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家族が増えました
第404話
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少し前、刀国には空前の豚肉ブームが訪れた。
肉が欲しければ自分で狩ってこい。そんな基本精神でもあるのか、屋台や食堂の店主は自分達で魔物に挑み、その肉を入手していた。
もちろん港街でも肉は売っているけどそちらは一般家庭用。
冒険者の手によって狩られたオークの肉はギルドに納品され、ギルドに併設されている食堂で消費されるのが暗黙の了解で、半分以上がトンカツとして消費されるらしい。
納品した冒険者は豚肉料理の優先券をもらえるとあり、一時はオークが絶滅の危機に瀕したとかなんとか。
そんな中、多少知恵のあるオークの群れがりっちゃんが守る砦を訪れ、何でもするから保護してくださいと涙ながらに投降したんだよね。
彼らを受け入れたのは肉体労働を嫌う吸血鬼の皆様、自分達がやりたくない力仕事をオーク達に丸投げしたそうな。
商人や戦闘に自信のある市民は自力で入手。
冒険者はギルドに納品して調理してもらう。
巡回兵は食堂で食べれる。
ここで豚肉にあぶれたのが城勤め&教会関係者。
血涙流して悔しがったと刀雲から聞いた。
いや、ちょっとおかしいよね。
普通ここは商人が冒険者を雇って肉を手に入れ売るところじゃない? なんで自ら狩りに行ってるの!? 商人って基本弱いイメージがあるのに、もしかして僕より戦闘力高い?
……まぁこんな感じで刀国は肉、主に豚肉不足に陥っていた。
オークを絶滅寸前まで追い詰めた豚肉ブーム、発端が僕名義で発売されたレシピと知った時はちょっと良心が痛んだね。
保護してもらう事で絶滅は免れたオークだけど、それは砦に投降した群れのみ、砦外では相変わらずオークの乱獲が続いていた。
一歩外に出たら死ぬ。むしろ喰われる。
オーク怯えて仕事が捗らない事に吸血鬼は悩んだ。
彼らが働かないと自分達のさぼりがバレる。
サボる事に心血を注ぐ一人の吸血鬼が研究した末、オークにある提案をした。
「畜産やってみないか」と。
「働けばいいと思う」
「わぅわぅ」
「なんかね、レイアさんの目を盗んでサボる事を楽しんでいる所もあるみたい」
「だめなかんじがする」
シャムスの目が死んだ。
「魔物捕獲して飼育してるのか?」
「ううん、召喚術で動物呼び出してるんだって。アー君にもお礼言ってたよ」
「おれ?」
「シェル君がアー君の蔵書を読んで思いついたんだって」
シェル君とはレイアさんの所の末っ子で、この世界で生まれ、今は砦で暮らしている子です。
「蔵書……女神から借りた漫画しかないような」
「神の叡智がーって言ってた」
「内政ものなんてなかった気がする。あっ、攻略本か、もしかして」
僕としてはゲームはやらないのに攻略本だけを愛読するアー君が不思議だよ。
「なんて技を習得したんだろ?」
「『仲間を呼ぶ』」
次から次に仲間を呼んで戦闘が終わらない、レベル上げに便利なあれです。
「それで肉の元になる動物を呼び出して肉を出荷する予定なんだって、量産出来るからお城や教会とかと取引したいけど、適切な人材がいないって言ってた」
もちろんオークの肉より質は下がる。
その分安価で提供する予定なんだって。
一番の問題は商談する人物がいないって事みたい。
レイアさんは商談向きではない、吸血鬼は面倒を押し付け合い、オークは砦の外に出たら襲われる可能性が高く、りっちゃんも戦闘系。
シェル君に泣きつかれたけど、僕が商談? 無理です。
『アカーシャ! こねも権力もあれば、将来のおべんきょーにもなるの!』
「それいいな、母上、アカーシャにお願いしよう!」
「どちらかと言うと肉をいかに安く卸してもらうか交渉する側なイメージ」
『僕がお願いするの! もふもふズしゅーごーー!!』
シャムスがタッチしてうおーっと吠えたと思ったら、在宅中のもふもふズが一斉に集まって来ましたが何が起こるのかな?
何にせよ、お手柔らかにね。
肉が欲しければ自分で狩ってこい。そんな基本精神でもあるのか、屋台や食堂の店主は自分達で魔物に挑み、その肉を入手していた。
もちろん港街でも肉は売っているけどそちらは一般家庭用。
冒険者の手によって狩られたオークの肉はギルドに納品され、ギルドに併設されている食堂で消費されるのが暗黙の了解で、半分以上がトンカツとして消費されるらしい。
納品した冒険者は豚肉料理の優先券をもらえるとあり、一時はオークが絶滅の危機に瀕したとかなんとか。
そんな中、多少知恵のあるオークの群れがりっちゃんが守る砦を訪れ、何でもするから保護してくださいと涙ながらに投降したんだよね。
彼らを受け入れたのは肉体労働を嫌う吸血鬼の皆様、自分達がやりたくない力仕事をオーク達に丸投げしたそうな。
商人や戦闘に自信のある市民は自力で入手。
冒険者はギルドに納品して調理してもらう。
巡回兵は食堂で食べれる。
ここで豚肉にあぶれたのが城勤め&教会関係者。
血涙流して悔しがったと刀雲から聞いた。
いや、ちょっとおかしいよね。
普通ここは商人が冒険者を雇って肉を手に入れ売るところじゃない? なんで自ら狩りに行ってるの!? 商人って基本弱いイメージがあるのに、もしかして僕より戦闘力高い?
……まぁこんな感じで刀国は肉、主に豚肉不足に陥っていた。
オークを絶滅寸前まで追い詰めた豚肉ブーム、発端が僕名義で発売されたレシピと知った時はちょっと良心が痛んだね。
保護してもらう事で絶滅は免れたオークだけど、それは砦に投降した群れのみ、砦外では相変わらずオークの乱獲が続いていた。
一歩外に出たら死ぬ。むしろ喰われる。
オーク怯えて仕事が捗らない事に吸血鬼は悩んだ。
彼らが働かないと自分達のさぼりがバレる。
サボる事に心血を注ぐ一人の吸血鬼が研究した末、オークにある提案をした。
「畜産やってみないか」と。
「働けばいいと思う」
「わぅわぅ」
「なんかね、レイアさんの目を盗んでサボる事を楽しんでいる所もあるみたい」
「だめなかんじがする」
シャムスの目が死んだ。
「魔物捕獲して飼育してるのか?」
「ううん、召喚術で動物呼び出してるんだって。アー君にもお礼言ってたよ」
「おれ?」
「シェル君がアー君の蔵書を読んで思いついたんだって」
シェル君とはレイアさんの所の末っ子で、この世界で生まれ、今は砦で暮らしている子です。
「蔵書……女神から借りた漫画しかないような」
「神の叡智がーって言ってた」
「内政ものなんてなかった気がする。あっ、攻略本か、もしかして」
僕としてはゲームはやらないのに攻略本だけを愛読するアー君が不思議だよ。
「なんて技を習得したんだろ?」
「『仲間を呼ぶ』」
次から次に仲間を呼んで戦闘が終わらない、レベル上げに便利なあれです。
「それで肉の元になる動物を呼び出して肉を出荷する予定なんだって、量産出来るからお城や教会とかと取引したいけど、適切な人材がいないって言ってた」
もちろんオークの肉より質は下がる。
その分安価で提供する予定なんだって。
一番の問題は商談する人物がいないって事みたい。
レイアさんは商談向きではない、吸血鬼は面倒を押し付け合い、オークは砦の外に出たら襲われる可能性が高く、りっちゃんも戦闘系。
シェル君に泣きつかれたけど、僕が商談? 無理です。
『アカーシャ! こねも権力もあれば、将来のおべんきょーにもなるの!』
「それいいな、母上、アカーシャにお願いしよう!」
「どちらかと言うと肉をいかに安く卸してもらうか交渉する側なイメージ」
『僕がお願いするの! もふもふズしゅーごーー!!』
シャムスがタッチしてうおーっと吠えたと思ったら、在宅中のもふもふズが一斉に集まって来ましたが何が起こるのかな?
何にせよ、お手柔らかにね。
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