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保護者の居ぬ間に

第433話

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 三匹はお土産に絵柄の違う竹櫛を選び、ブラッシングの仕上げに使ってねと視線でお願いされた。
 ええ喜んで。

『ぼくはこれかなー?』

 シャムスは悩みに悩んでガマ口財布、両手でちょうど持てるタイプで右隅に「忍」と一文字、これはイブとお揃いらしく、理由を知ったイブがその場で崩れ落ちていた。

「僕はこれと、こっちも」
「授業に使うやつだろ? 一緒に買ってやるって」
「いえ、佐助があっちで胸を叩いているので」
「ああ」

 アカーシャは刀ペン。
 他にもノートとメモ帳を選び、こちらはレジにいる佐助に渡していた。
 あの子はアカーシャに貢ぐのが喜びだからねー。

「俺はこれ!」

 アー君は希望通り番傘、家に帰って魔改造するつもりらしい。
 ようやく落ち着いたのかスライムにお礼を言いながら春日さんに渡していた。

「おれはこれ」

 涼玉は折り畳み式の鎌。
 背中に生える草をこれで刈ることを希望されました。
 それ雑草じゃなくて薬草らしいよ、前教皇様に売ればお小遣い稼ぎ出来るはず。

「イブは何か欲しいものはあるの?」
「え?」
「僕の代わりに何か選んで欲しいな」

 正直、僕は寿司Tシャツで胸やけを起こしているので、今は何も選びたくない。

「あの、本当に?」
「うんいいよ」

 遠慮しながらも目がキラキラしているのが丸分かりだ。

「えっと、じゃあ……これをお願いします」

 可愛くそっと差し出された動作は可愛かったけれど、差し出されたものは可愛くなかった。

 手甲鉤が仕込まれた手甲。
 イブは何と戦うつもりなんだろう。

 欲しいものを手に入れた子供達が春日さんにお礼を言いながら、それぞれの商品を受け取っている。
 汚さないようにとすぐにアイテムボックスに入れている、もちろんあのTシャツも一緒に。

 刀雲が帰ったらまた皆で来たい、その頃にはメニューの種類も増えているかなぁ。

「春日殿、ちょっと良いか?」
「おう。少し外すから、食事してたあの席で待っててくれ」
「はぁい」

 白熊さんとともに店の奥に消えた春日さんを見送り、店を出て言われた通り子供達と席に向かう。

『釣りしちゃダメ?』
「ダメだろうな」
「つかみ取りは?」
「それもダメだろ」
「「わふわふ」」
「いや、泳ぐのなんて言語道断だと思う」

 アー君が一人でツッコミ役をこなしている。

「アカーシャも何か言ってやって……あ?」
「え? あれ?」

 アカーシャが、居ない。

『アカーシャ?』

 新緑に囲まれた穏やかな光景には何も変化はない。
 ただアカーシャの姿だけが消えていた。
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