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可愛い子には旅をさせよ
第297話
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機会は思ったより早く訪れました。
白ちゃんの庵滞在3日目、皆は遊びに出掛け、僕は待つのも講義も疲れたので部屋に引きこもっていたらタイガが僕を訪ねて来たんだ。
暇つぶしに学生向けメニューと、教会に提供するメニューを検索していたら突然タイガが来たんだもん驚いたよ。
「母よ」
「タイガどうしたの?」
「我はこれがいい」
後ろから画面を覗き込まれ、ぽちっとタイガが押したのはハンバーガーセット、豪快に大口を開けて食べて一息ついた所でやっと訪問理由を教えてくれた。
その前にクリーンね、豪快に食べたからソースが手についてるよ。
「ラセンを孕まそうとこもっていたのだが、周防の手伝いをしに行くから我も出掛けて来いと追い出されたので、遊びに来た」
「ラセンは妊娠出来ないからね?」
想像妊娠ぐらいなら可能かもしれないけど。
「だが神薙殿は孕んだだろう、ラセンも同じ進化をするかもしれない」
頑なに信じていた原因は神薙さんだったかー。
「それはほら、神薙さんは環境に合わせて変化できる人だから、ラセンはその柔軟性は持ってないと思うよ」
完成された個だから進化しないって騎士様が言ってた。
「ふむ、ならばやはり我が産むしかないか」
忘れがちだけど周防くんの母親はタイガで、ラセンは父親だった。
たまに忘れるんだよね。
「母よ、何を選んでいるんだ?」
「学生向けメニュー、定番は提出したけどもうちょっと増やしたいなーって、あと教会からもお願いされているんだよね」
「我も一緒に選ぼう」
ごろりと横になり、タイガと並んでメニュー画面を眺める。
タイガが選ぶ料理はほぼ肉系、肉を巡って熾烈な争いが勃発しそう。
「イツキ様、入ってもよろしいでしょうか」
戸が叩かれ、遠慮がちに声がかけられた。
「どうぞー」
入って来たのはお世話役のメイドさん、タイガに話があるので客室まで来て欲しいというお願いだった。
あの話かな?
「まぁいいだろう」
「って、ちょっとタイガ、僕は置いて行ってもいいんだけど!」
起き上がったタイガに寝転がったまま「いってらっしゃい」と言ったら、ぶすっとした顔で近付かれ、片腕で肩に担がれそのまま運ばれました。
ぎゃーーー! 高いーーー!!
そのままドンの待つ部屋まで拉致され、通された部屋では逃げないようにタイガの足の間。
ドンのお話は昨日の件、つまりタイガの血を一族に欲しいというお話。
相手は昨日のうちに用意したらしい、仕事が早いですね!
「報酬は――」
「いらぬ、いつも世話になっているからな」
ドンとタイガの息が合っている。
取引を介して信頼が育まれたんだろうな、ちょっと羨ましい。
この話、僕要らないよね、部屋に帰ってもいい?
うごうごと無駄な抵抗をしている間に話は進み、すぐ子作りに入ろうと作品作りに入る時と同じ声で告げるやドンとメイドさんが部屋から下がっていった。
お相手は扉で繋がった隣の部屋で待機中なんだって。
そっかー、じゃあ後は頑張って……離そう、タイガ、僕を離そう。
腐女神の声なんて聞かなくていいから、僕を離してぇぇぇ!!
白ちゃんの庵滞在3日目、皆は遊びに出掛け、僕は待つのも講義も疲れたので部屋に引きこもっていたらタイガが僕を訪ねて来たんだ。
暇つぶしに学生向けメニューと、教会に提供するメニューを検索していたら突然タイガが来たんだもん驚いたよ。
「母よ」
「タイガどうしたの?」
「我はこれがいい」
後ろから画面を覗き込まれ、ぽちっとタイガが押したのはハンバーガーセット、豪快に大口を開けて食べて一息ついた所でやっと訪問理由を教えてくれた。
その前にクリーンね、豪快に食べたからソースが手についてるよ。
「ラセンを孕まそうとこもっていたのだが、周防の手伝いをしに行くから我も出掛けて来いと追い出されたので、遊びに来た」
「ラセンは妊娠出来ないからね?」
想像妊娠ぐらいなら可能かもしれないけど。
「だが神薙殿は孕んだだろう、ラセンも同じ進化をするかもしれない」
頑なに信じていた原因は神薙さんだったかー。
「それはほら、神薙さんは環境に合わせて変化できる人だから、ラセンはその柔軟性は持ってないと思うよ」
完成された個だから進化しないって騎士様が言ってた。
「ふむ、ならばやはり我が産むしかないか」
忘れがちだけど周防くんの母親はタイガで、ラセンは父親だった。
たまに忘れるんだよね。
「母よ、何を選んでいるんだ?」
「学生向けメニュー、定番は提出したけどもうちょっと増やしたいなーって、あと教会からもお願いされているんだよね」
「我も一緒に選ぼう」
ごろりと横になり、タイガと並んでメニュー画面を眺める。
タイガが選ぶ料理はほぼ肉系、肉を巡って熾烈な争いが勃発しそう。
「イツキ様、入ってもよろしいでしょうか」
戸が叩かれ、遠慮がちに声がかけられた。
「どうぞー」
入って来たのはお世話役のメイドさん、タイガに話があるので客室まで来て欲しいというお願いだった。
あの話かな?
「まぁいいだろう」
「って、ちょっとタイガ、僕は置いて行ってもいいんだけど!」
起き上がったタイガに寝転がったまま「いってらっしゃい」と言ったら、ぶすっとした顔で近付かれ、片腕で肩に担がれそのまま運ばれました。
ぎゃーーー! 高いーーー!!
そのままドンの待つ部屋まで拉致され、通された部屋では逃げないようにタイガの足の間。
ドンのお話は昨日の件、つまりタイガの血を一族に欲しいというお話。
相手は昨日のうちに用意したらしい、仕事が早いですね!
「報酬は――」
「いらぬ、いつも世話になっているからな」
ドンとタイガの息が合っている。
取引を介して信頼が育まれたんだろうな、ちょっと羨ましい。
この話、僕要らないよね、部屋に帰ってもいい?
うごうごと無駄な抵抗をしている間に話は進み、すぐ子作りに入ろうと作品作りに入る時と同じ声で告げるやドンとメイドさんが部屋から下がっていった。
お相手は扉で繋がった隣の部屋で待機中なんだって。
そっかー、じゃあ後は頑張って……離そう、タイガ、僕を離そう。
腐女神の声なんて聞かなくていいから、僕を離してぇぇぇ!!
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