神様のポイント稼ぎに利用された２

家族が増えました

第420話

　朝食を食べ、アカーシャを学園に送り出すと社務所に向かうことにした。

　もふもふズは狩りに、三匹は銀狼の里に遊びに、神薙さんはダンジョン。
　逃げられた感があるのは気のせいかな。

「重いもんなぁ」
『ずっしり』

　目的はドラゴンの生態をグラちゃんに聞きに行くことなんだけど、それにはこの子を誰かに持ってもらわねばならない。

　ただし重い。
　すんごい重い。
　さすがドラゴンの卵！

「もう本人に歩いてもらおうか」
『歩ける？』
「食べ過ぎで動けない」
「言い訳にしか聞こえないね」
「シャムス、スライムに運ばせる事は出来ないか？」
『うーんどうかなぁ、スラちゃーん」

　シャムスに呼ばれて一匹のスライムがぽよぽよと近付いてきた。

『卵乗せて移動できる？』

　ブルブルブルブル

　高速で拒否されました。

『ダメみたい』
「うむ、じゃああれだ。お留守番」

　ゴーンって音が聞こえそうなほど衝撃を受けたっぽい、卵なのに表情豊かとはこれ如何に。

「シャム兄様置いて行っちゃ、い、いや」

　卵がカタカタ、ガタガタと震え始めた。

「アル兄様きら、ふ、ふぇ」

　ついでに言うと家具や家もガタガタ言い始めた。

「まずい、泣くぞ」
『泣いちゃめーよ、そうだ、お出掛けなしよ、お家で遊びましょ』
「いっしょ？」
『一緒よ』

　シャムスが卵にぺとっと抱き着きながら説得している。
　振動も収まったし、もう大丈夫かな？

『色々あるからね、どれがいっかなぁ』

　ドリちゃんミルクで泣き止ませようと取り出しかけたけど、なんとかシャムスがフォローしてくれたみたい、良かった。
　出した所で顔が出てないから飲ませられないね、アイテムボックスに戻しながら気付きました。

「母上、母上」

　アー君がこっそり近寄ってきて、お正月に遊んだ遊び道具を出して欲しいと耳打ちしてきた。

「お出掛け中止、家で遊ぶ」
「分かった。どれがいい？」
「すごろくがいい、あれなら…………その前に名付けしよう」
「あ」

　それもそうだ、じゃあ獅皇さんを呼び出さないとね。