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ダンジョン

第343話

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 帰る手立てもなく、のんびりもふもふライフを送っております。

 呑気だと思われるかもしれないけど、僕がリラックスしていると周りもほんわか空気に包まれて過ごしやすくなるんだよ。

 昨日はこの間のオーガ君が子連れで会いに来てくれたんだ。
 さすがモンスター、繁殖が早い。
 パパは筋肉の塊の恐ろしい怪物だけど、子供たちのフォルムはなんとなくファンシーな感じだったんだよね、もしかしてあれも僕の影響?

 他にも色々変化はあったけど、一番の驚きは城と周辺に住むモンスターの人化かな。
 凄まじい勢いで進化して亜人になったのは驚いた。

 ラセンの支配する街を思い出したよ、あそこも魔物が進化して亜人になった子達が暮らしていたんだよねぇ。
 この中から子育て上手なモンスターが誕生する日も近いだろう。

『きゃーー』
「ん?」

 空耳かしら、今、いるはずのない声が聞こえた。
 声のした方を見たら子犬の集団が視認できるギリギリの速度で駆けっこをしていた。

「さすがにホームシックかな、とりあえず部屋に戻ろう」

 僕が落ち込むとヴァルが励まそうととんでもない事するからね、こういう時は大人しく部屋で置物になるに限る。
 そうだ、宝の山を無意味に整理してみよう、きっと暇つぶし出来るはず。

 ヴァルが付けてくれた護衛に部屋に戻ることを伝えると馬に乗せられた。
 こちらのポニーサイズのお馬さん、もちろんモンスターです、僕が城内を好きに探索できるようにヴァルが手配してくれたんだ。

 付けられた護衛は二人、もちろん身辺警護もあるけれど、主な仕事は僕を馬に乗せる事、プレゼントされた時に喜んで乗ろうとしたんだけどさ、一人で乗れなかったんだよ。
 その翌日にこの護衛さんを紹介されました。

 なんと、護衛の一人はあのオーガ君の第一子です。
 もう一人は二息歩行のニホンザルにしか見えない、でも戦闘モードになると炎をまとう凶暴なお猿さんに変身するんだ。
 自己紹介の時に変化を見せて貰ったけど、怖くて腰抜かした。

 二人とも最初はキリッとしてたはずなんだけどなぁ、一緒に過ごす内にほんわか雰囲気になって、今じゃ一緒にぼへーっと日向ぼっこすることもある。

 正直な話、ここに来てどのくらい日数が経ったかもう把握していません。
 多分だけど学園はもう始まっているだろう、動揺して成績落さないと良いけれど、大丈夫かなぁ。

「ゴア」
「今日のおやつはゴア君が作ったクッキーなんだ、楽しみだねぇ」
「ゴアア」
「じゃあ紅茶は僕が淹れようかな、最近ちょっと腕上がったと思うんだよ」

 美味しい紅茶が淹れられるようになったらヴァルにも出してあげたいね。

 昼間側にいない時はダンジョンの巡回に行っているんだって、上層、50層より上の階に行って羽のある魔物を乱獲しているらしい。
 ベッドにクッションがたまに増えているのはその成果なのだろうか。

 たまに女人型の雷攻撃してくる怪鳥と遭遇するらしいけど、なんとなく攻撃する気になれず無視して帰還するんだって。

 多分それヘラ母さんだ。







『あれ? 今かあしゃまいたー?』
「きゅぅん?」
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