312 / 1,127
可愛い子には旅をさせよ
第310話
しおりを挟む
怒ればいいのか、呆れれば良いのか分からないよ。
『佐助もっと頑張るの!』
「種族、的な、問題がっ!!」
ヒッポカムポスと魔物の馬さんの勝負になぜか佐助と才蔵が参戦している。
佐助はコモドドラゴン姿で疾走しているけど、コモドドラゴンと馬では足の長さが違うからなぁ、海面を走っているだけ褒めてあげてほしい。
「佐助頑張ってるねぇ、水面走るコモドドラゴンなんて初めて見た」
「アー君と雷ちゃんは戦車ですけど、子供だけで危なくないですか?」
「中身は子供じゃないから大丈夫だろ、特に精神の方は都合よく子供と大人が混ざっているようだけどな」
騎士様とレイアさんが感心しているが目は笑っていない。
「幼児連れで花街に寄るのもどうかと思う、やっぱりアイツら基本馬鹿だわ」
「それ以上に、資金を出したのがアー君だって言うのがね」
「しかも世話になった店の遊女と傭兵団がラブラブになって、身請けの資金を出したのも」
「うちのアー君です」
どうやらアー君は保護者が居ないところでやりたい放題やっていたみたい。
町全体が歓楽街な都市がある事にも驚いたけど、刀国にもあるのに何が問題なのかな?って首を傾げたら、騎士様が「穢れた知識を教えたくない」と言いながらも本当の事を教えてくれた。
歓楽街とは酒場がある場所だと以前教えられた。
嘘ではない、嘘ではないけど他にも性風俗的な色々があるらしい、借金や口減らしなどの理由から売られた人が体を売っている店がある場所、それが花街。
「江戸時代とかあの辺りのイメージでいいからね」
「時代劇っぽい!」
悪代官が帯をほどいてくるくるーって楽しそうだと思った記憶がある。
刀雲とか好きそうだよね、あれ。
「うん、樹はそれでいいよ」
悪質な所に奴隷として堕ちるより、客の管理がしっかりなされているその街に買われるのはまだ運がいいらしいけど、好きでもない人を相手にする時点で幸運度が微妙です。
一番驚いた事実は総元締めはユーシリス一族、つまりドンの一族という所だったけどね。
「うーん、白状したご褒美に料理を解禁したのは間違いだった気がします」
「樹ちゃん意外と厳しい」
「子連れで娼館行く時点でアウトなのに、あの白い神様が暴れている時は結界で気付かないでイチャイチャって、護衛の意味が皆無!」
店の遊女を丸ごと身請けしたアー君、身請けした人数が多すぎてこれじゃ店ごと買った方が早いかと判断、店主にドラグーンへの移転を打診してお金で全てを平和に解決。
アー君の旅に同行した傭兵さんは全員独身だったけど、めでたく全員お嫁さんをもらう運びになったので、これを機に傭兵団を解散、女神レイアの騎士としてドラグーンに根を下ろす事を決意、シャムスとアー君の護衛が傭兵としての最後のお仕事。
伝書鳩なあの白い神様に守護を命じて自分から引き離しにも成功、損をした人も悲しんだ人もおらず、みんなが幸せになった。
店の支払いに身請け代、お嫁さんへの職業提供と守護のおまけつき。
そりゃ報酬断るよね!
「散財しても揺るがないアー君の資産に驚いて終わりにしたい」
「私もだよ」
「俺もー」
そもそも旅をしていた理由がアー君のワガママで、一晩店を買い上げた資金も、身請け代金も全てアー君がダンジョンで稼いだお金。
幼児だけど中身は千年以上生きた転生者だから、何と言うか説教をすべきかスルーすべきか迷う所なんだ。
「もうスルーで良くないですか?」
「知らんふりか、そうだよねぇ」
「もうそれでいいだろ、シャムスもアルジュナも無事に帰還したし」
子供達がレースする様子を眺めながら話がまとまりました。
これにて一件落着です!
『佐助もっと頑張るの!』
「種族、的な、問題がっ!!」
ヒッポカムポスと魔物の馬さんの勝負になぜか佐助と才蔵が参戦している。
佐助はコモドドラゴン姿で疾走しているけど、コモドドラゴンと馬では足の長さが違うからなぁ、海面を走っているだけ褒めてあげてほしい。
「佐助頑張ってるねぇ、水面走るコモドドラゴンなんて初めて見た」
「アー君と雷ちゃんは戦車ですけど、子供だけで危なくないですか?」
「中身は子供じゃないから大丈夫だろ、特に精神の方は都合よく子供と大人が混ざっているようだけどな」
騎士様とレイアさんが感心しているが目は笑っていない。
「幼児連れで花街に寄るのもどうかと思う、やっぱりアイツら基本馬鹿だわ」
「それ以上に、資金を出したのがアー君だって言うのがね」
「しかも世話になった店の遊女と傭兵団がラブラブになって、身請けの資金を出したのも」
「うちのアー君です」
どうやらアー君は保護者が居ないところでやりたい放題やっていたみたい。
町全体が歓楽街な都市がある事にも驚いたけど、刀国にもあるのに何が問題なのかな?って首を傾げたら、騎士様が「穢れた知識を教えたくない」と言いながらも本当の事を教えてくれた。
歓楽街とは酒場がある場所だと以前教えられた。
嘘ではない、嘘ではないけど他にも性風俗的な色々があるらしい、借金や口減らしなどの理由から売られた人が体を売っている店がある場所、それが花街。
「江戸時代とかあの辺りのイメージでいいからね」
「時代劇っぽい!」
悪代官が帯をほどいてくるくるーって楽しそうだと思った記憶がある。
刀雲とか好きそうだよね、あれ。
「うん、樹はそれでいいよ」
悪質な所に奴隷として堕ちるより、客の管理がしっかりなされているその街に買われるのはまだ運がいいらしいけど、好きでもない人を相手にする時点で幸運度が微妙です。
一番驚いた事実は総元締めはユーシリス一族、つまりドンの一族という所だったけどね。
「うーん、白状したご褒美に料理を解禁したのは間違いだった気がします」
「樹ちゃん意外と厳しい」
「子連れで娼館行く時点でアウトなのに、あの白い神様が暴れている時は結界で気付かないでイチャイチャって、護衛の意味が皆無!」
店の遊女を丸ごと身請けしたアー君、身請けした人数が多すぎてこれじゃ店ごと買った方が早いかと判断、店主にドラグーンへの移転を打診してお金で全てを平和に解決。
アー君の旅に同行した傭兵さんは全員独身だったけど、めでたく全員お嫁さんをもらう運びになったので、これを機に傭兵団を解散、女神レイアの騎士としてドラグーンに根を下ろす事を決意、シャムスとアー君の護衛が傭兵としての最後のお仕事。
伝書鳩なあの白い神様に守護を命じて自分から引き離しにも成功、損をした人も悲しんだ人もおらず、みんなが幸せになった。
店の支払いに身請け代、お嫁さんへの職業提供と守護のおまけつき。
そりゃ報酬断るよね!
「散財しても揺るがないアー君の資産に驚いて終わりにしたい」
「私もだよ」
「俺もー」
そもそも旅をしていた理由がアー君のワガママで、一晩店を買い上げた資金も、身請け代金も全てアー君がダンジョンで稼いだお金。
幼児だけど中身は千年以上生きた転生者だから、何と言うか説教をすべきかスルーすべきか迷う所なんだ。
「もうスルーで良くないですか?」
「知らんふりか、そうだよねぇ」
「もうそれでいいだろ、シャムスもアルジュナも無事に帰還したし」
子供達がレースする様子を眺めながら話がまとまりました。
これにて一件落着です!
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
犬のさんぽのお兄さん
深川シオ
BL
【地方都市×オメガバース】オメガでニートの園瀬(そのせ)梓(あずさ)は、T中央公園を散歩中に謎の長髪イケメンアルファ(ダサい臙脂のジャージ姿)に出会う。その瞬間、ヒートが起きて運命の番だと分かり——!?
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる