神様のポイント稼ぎに利用された２

ダンジョン

第337話

　大空を駆け、新生モンスターが向かったのは雷ちゃんのダンジョン。

　だと思う。

　いや、攫われてすぐ気を失ってね、気が付いた時には天蓋ベッドに寝ていました。
　ふっかふかのふわふわで、うっかり二度寝したんだけど、次に起きて目を覚まそうと窓から外を見たら草原だったんだよ。

　服は古代ローマっぽい衣装に変わっていたけど、でもね、たぶんこのローマ衣装、女性用だと思うんだ。
　物語の女神様とかが着ていそうなんだよね、ただちょっと、背中が丸出しで、ロングだけどスリットが大きく入っているから少し動くだけで太もも丸見え、白だから濡れたら絶対透けそうというエロ仕様に偏っているってだけで。
　
　精神的ダメージが大きいので、アイテムボックスから白兎ポンチョを取り出して上から着ました。

　それでね、ここが雷ちゃんのダンジョンだと思った理由、どこまでも広がっていそうな草原に見た事あるようなモンスターが闊歩していたり、窓の外を口裂け天使が巡回していたから。
　あのトラウマ天使は間違いないと思うんだ。

　……あ、このふっかふかの布団、もしかしてあの天使の羽か。
　乱獲してたし我が家でも作れるね。

　外を巡回していたのが首だけ落ち武者じゃなくて良かった。
　もしあれだったら失神する自信あるよ。

「それにしても広い部屋だなぁ」

　部屋はどこの王族の部屋だよってぐらい豪華、気のせいか家具のデザインがバラバラな気がするけどきっと気のせいだろう。
　僕は何も気付かなかった。

「目が覚めたんだね」

　遠い目をしていたら部屋の扉が開き、目を焼きそうな美形が入ってきた。
　騎士様で大分慣れたと思ってたけどそうでもなかったのかなぁ、うおー、眩しいー、って物理的に光ってるだけか。

　黒尽くめの服を着込んでいるのに全身が発光しているって不思議な現象ですね、僕この光りっぷり知ってる気がする。
　イネスとか、アー君とか、雷ちゃんとかが生まれた時にこんな感じに光っていたような。

　ああ、幼児三人組が作ったあのモンスターが人化したのか。
　展開早いな。

　でも正体があの子ならエロい展開はないだろう、安心してお迎え待ってよう。

「神子」

　とろけるような声音で僕を呼んだ光る美形は壊れ物を扱うような手つきで僕を抱き上げ、そのままベッドに押し倒した。

　だめか、世界観がエロを押し売りしてくる。
　腐女神の呪いが強すぎるよ。

「ふふ、可愛い」

　長い漆黒の髪がとても綺麗ですね、ラメが入っているんじゃないかってぐらいキラキラしているのは標準装備でしょうか。

「神子」

　ひょえーと現実逃避している間にぽいっとポンチョを脱がされ、後は着たままあちこち触られて気持ち良い事だけをされました。
　あのね、ポンチョが防御力カンストしているのはいいんだ、汚れにも強いから子持ちの身としてはとてもありがたい、でもね、簡単に脱がされちゃうのってどうなんだろう。

「神子、気持ちいいね」

　指を絡ませ、隙間がないほどぴたりとくっついて、うっとりと囁かれる。

　よし理解した。
　間違いなく嫁認定されとる。