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ダンジョン

第341話

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 城内散歩に戻ったら、内装が変わっていた。

 魔王城っぽい雰囲気が一転、まるで白亜の宮殿のような造りになっているではありませんか。
 柱は太く頑丈で、廊下も天井がやたら高いし幅も広い、ドラゴンが歩けるぐらい……ああ、なるほどモンスターが本性で歩いてもいいようにという配慮か。

 掃除とか大変そう、ここの子達もお掃除魔法使えるのかな?
 そう思いながらヴァルと歩いていたら、一つ目の巨人が柱を拭き、同じく一つ目の怪鳥が花を飾っていた。
 白の廊下に鮮やかな色の花が映えて綺麗ですね。

 ……
 …………

 つ、疲れた。
 廊下長っ!
 ドラゴンとかにサイズを合わせてあるから廊下が長い!

「イツキ、やっぱり抱こうか?」
「お姫様抱っこはちょっと」

 でもそろそろ腰とか足とかが限界なのも事実なんだよなぁ。

「ちょうど良い所に、イツキを乗せよ」
「ガウ」

 通りすがったのは3つの頭を持つ狼・ケルベロスだった。
 え、乗っていいの?
 やったー!

 虎サイズのケルベロスの背にいそいそと乗り上げ、城内散歩を再開、このちょっとごわっとした毛並みも良いよね。
 ここにタイガが居たら首輪作ってもらうのになぁ。

「次はここ」

 部屋の中を見た瞬間、僕の視界全体にモザイクがかかったのですが。

 え、何が起こったの?

「あのねヴァル」
「うん」
「能力と言っていいか分からないけど、僕って残酷な光景とかがあると視界にモザイクかかるの。今は部屋全体にモザイクがかかった状態なんだけど、ここはなぁに?」
「モンスターが生まれる部屋」

 グロい18禁な光景なのだろうか。
 ありがとう騎士様、おかげでトラウマ光景を見ずに済んでいます。

「そうか、では別の部屋に行こう」

 次の部屋は武器庫、冒険者から奪った武器防具がここに集まるらしい。
 大剣があったので好奇心で持たせてもらった。

「気を付けて」
「大きいなぁ」

 ゲームでこういう大剣振り回すの好きだった。
 そっとヴァルが手を離した瞬間。

「む、むりぃぃ」

 大剣ごと床に沈みそうになり、ヴァルに助けられた。
 ロマンを前に僕の筋力が仕事をしない、本当にこんな重い武器持って戦えるの? なんで?

 ちなみにヴァルは片手で元の場所に戻していた。
 さらに言えば「イツキはここ立ち入り禁止ね」と出禁にされました。
 失礼な、これでも自宅では包丁持って料理するんだよ! 刃物使えるんだから!

 ちょっと見栄張りました。
 包丁と言うより果物ナイフです、この世界の包丁大きくて僕じゃ使えないからタイガが作ってくれた特別製。
 あの子、鍛冶の才能もあると思う。
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