教えてください!
確かにこれは僕一人で来てたら庭に辿り着くのも一苦労だったかも。
「餅はどこでやってるんだろう?」
「うーん? ここの庭も広いからね」
アカーシャもわからないみたいだ、かと言って二手に別れたら僕が迷子になる。
「私が聖女としてリヒト君を支えます、だからタチアナさん、リヒト君を解放してあげて!」
もーやだー
「アカーシャ、なんかテンプレなセリフが聞こえた」
「きっと髪の色はピンクだね」
「摘んでも摘んでも生えてくるんだけど、女神様の妄想の影響力が強過ぎる」
「僕も大分ああいった輩に慣れたよ、一クラスに一匹はいるし、酷い時は二匹いる。電波なのは出来る限りある罪ない罪押し付けて退学にしてるんだけど、翌週には別のが湧くんだよね。留学制度取り消さない限り面白いぐらい繁殖するから困る」
聖女ってこの世界に何人いて、どういったポジションなんだろうか?
あと誰が認定するのかもちょっとだけ気になる。
「見に行く?」
「そうだね、避けても無駄な事もあるし、どうせなら出来る限り把握しておこうか」
はぁ。と重いため息を吐いたアカーシャと騒動の中心へと向かったら、やっぱりピンクの髪の女の子がいて、ちょっと良い服を着た男の子の腕にしがみついていた。
対峙しているのは縦長ロールな髪型の子、テンプレと違うのは男の子の顔色が悪いことだろうか。
ネリちゃんもいまだにドリルだし、縦長ロール流行ってるのかな?
「リヒト君の奥さんはこの私がなります、水の聖女であるこの私が!」
「リヒト様、貴方のご意見は?」
「……っ」
「リヒト君を責めないで! 好きになった私が悪いんです!」
「リヒト様?」
ビクビクしていた男の子がふとこちらを向いた瞬間、なんか背後にわんこの耳と尻尾が見えた。
「アカーシャ、助けて!」
ピンクを振り切った男の子が駆けてきてアカーシャに全力で抱き着いた。
「はいはい、母様は」
「ここにいます。動きません」
「うん」
「怖かったぁぁぁ」
「はいはい」
「あら」
縦長ロールの子がアカーシャに気付いて肩の力を抜いた。
「女怖い、女怖い、もうヤダ」
「はいはい」
「また邪魔をするのねアカーシャっ!!」
「はいはい」
「リヒト君が好きなのは私よ! リヒト君から離れて!」
「はいはい」
「やだ、見捨てないで、貢ぐからぁぁ」
「はいはい」
なんだあのカオス。
縦長ロールの子はアカーシャに対応を丸投げし、自分は傍観するつもりだろう、手に持ったお皿には可愛らしいケーキが幾つか乗っている。
持ちに行くの早っ。
僕も食べたいな、ちょっとだけ、すぐそこだしいいよね?
「話している間、母様と一緒にいて」
ポイっとワンコな子を押し付けられた。
「こんばんは」
「こんばんは」
思考を読まれたかのようなタイミングでお守りを押し付けられました。
「大変だね」
「はい、僕、あの子が怖いのにグイグイくるから逃げられなくて」
めそめそ泣きだした。
縦長ロールの子助けて、なんとかして! と思って視線を向けたらケーキを食べながら談笑してこちらに気付いてくれなかった。
または気付いているけど無視されました。
「あの、プリンで良ければ食べる? 甘くて美味しいよ?」
「うぅありがとうございます」
神薙さん用に十数個出しておいて良かった、ついでにスプーンも一緒に渡せば、うるうるしながらも食べ始めた。
ふぅ。
あとはアカーシャがこの場を治めるのを待つだけ――。
「リヒト君に必要なのはこの私よ! 雨のないこの国に雨を呼べるんだから! 今ここで証明してあげる!!」
「は?」
待って、僕でもわかるレベルでそれはまずい。
ブツブツと呪文を唱え始めたピンクに緊急事態を悟る。
どうしよう、この場合どうしたら正解?
血を見ずに解決する方法があったら教えてください!
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