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可愛い子には旅をさせよ
第320話
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僕がアカーシャに食べられている間、誰も部屋に入って来なかったのには訳がありました。
僕のお部屋の扉が封印されていて、廊下側の扉も、庭側も開かなかったのが原因。
シャムスにお願いされてアー君が開けようとはしたのだけど開かなかったらしい、エロい事に関しては管理者権限を乱用することを厭わないってどうなんだろう。
ってことで、犯人はアイツだ!
「アー君お願いします!」
時代劇の「先生お願いします」のノリで言ってみたらアー君がノッてくれた。
「宴会出禁期間延長!」
ぎゃぁぁぁぁぁ
悪役のボスのやられた時のような声が響いた。
ノリがいいのか、本当に衝撃を受けたのか、どちらだろう。
「まったく、シャムスのおやつの時間だと言うのに」
ふんすと鼻息荒くアー君が食べているのは本日のおやつであるゼリー、この前プリンを出したら好評だったので、ゼリーを提供したらこちらも気に入ったみたい。
『とーうんのお仕事でも出したらおいし?』
「材料さえ手に入れば問題ないと思う」
「いざとなれば我が何とかしてやろう」
「うん?」
「母上、シャムスがこのゼリーを城の食堂でも出せないかと言っている」
ゼリーの作り方は簡単だ。
ゼラチンをお湯に溶かして色々入れるだけ、問題は……。
「ゼラチンってあるのかしら」
我が家で提供できるのはメニュー画面とドリちゃんがいるから、これを我が家以外で提供するとなるとこの世界にある食材で再現するか、騎士様やクロードさんなどの権力で食材を異世界から輸入するしかない。
この方法を取ると値段が跳ね上がるけどね。
うーんと首を捻っていたらドリアンにメモを渡された。
「ゼラチンの原材料は動物の骨や皮なんだ、知らなかった」
「つまり手に入れる事は可能なんだな、聞いたかシャムス、雷ちゃん!」
『あい!』
「ないなら作れば良いじゃないか、やろう」
ダンジョン行くなら保護者を――と言おうとした僕の前で、シャムスがアイテムボックスから魔物の骨を取り出し、雷ちゃんが電撃を食らわせた。
「原材料さえ分かればこちらのもの!」
「うむ、どうだ!」
『かっこいー』
チートって凄いね、ゼラチンが一瞬ですよ。
なぜか皮袋に入っているけど。
作ったというよりドロップしたって感じかな?
相変わらず世界観がカオスだなぁ。
「アカーシャ様なにやら美味しそうなものを食べております!」
「本当だ」
幼児三人がキャッキャッとしている所にアカーシャを背に乗せた佐助が現れた。
やっと帰って来たアカーシャに歓喜した佐助は過保護が悪化し、コモドドラゴン姿でアカーシャを背に乗せて移動する姿が見られるようになった。
才蔵もイブも呆れた目を向けたものの、まぁいいかと放置する事にしたようだ。
『ドリちゃんこれでゼリー作ってー』
「ソーダ風味!」
「このマンゴーを使ってくれ!」
雷ちゃんが掲げたマンゴーは太陽のように輝いていた。
あれ絶対にこの世界のマンゴーじゃないな。
僕のお部屋の扉が封印されていて、廊下側の扉も、庭側も開かなかったのが原因。
シャムスにお願いされてアー君が開けようとはしたのだけど開かなかったらしい、エロい事に関しては管理者権限を乱用することを厭わないってどうなんだろう。
ってことで、犯人はアイツだ!
「アー君お願いします!」
時代劇の「先生お願いします」のノリで言ってみたらアー君がノッてくれた。
「宴会出禁期間延長!」
ぎゃぁぁぁぁぁ
悪役のボスのやられた時のような声が響いた。
ノリがいいのか、本当に衝撃を受けたのか、どちらだろう。
「まったく、シャムスのおやつの時間だと言うのに」
ふんすと鼻息荒くアー君が食べているのは本日のおやつであるゼリー、この前プリンを出したら好評だったので、ゼリーを提供したらこちらも気に入ったみたい。
『とーうんのお仕事でも出したらおいし?』
「材料さえ手に入れば問題ないと思う」
「いざとなれば我が何とかしてやろう」
「うん?」
「母上、シャムスがこのゼリーを城の食堂でも出せないかと言っている」
ゼリーの作り方は簡単だ。
ゼラチンをお湯に溶かして色々入れるだけ、問題は……。
「ゼラチンってあるのかしら」
我が家で提供できるのはメニュー画面とドリちゃんがいるから、これを我が家以外で提供するとなるとこの世界にある食材で再現するか、騎士様やクロードさんなどの権力で食材を異世界から輸入するしかない。
この方法を取ると値段が跳ね上がるけどね。
うーんと首を捻っていたらドリアンにメモを渡された。
「ゼラチンの原材料は動物の骨や皮なんだ、知らなかった」
「つまり手に入れる事は可能なんだな、聞いたかシャムス、雷ちゃん!」
『あい!』
「ないなら作れば良いじゃないか、やろう」
ダンジョン行くなら保護者を――と言おうとした僕の前で、シャムスがアイテムボックスから魔物の骨を取り出し、雷ちゃんが電撃を食らわせた。
「原材料さえ分かればこちらのもの!」
「うむ、どうだ!」
『かっこいー』
チートって凄いね、ゼラチンが一瞬ですよ。
なぜか皮袋に入っているけど。
作ったというよりドロップしたって感じかな?
相変わらず世界観がカオスだなぁ。
「アカーシャ様なにやら美味しそうなものを食べております!」
「本当だ」
幼児三人がキャッキャッとしている所にアカーシャを背に乗せた佐助が現れた。
やっと帰って来たアカーシャに歓喜した佐助は過保護が悪化し、コモドドラゴン姿でアカーシャを背に乗せて移動する姿が見られるようになった。
才蔵もイブも呆れた目を向けたものの、まぁいいかと放置する事にしたようだ。
『ドリちゃんこれでゼリー作ってー』
「ソーダ風味!」
「このマンゴーを使ってくれ!」
雷ちゃんが掲げたマンゴーは太陽のように輝いていた。
あれ絶対にこの世界のマンゴーじゃないな。
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