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保護者の居ぬ間に
第488話
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アカーシャに手を離され、振り向いたら一面モザイクになっていた。
「視界が変」
「無理に見ようとしない」
また怒られた。
「やっぱりととさまと違って綺麗に食べない、翡翠もくうかー?」
「いらないいらないいらない」
白ちゃんがモザイクのかかった物体を翡翠君に押し付けようとしたけど、翡翠君は真っ青な顔でそれを全力拒否している。
「あっ、魅了持ってる! 魔石にしてアルジュナに売りつけよう」
「白お願い、ここで解体しないで!!」
泣きながら止めようとしているけど白ちゃんは聞き入れてくれない、多分このモザイクの元凶はくねくねなんだろうなぁ。
残酷な描写になってるのは確実、でもモザイクのおかげで今後も食事が普通に食べれます。
「地面が血塗れ……クリーンが追い付かない、どうしたら……」
「翡翠、任せろ」
嘆く翡翠君の肩を叩き前に出てきたのは周防くんだった。
「白様、片付けていいか?」
「おう」
「翡翠覚えておくといい、街中ではただクリーンを唱えるだけじゃ地面は綺麗にならない、対象が石畳なら石畳、壁なら壁に直接魔力を送り込むんだ。クリーン」
おおー、視界のモザイクが消えていく。
「もしかして何か術式が組み込まれてる?」
「ナギがあまりにもあちこちで食い散らかすから片付けが大変でな、住民に文句を言われた主様が直接魔力を流せば周辺が綺麗になるようにしてくれたんだ」
騎士様って女神様の上司で神薙さんの主なのに一般人との距離が近いよね、下手をすれば国王様より市民に馴染んでいる気がする。
「イツキー! 俺わるもの退治したんだぜ!」
「お疲れ様」
翡翠君のクリーンで白ちゃんの汚れは落ちていて、シミ一つない純白の鱗です。
「おぅアラン、この間のレモン美味かった! またくれ!」
「分かった」
卑猥王子アランの顔色も若干悪い、まぁ僕と違ってモザイクなしだもんね。
「なぁあっちのも食べていいのか? ヨムと半分こ!」
「ひぃぃぃぃ」
視線を向けられた取り巻きが腰を抜かした。
股間のシミは見ないふりをしてあげよう。
「白様」
「ん?」
「あんなんでも国から付いてきた連中なんだ、国外追放で許してやってくれ、今度レモンと一緒にオリーブや柚子もつける」
「いいぞ! でも柚子ってなんだ?」
「食べてもよし、お風呂に浮かべてもよし、エヴァくん喜ぶよ」
「!!」
「数日内には届ける」
一緒に柚子風呂に入るんだろうな、我が家って案外何かを浮かべたお風呂ってないかもしれない、前に騎士様が薔薇風呂入っていたけど、あれは客室だもんね。
三匹は柚子の匂い大丈夫かな?
「アラン他には? エヴァな、俺のためにジャム手作りしてくれるんだ」
「柚子はジャムも作れる」
「アカーシャ、アランの手配手伝ってあげて」
「いいよ」
「アカーシャありがと! エヴァよろこぶ!」
ひゃっほー、見回り再開だー!と叫びながらキーちゃんに乗って白ちゃんは去っていった。
拘束された取り巻きは市民に紛れて見守っていた兵士に引き渡されたけど、その中にくねくねの姿はなかった。まぁモザイクになったんだから当然か。
いや、待って。
兵士さんいたんかい!
「視界が変」
「無理に見ようとしない」
また怒られた。
「やっぱりととさまと違って綺麗に食べない、翡翠もくうかー?」
「いらないいらないいらない」
白ちゃんがモザイクのかかった物体を翡翠君に押し付けようとしたけど、翡翠君は真っ青な顔でそれを全力拒否している。
「あっ、魅了持ってる! 魔石にしてアルジュナに売りつけよう」
「白お願い、ここで解体しないで!!」
泣きながら止めようとしているけど白ちゃんは聞き入れてくれない、多分このモザイクの元凶はくねくねなんだろうなぁ。
残酷な描写になってるのは確実、でもモザイクのおかげで今後も食事が普通に食べれます。
「地面が血塗れ……クリーンが追い付かない、どうしたら……」
「翡翠、任せろ」
嘆く翡翠君の肩を叩き前に出てきたのは周防くんだった。
「白様、片付けていいか?」
「おう」
「翡翠覚えておくといい、街中ではただクリーンを唱えるだけじゃ地面は綺麗にならない、対象が石畳なら石畳、壁なら壁に直接魔力を送り込むんだ。クリーン」
おおー、視界のモザイクが消えていく。
「もしかして何か術式が組み込まれてる?」
「ナギがあまりにもあちこちで食い散らかすから片付けが大変でな、住民に文句を言われた主様が直接魔力を流せば周辺が綺麗になるようにしてくれたんだ」
騎士様って女神様の上司で神薙さんの主なのに一般人との距離が近いよね、下手をすれば国王様より市民に馴染んでいる気がする。
「イツキー! 俺わるもの退治したんだぜ!」
「お疲れ様」
翡翠君のクリーンで白ちゃんの汚れは落ちていて、シミ一つない純白の鱗です。
「おぅアラン、この間のレモン美味かった! またくれ!」
「分かった」
卑猥王子アランの顔色も若干悪い、まぁ僕と違ってモザイクなしだもんね。
「なぁあっちのも食べていいのか? ヨムと半分こ!」
「ひぃぃぃぃ」
視線を向けられた取り巻きが腰を抜かした。
股間のシミは見ないふりをしてあげよう。
「白様」
「ん?」
「あんなんでも国から付いてきた連中なんだ、国外追放で許してやってくれ、今度レモンと一緒にオリーブや柚子もつける」
「いいぞ! でも柚子ってなんだ?」
「食べてもよし、お風呂に浮かべてもよし、エヴァくん喜ぶよ」
「!!」
「数日内には届ける」
一緒に柚子風呂に入るんだろうな、我が家って案外何かを浮かべたお風呂ってないかもしれない、前に騎士様が薔薇風呂入っていたけど、あれは客室だもんね。
三匹は柚子の匂い大丈夫かな?
「アラン他には? エヴァな、俺のためにジャム手作りしてくれるんだ」
「柚子はジャムも作れる」
「アカーシャ、アランの手配手伝ってあげて」
「いいよ」
「アカーシャありがと! エヴァよろこぶ!」
ひゃっほー、見回り再開だー!と叫びながらキーちゃんに乗って白ちゃんは去っていった。
拘束された取り巻きは市民に紛れて見守っていた兵士に引き渡されたけど、その中にくねくねの姿はなかった。まぁモザイクになったんだから当然か。
いや、待って。
兵士さんいたんかい!
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