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保護者の居ぬ間に

第461話

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 久々の我が子が成長していてびっくり。

「母様天ぷらお代わり」
「僕も、エビ多めで」

 まず双子。
 アカーシャと同じく中学生前後の少年だったのに、ワカメご飯と一緒に天ぷらをかきこむ二人はいつか夢で見た青年姿。
 騎士様にそっくりな外見は、さすが前世からの親子と言うべきか。

「えびーえびー、ラーシャえびー」
「はいはい、自分で食べろなんて言いませんとも」

 次にラーシャを座椅子代わりにしているイネス。
 人型の美少年。
 ギリシャ神話の天使か何かが女神様の妄想で具現化したと思ったらうちの子だった。

 中身は全く変わってないし、自分の手が使えるのにラーシャに甘えるのは変わらない。
 あとラーシャは本日のメニューを聞いて、イネスが無理矢理ここに引きずってきました。

「美味しいですぅ」
「俺の分の飯が握り飯にしてある心遣いに涙が滲むわぁ」
「ラーシャあーん」
「あ、あーん」
「こっちの姿もいいですねー、ラーシャにあーんするの楽しいです」
「……っ不意打ちだろう」

 にこにこ笑顔のイネスにおにぎりを口に運ばれたラーシャが照れた。
 どうやら世話をするばかりで、世話をされたことに対してかなり動揺したようだ。

「ヨムにいちゃ、俺な、グリーンドラゴンじゃなかった」
「そうか良かった、あの種族だったら割と本気で俺のととさまに狙われる所だった」
「そうなの?」
「良くて飼い殺しかな、トラちゃんと同じポジションになる所だったぞ」

 伴侶を与えて繁殖させ、子供は片っ端から食べ物扱い……養殖狙いか、今やってないのは野生のグリーンドラゴンの方が引き締まって美味しいからだっけ?

「母よこれはさすがにない」
「ああごめん、それはヨムちゃん向けの天ぷらだ」

 タイガが眉をへにょっとさせながら指摘したのは筍の丸ごと天ぷら、皮をむくと小さくなっちゃうので皮ごと揚げてもらったのを持ち込みました。

「ととさまに譲る」

 まさかの拒否。

「母様、兄さん達がお肉食べたいって」
「エム達の分はありませんよー」
「きゃぅん」
「きゅぅんきゅぅん」
「わぅわぅ」

 出し渋ったら一斉に苦情が来た。

「まーま、おねがい」
「兄上が泣いてるじゃないか、肉なら俺が出すから!」
「シャムス、アー君、それ嘘泣き」

 あとお肉出されてもここ夢の中、ドリちゃんいないから調理は出来ないよ。
 我が家のお料理チートはドリちゃんがいて初めて発動出来るんです。

「獅皇様、お茶のお代わりはいりますか?」
「もらおう」

 そして何故か獅皇さんがしれっと参加していて、アカーシャがいそいそと給仕をしている。
 アカーシャって趣味が渋いよね。

「ちょっと寝るのが遅れたらこれだ! 我の分はあるんだろうな!」
「雷遅いぞー」
『エビはイネスが食べちゃったの』
「けぷ」
「ぬおおおおお」

 雷ちゃん泣かないで、プリンはあるから泣かないで!
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