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家族が増えました

第391話

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 今日もいい天気、お出掛け日和。

「レッツお買い物!」
『お使い!』
「俺行ってみたい」
「我も我も」
「母の場合は商人を呼んだ方がいいのではないか?」

 タイガの冷静なツッコミが入った。

「えー」
「母が使うものは神薙殿の口に入る。一食ごとの使用量も一般家庭の数倍、一般商店では取引もままならないと思う」
「まさかの正論」
「欲しいものがあるならば、種と土地を購入し、マシューの所のように誰かに作らせるのが一番安上りだろう」

 そこまで大規模にする気はないんだけどなぁ。

「何が欲しいんだ?」
「大豆、豆腐を作りたいんだよね」
「もう少し詳しく」

 今日の朝食の席で思いついた事を全部語ってみた。

「刀羅と鬼羅に頼めば一番簡単そうだが、今朝の感じだと暫くは忙しくなりそうだ」
「我が家の分だけでいいんだよ?」
「それが一番大変なんだ」

 神薙さんが気に入ったらドンの一族が介入して品種改良が始まったり、研究を重ねるので貢物も大量になる。
 最近はタイガも仲良くしているので気軽に新作へのアイデアを聞いてくるだろう、なにせ邪神を喜ばせる事が最優先なので不敬罪とかは考えない。
 そういう細かいことが面倒なので、様々な重役ポジションに一族を送り込んでいるのがドンの一族なのだ。

「じゃあどうしよっかー」
『ピクニック! お外! サンドイッチ』
「シャムスがピクニックをしたいそうだ、リクエストはサンドイッチ」
「城壁外に出よう、今日は風が気持ちいいぞ!」
「我一人で護衛はキツイな、ちょっと待て」

 ノリノリな幼児にタイガも止めるのではなく、護衛を付ける方向にしたようだ。
 じゃあ僕はサンドイッチと飲み物を用意しなきゃいけないね、神薙さんが一緒に行く訳ではないからメニュー画面でちょちょいと出しちゃおう、飲み物も僕がお願いしようとした時にはドリちゃんが用意してくれていた。さすが!

『なにがあってもだいじょーぶ、ぼくらにはままが付いてるのー』
「どうしよう雷」
「ん?」
「シャムスがトラブルフラグを立てた」
「おぅ……外出を中止に……」
『それはやーなのー』

 作業的に次々出すサンドイッチをドリアンが自分達お気に入りのランチボックスに詰めていく、作業の間などに自分達で手作りしたらしい、講師はタイガ。
 さて、このぐらいでいいかなー?

 そうだフルーツの盛り合わせもちょっと持っていこう、この間のフルーツの山がまだ一部残ってるんだよねぇ。

「よーし準備完了」
「護衛も手配できた、いつでもいいぞ」
「もふもふズ出払ってると思ってた」
「宿舎でおやつをねだっていたのに声をかけた、あと非番の衛兵が数人付いてきてくれる」
「なんか大事になった」
「身分的にはこれでもお忍びレベルだ」
「ひゃぁ」

 アー君なんて護衛もお供もなしで神薙さんとダンジョン潜ってるみたいだけど、あれは問題外だと切り捨てられました。
 力のごり押しでどうにかできるアー君と雷ちゃん、万が一の時はスライム作ってどうにでもなるシャムスと違い、僕に護衛は必須なんだってさー。
 くそぅ。女神様のこだわりで武力系才能ゼロなんだよね。

 レイアさんの加護も効かないという呪いレベル。
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