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ダンジョン
第355話
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我が家に帰宅してまずドリちゃんにただいまをして、次は予定通り子供達とお風呂です。
ここで子供達ともふもふズ対大人達で火花が散った。
僕とべったりしたい子供達と甘えたいもふもふズ、お風呂に入って色々したい大人達、僕としては子供達と入りたい。
さようなら刀雲、ルーク、騎士様、また今度……。
「皆で入ろう、そうすればイツキを取り合いせずに済む」
「そうだね、子供達がいるから不埒な事は出来ないのが残念だけど」
刀雲の提案に騎士様が一も二もなく頷いた。
さっさとお風呂に行こうとしたのがバレたのだろうか、刀雲の笑顔がアカーシャと重なってちょっと怖いなぁ。
「私達もいるのを忘れてませんわよね? 混浴でお願いしたいですわ」
「え……女性は女性だけで入ってほしいなぁ、って。ほら、旦那様に悪いし」
「ほほほ、それはそれ、これはこれ」
女性陣が一緒に入る=エッチな悪戯されない
「混浴の一つや二つあるはずです、水着はドリアンに言えば用意してもらえますからぜひ一緒に入りましょう」
「イツキはいい子ね」
「私達がいる間は主様に悪戯されないよう守ってあげるよ」
「少しでも悪戯したら私が一撃食らわしてやるから、いつでも言いな」
三女神様の言葉が心強い。
背後で騎士様が「早く帰ってもらおう」と呟いている。
レイアさんら女神様のおかげでリラックスタイムを手に入れた。腐女神様にも見習って頂きたい。無理だろうけど。
「で、結構な大人数だけど全員入れる風呂あるのか?」
レイアさんの目線の先にはもふもふズがぎっちり、大きさを変えられるとは言え我が家にいる子がほぼ勢ぞろいだからなぁ、どうだろう。
「もふもふズも一緒に入るのか、うーん、ただの大浴場じゃ駄目だよね。あっ、一つ良いお風呂があるから、そこ行こう」
そうして皆で向かった部屋は森林浴が出来そうなほど緑がわさわさしていた。
扉を開けたら森林浴、脱衣所はどこだろう。
「温泉?」
温泉自体は森林をちょっとだけ進んだ所にあった。
ファンタジーな感じで泉っぽい温泉かと思っていたら、崩れ落ちた遺跡を利用した温泉がそこにあった。
たまに漫画とかでこういう温泉あるねー。
「鈴のお勧めで作ったローマ遺跡で作られた『遺跡温泉』だよ、と言っても35度から40度ぐらいのぬるめのお湯だけどね」
温泉の中に転がっているのは大理石の柱かな、遺跡の石に乗って一休みしたりも出来そう、確かにこれは子供達が喜びそうだ。
「ローマに実際にあるらしくてね、参考にして魔改造した」
「わぁ」
騎士様が魔改造か、どんな不思議仕様があっても驚けない。
ああでもよく見たら周りの森林はトレントが混ざってるし、お湯の中には無害そうな魚が泳いでいる、あとクロコダイル。
魚は皮膚を綺麗にするあの魚だとして、クロコダイルはなぜ。
「色が濃くなって所は水深が深くなっているから気を付けてね。深さはドラゴンなカーシャが半身浴出来るぐらいかな」
「えーっと?」
『旦那様、ここ深くて楽しいですわ!』
「そうか良かった。カーシャが楽しいと俺も嬉しいよ、水分も取ろうな」
「あんな感じ」
水着どこ行った。
凶悪な顔をしたドラゴンが楽しそうに泳いでいる。
半身浴どころか泳げる深さがあるようだ、気を付けよう。
『だいる乗せてー』
「あ、ずるいぞシャムス!」
「我も我も」
ハテナを浮かべている僕の横を幼児が駆け抜け、クロコダイルの背に飛び乗った。
対するクロコダイルは動じずにゆったりと泳ぎだした。
「ぼくもー」
「うぉっ!」
飛び乗るかと思われたイネスはラーシャをお風呂に突き落とした。
『イネスなにするんだよ!』
「泳いで!」
ドラゴン姿になって牙を剥いたラーシャの頭に素早くイネスが飛び乗り、シャムス達に並ぶように急かしている。
扱いが雑、そして怒られても気にしないメンタル、もうちょっとラーシャに優しくしてあげて。
決して僕も乗りたいわけでは……。
『こんちは! 三食昼寝付き生活維持のためにバイトに来ました!』
そしてなぜか半馬半魚の海馬ヒッポカムポスが数頭現れた。
段々と空間がカオスになって来たな。
「母様が帰って来たって本当?」
「母様おかえり」
「おかえり! 鬼羅、海馬が来てるぞ」
「本当だ乗ろう」
双子が現れた。
海馬を見てすぐさま興味がそっちに移り、一瞬で腰巻一つになると突進していってしまった。
ただいまぐらい言わせて欲しいな。ママは寂しい。
「母様」
「アカーシャ、ただいま」
「おかえりなさい」
ふへ、と表情が緩むのが自分でも分かった。
「僕らも入ろう」
「待って、まだ脱いでない」
「? 脱いでるよ?」
言われて下を向いたらいつの間にか温泉用腰巻に着替えていた。
犯人はすでに温泉に浸かっている。
ただ刀雲か騎士様か、二人掛かは不明です。
「いきます」
シュタタタタタと水面を奔るのはイブ。
魔法と剣の世界から来たはずなのに、忍者街道まっしぐらなのはなぜだろうか。
上げ膳据え膳の生活を送ったせいかな、ツッコミが追いつかないよ。
ここで子供達ともふもふズ対大人達で火花が散った。
僕とべったりしたい子供達と甘えたいもふもふズ、お風呂に入って色々したい大人達、僕としては子供達と入りたい。
さようなら刀雲、ルーク、騎士様、また今度……。
「皆で入ろう、そうすればイツキを取り合いせずに済む」
「そうだね、子供達がいるから不埒な事は出来ないのが残念だけど」
刀雲の提案に騎士様が一も二もなく頷いた。
さっさとお風呂に行こうとしたのがバレたのだろうか、刀雲の笑顔がアカーシャと重なってちょっと怖いなぁ。
「私達もいるのを忘れてませんわよね? 混浴でお願いしたいですわ」
「え……女性は女性だけで入ってほしいなぁ、って。ほら、旦那様に悪いし」
「ほほほ、それはそれ、これはこれ」
女性陣が一緒に入る=エッチな悪戯されない
「混浴の一つや二つあるはずです、水着はドリアンに言えば用意してもらえますからぜひ一緒に入りましょう」
「イツキはいい子ね」
「私達がいる間は主様に悪戯されないよう守ってあげるよ」
「少しでも悪戯したら私が一撃食らわしてやるから、いつでも言いな」
三女神様の言葉が心強い。
背後で騎士様が「早く帰ってもらおう」と呟いている。
レイアさんら女神様のおかげでリラックスタイムを手に入れた。腐女神様にも見習って頂きたい。無理だろうけど。
「で、結構な大人数だけど全員入れる風呂あるのか?」
レイアさんの目線の先にはもふもふズがぎっちり、大きさを変えられるとは言え我が家にいる子がほぼ勢ぞろいだからなぁ、どうだろう。
「もふもふズも一緒に入るのか、うーん、ただの大浴場じゃ駄目だよね。あっ、一つ良いお風呂があるから、そこ行こう」
そうして皆で向かった部屋は森林浴が出来そうなほど緑がわさわさしていた。
扉を開けたら森林浴、脱衣所はどこだろう。
「温泉?」
温泉自体は森林をちょっとだけ進んだ所にあった。
ファンタジーな感じで泉っぽい温泉かと思っていたら、崩れ落ちた遺跡を利用した温泉がそこにあった。
たまに漫画とかでこういう温泉あるねー。
「鈴のお勧めで作ったローマ遺跡で作られた『遺跡温泉』だよ、と言っても35度から40度ぐらいのぬるめのお湯だけどね」
温泉の中に転がっているのは大理石の柱かな、遺跡の石に乗って一休みしたりも出来そう、確かにこれは子供達が喜びそうだ。
「ローマに実際にあるらしくてね、参考にして魔改造した」
「わぁ」
騎士様が魔改造か、どんな不思議仕様があっても驚けない。
ああでもよく見たら周りの森林はトレントが混ざってるし、お湯の中には無害そうな魚が泳いでいる、あとクロコダイル。
魚は皮膚を綺麗にするあの魚だとして、クロコダイルはなぜ。
「色が濃くなって所は水深が深くなっているから気を付けてね。深さはドラゴンなカーシャが半身浴出来るぐらいかな」
「えーっと?」
『旦那様、ここ深くて楽しいですわ!』
「そうか良かった。カーシャが楽しいと俺も嬉しいよ、水分も取ろうな」
「あんな感じ」
水着どこ行った。
凶悪な顔をしたドラゴンが楽しそうに泳いでいる。
半身浴どころか泳げる深さがあるようだ、気を付けよう。
『だいる乗せてー』
「あ、ずるいぞシャムス!」
「我も我も」
ハテナを浮かべている僕の横を幼児が駆け抜け、クロコダイルの背に飛び乗った。
対するクロコダイルは動じずにゆったりと泳ぎだした。
「ぼくもー」
「うぉっ!」
飛び乗るかと思われたイネスはラーシャをお風呂に突き落とした。
『イネスなにするんだよ!』
「泳いで!」
ドラゴン姿になって牙を剥いたラーシャの頭に素早くイネスが飛び乗り、シャムス達に並ぶように急かしている。
扱いが雑、そして怒られても気にしないメンタル、もうちょっとラーシャに優しくしてあげて。
決して僕も乗りたいわけでは……。
『こんちは! 三食昼寝付き生活維持のためにバイトに来ました!』
そしてなぜか半馬半魚の海馬ヒッポカムポスが数頭現れた。
段々と空間がカオスになって来たな。
「母様が帰って来たって本当?」
「母様おかえり」
「おかえり! 鬼羅、海馬が来てるぞ」
「本当だ乗ろう」
双子が現れた。
海馬を見てすぐさま興味がそっちに移り、一瞬で腰巻一つになると突進していってしまった。
ただいまぐらい言わせて欲しいな。ママは寂しい。
「母様」
「アカーシャ、ただいま」
「おかえりなさい」
ふへ、と表情が緩むのが自分でも分かった。
「僕らも入ろう」
「待って、まだ脱いでない」
「? 脱いでるよ?」
言われて下を向いたらいつの間にか温泉用腰巻に着替えていた。
犯人はすでに温泉に浸かっている。
ただ刀雲か騎士様か、二人掛かは不明です。
「いきます」
シュタタタタタと水面を奔るのはイブ。
魔法と剣の世界から来たはずなのに、忍者街道まっしぐらなのはなぜだろうか。
上げ膳据え膳の生活を送ったせいかな、ツッコミが追いつかないよ。
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