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巡り合い
第515話
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賑やかになってまいりました。
まさにお祭り騒ぎ。
でも一言いいですか。
「席が定員オーバーです、語り合うなら隣の席へお戻りください」
「おっとごめんよ」
「私はこっちの方がいいな、デザートの種類が多い」
こちらの席は神薙さん用に特盛料理とデザート系が多めに置いてあります、最初に好きなだけ食べさせたので神薙さんも今は落ち着き、ゆっくりと食べるモードに移行。
給仕の人達も交代で休憩に入れると思う。
「レイアも当事者の一人、行くよ~」
「っく」
「ごゆっくり」
と言って見送ったはずが、グラちゃんに抱っこされて一緒に隣の席に連れていかれた。
お守り替わりか何かだろうか。
「ギルバートさんと友達という割には僕を盾にするぐらい怯えているのはなぜですか?」
さっきからずっと僕から離れたら殺さると言っているのですが。
「あれは私とコレが出会った頃の話だ。いいか、イツキの意識が逸れる前に簡単に話すから良く聞け」
レイアさんに色々見抜かれている。
はい、しっかり聞きます。
「コレがトラブル巻き起こす中で私とギルバートは出会って、私はいつの間にか人間辞めてたんだが、その時起こった戦でギルバート抱えて戦ったんだ。その時倒したのがこのドラゴンの前世」
「その最期の瞬間に前世で友だとお互い思い出した」
簡潔過ぎてわからない。
ギルバートさんが補足してくれたけど、思い出した瞬間死んだら再会の意味ないのでは?
でもどこかで聞いたことのあるお話な気がする。
うーんと考えていると春日さんが肩を叩いて一冊の絵本を差し出してきた。なんか見たことある、確か一人の少年と吸血鬼の出会いを描いた絵本だったかな?
……持ち歩いてるんですか、春日さん。
少年が騎士様、吸血鬼がギルバートさん、女神がレイアさん、女神に祝福を与える神様が春日さん、絵本のラスト辺りで女神に倒された人がグラちゃん?
そうなんだろうなぁ、春日さんを見てグラちゃんの震えが酷くなったもの。
「トラウマ大集合」
「イツキ殿ぉぉぉ」
「うん、後ろに隠れてていいよ」
絵本情報だとグラちゃんの前世、ほとんど傀儡だったもんね。
「でもまさかここに転生してたとは思わなかった。まぁレイアと結婚してあの時の事は忘れていたが」
「ギルバート、それ言っちゃダメ」
レイアさんに倒された事で魂が浄化され、転生を果たしたけど生まれる世界を間違えた。と。
救われない人生を歩んだグラちゃんの前世にとって、最期に友と再会できた瞬間は救いになったんだと思う。
けど……ギルバートさんにとって前世は前世、確かに友だったけれど、レイアさんと結婚したり子供生まれたり国王やったり神様やったりで忙しくて忘れていたそうです。
不憫。
「グラちゃん、この世界に生まれ間違えて良かったね」
「?」
「涼玉が生まれたよ」
グラちゃんが居なかったら生まれなかった命だよ、合意なしの行為だったけどねっ!
まさにお祭り騒ぎ。
でも一言いいですか。
「席が定員オーバーです、語り合うなら隣の席へお戻りください」
「おっとごめんよ」
「私はこっちの方がいいな、デザートの種類が多い」
こちらの席は神薙さん用に特盛料理とデザート系が多めに置いてあります、最初に好きなだけ食べさせたので神薙さんも今は落ち着き、ゆっくりと食べるモードに移行。
給仕の人達も交代で休憩に入れると思う。
「レイアも当事者の一人、行くよ~」
「っく」
「ごゆっくり」
と言って見送ったはずが、グラちゃんに抱っこされて一緒に隣の席に連れていかれた。
お守り替わりか何かだろうか。
「ギルバートさんと友達という割には僕を盾にするぐらい怯えているのはなぜですか?」
さっきからずっと僕から離れたら殺さると言っているのですが。
「あれは私とコレが出会った頃の話だ。いいか、イツキの意識が逸れる前に簡単に話すから良く聞け」
レイアさんに色々見抜かれている。
はい、しっかり聞きます。
「コレがトラブル巻き起こす中で私とギルバートは出会って、私はいつの間にか人間辞めてたんだが、その時起こった戦でギルバート抱えて戦ったんだ。その時倒したのがこのドラゴンの前世」
「その最期の瞬間に前世で友だとお互い思い出した」
簡潔過ぎてわからない。
ギルバートさんが補足してくれたけど、思い出した瞬間死んだら再会の意味ないのでは?
でもどこかで聞いたことのあるお話な気がする。
うーんと考えていると春日さんが肩を叩いて一冊の絵本を差し出してきた。なんか見たことある、確か一人の少年と吸血鬼の出会いを描いた絵本だったかな?
……持ち歩いてるんですか、春日さん。
少年が騎士様、吸血鬼がギルバートさん、女神がレイアさん、女神に祝福を与える神様が春日さん、絵本のラスト辺りで女神に倒された人がグラちゃん?
そうなんだろうなぁ、春日さんを見てグラちゃんの震えが酷くなったもの。
「トラウマ大集合」
「イツキ殿ぉぉぉ」
「うん、後ろに隠れてていいよ」
絵本情報だとグラちゃんの前世、ほとんど傀儡だったもんね。
「でもまさかここに転生してたとは思わなかった。まぁレイアと結婚してあの時の事は忘れていたが」
「ギルバート、それ言っちゃダメ」
レイアさんに倒された事で魂が浄化され、転生を果たしたけど生まれる世界を間違えた。と。
救われない人生を歩んだグラちゃんの前世にとって、最期に友と再会できた瞬間は救いになったんだと思う。
けど……ギルバートさんにとって前世は前世、確かに友だったけれど、レイアさんと結婚したり子供生まれたり国王やったり神様やったりで忙しくて忘れていたそうです。
不憫。
「グラちゃん、この世界に生まれ間違えて良かったね」
「?」
「涼玉が生まれたよ」
グラちゃんが居なかったら生まれなかった命だよ、合意なしの行為だったけどねっ!
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