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保護者の居ぬ間に

第456話

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 頼りになる大人いました。
 前枢機卿様を筆頭としたかつての教会のトップの方達なら、こういった交渉事は得意だと思うんだ。

 いや、どうだろう、刀国って平和だしなぁ。
 他国なら魑魅魍魎いるかもしれないけど、この国にいるのは地位と名誉を押し付けあう大人……頼りにして本当に大丈夫かな?

 提案したら「それだ!」と声を上げた春日さんは社務所へ向かい、詳細なあれこれを任せてややげっそりとした表情で帰ってきた。
 タイガの子供達の世話役代表者に会えたは良いのだけど、子供達の学園へ通うためのアイテムはどうなっているのかとチクチク言われたみたい。
 アー君が手伝うって言ってたけど、ダンジョンに夢中で忘れてるだろうし、どうしたものか。

 ちなみに今回の代表者は元大司祭様で、なんと宰相さんの血縁者。
 お孫さんの血筋ですって。

 血筋なのか確かに頼りになりました。
 獣人さんの住処、待機場所、提携条件とかもろもろ全部決まった。凄い。

「あー疲れたー、イツキ甘いもの! こう、癒される感じのスイーツ!」

 僕そういうの良く分からないです。

 ドリちゃんに目で助けを求めるとツタをわさわささせて「任せろ」の合図、もはや神業レベルで魔法を駆使してスイーツを瞬時に作り上げた。
 神薙さんのために大量製作するよりは楽なのかもしれない。

「ドウゾ」

 うだうだする春日さんの前に置かれたのは、タイガが見たら対抗心を燃やしそうな出来栄えのキャラクタースイーツ。
 ストロベリーソースのかかったドーナツの中央から、ちょこりと顔を出しているのはイネスっぽい3頭身の豹。
 イネスのあざとさを前面に出しきゃるるんとこちらを見ている。

 飲み物はブラックコーヒー、春日さんが自分でブレンドした豆をドリちゃんに渡していて、我が家でおやつを食べる時などに出してるんだ。
 拘りを追求するために地球を一回りしたんだって。必要ない豆知識が増えた気がする。

「可愛い、可愛いが食べにくい!」

 唸りながらスマホを取り出してカシャリ。

「……春日さん、それ、世界観的にどうなんですか?」
「女神や子供達がいる時は使わないから、内緒にしといて」

 アウトっぽい。
 チラッと見せてもらったら、自分のSNSアカウントを持っていてそこに投稿していました。
 僕より機械に強い気がする。

 まぁそれは置いといて。

 住処はなんと元スラムがあった吸血鬼の皆さんが暮らしている場所。
 半数以上が砦に引っ越したため、現在家屋が空いているらしい。
 吸血鬼も獣人もどちらもレイアさんに絶対服従、一緒にして大丈夫だろうとざっくり判断され、交渉をささっとまとめたようだ。

 もし吸血鬼集団がこの世界の思考に染められていたら、獣人さんとの間で子供とか出来るのかな、カオスが加速する予感。

 待機場所は神薙さんの神社内。
 本殿の掃除や社務所の手伝いなどをしながら仕事が入るのを待つ。
 食事は社務所の食堂を使っても良いし、屋台などで自分で食べても良し。

 雇いたい時は社務所内の受付で申請、利用目的が通れば契約成立。
 境内にある店で攻略に必要なアイテム等を購入し、準備を整える。

 合流ついでに社務所で金を落とせって事らしいです。
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