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可愛い子には旅をさせよ
第295話
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トレントと挨拶を交わしたところで一旦解散です。
刀雲と騎士様、イブは釣り竿を取り出し、これから下流に釣りに行くようだ。
本当に釣り好きだなー、と思ったら神薙さんも付いてくみたい、釣れた魚を片っ端から食べるつもりだあれ。
ラーシャは櫛と香油を装備、良い天気なのでお外でイネスの手入れをするらしい、イネスが早く早くとラーシャの腕を叩いている。
なんだかんだと良いコンビになってきたなぁ。
銀狼親子は周囲の探検に出掛け、僕は白ちゃんの案内でヨムちゃんと一緒に散歩に行く事に。
いつも家に籠ってるからたまにはこういうのもいいね。
「エヴァ君は一緒じゃないの?」
「お持て成し料理は出来てるけど、これから作るのは晩酌のつまみ」
「……大人達がごめんね」
所望したのは騎士様と刀雲だろうなぁ。
「大丈夫だぞイツキ、ヨムからシジミ汁のお裾分け貰ってあるから」
二日酔い前提、本当にご迷惑をお掛けいたします。
「よーし、夕食のおかず一品増やすぞー!」
「はい兄様!」
お話しながら前にも訪れた入江へ辿り着いたところで、邪神兄弟が海に向かって走り出しそのまま飛び込んでしまった。
ヨムちゃんの肩でお昼寝していたラギも道連れだ。
「えっ、えっ?」
いきなり一人残されてしまった。
いや、護衛の人がちょっと離れた所にいるけどね。
ほら慌ててこっちに走ってくる。
庵に戻るか聞かれたけど、部屋に一人でいてもきっとそわそわしちゃうよなぁ、どうしよ。
悩んでいたら護衛の人が「ではここでお茶にしましょう」と言って、シートを広げてささっとティーセットを用意してくれた。
これってあれだ、漫画とかでよく見るスイーツが段になっているあれ、ええと女神様がいつか語っていたような、『アフタヌーンティー』だっけ?
まぁとにかく、小さなサンドイッチもあったので遠慮なくいただきます。
いつも用意している側だからちょっと新鮮。
紅茶も良い香り、これを神薙さんに提供したら喜ぶだろうな、そう言ったら後ろでメイドさんが凄い勢いでメモしてた。
「他には」
「え?」
「例えば神薙様の好みの味付けなど」
ちょっと前までの遠慮した感じはどこへやら、護衛さんが目をギラギラさせて聞いてきた。
もちろん背後ではメイドさんがメモを片手にスタンバイ。
「基本的に何でも好きです。でも一番のお気に入りは子供達から一口貰う事です」
タイガに専用スプーンを作ってもらった当初なんて、自分の分が無くなるぐらい「神薙しゃまあーん」を繰り返していた。
アー君はフォークとナイフだったな、綺麗に切れたのが嬉しかったのか、何度も神薙さんに「あーん」してたっけ、あれは可愛かった。
カトラリーを思う存分使いたかっただけとは思うけど、神薙さんが満足する上に子供達が楽しそうだったから誰も止められないんだよね。
自慢を混ぜつつ語ったら護衛さんが背後の人達と目で会話していた。
「そんな畏れ多い事をしたら我らが長の心臓が止まります」
「ありそう」
うーんもうちょっとハードル下げるか。
「季節のイベント料理も好きですね、他には色々食べれるブッフェ、後はそうだ、大事な基本情報がありました」
「!!!」
目をくわっとさせてこちらを見ないでください、ちょっとビクッてなりました。
「えっと、心を込めて料理するんです」
「心を?」
「エヴァ君で例えるなら、エヴァ君はきっと「白様が美味しく食べてくれますように」って願いながら作っていると思います」
「そう言えば確かに、本人もそのような事を言っていたような」
「どんなものでも、例えばおにぎり一個でも、ただ作業的に作ったものよりも、美味しくなりますようにって祈りながら握られたおにぎりの方が神薙さんには美味しく感じるようです」
その方が材料も少なく済むので皆幸せ。
「ただ、料理ではなく盛り付ける時に祈りをこめても効果は同じです」
食材一つ渡してもらうだけでも違うから、料理中や盛り付ける時だけでなく、食材を選ぶ時も有効です。
うちの子がそれを証明してくれました!
ちょっと気持ちを込めすぎて神薙さん泣いちゃったけど。
刀雲と騎士様、イブは釣り竿を取り出し、これから下流に釣りに行くようだ。
本当に釣り好きだなー、と思ったら神薙さんも付いてくみたい、釣れた魚を片っ端から食べるつもりだあれ。
ラーシャは櫛と香油を装備、良い天気なのでお外でイネスの手入れをするらしい、イネスが早く早くとラーシャの腕を叩いている。
なんだかんだと良いコンビになってきたなぁ。
銀狼親子は周囲の探検に出掛け、僕は白ちゃんの案内でヨムちゃんと一緒に散歩に行く事に。
いつも家に籠ってるからたまにはこういうのもいいね。
「エヴァ君は一緒じゃないの?」
「お持て成し料理は出来てるけど、これから作るのは晩酌のつまみ」
「……大人達がごめんね」
所望したのは騎士様と刀雲だろうなぁ。
「大丈夫だぞイツキ、ヨムからシジミ汁のお裾分け貰ってあるから」
二日酔い前提、本当にご迷惑をお掛けいたします。
「よーし、夕食のおかず一品増やすぞー!」
「はい兄様!」
お話しながら前にも訪れた入江へ辿り着いたところで、邪神兄弟が海に向かって走り出しそのまま飛び込んでしまった。
ヨムちゃんの肩でお昼寝していたラギも道連れだ。
「えっ、えっ?」
いきなり一人残されてしまった。
いや、護衛の人がちょっと離れた所にいるけどね。
ほら慌ててこっちに走ってくる。
庵に戻るか聞かれたけど、部屋に一人でいてもきっとそわそわしちゃうよなぁ、どうしよ。
悩んでいたら護衛の人が「ではここでお茶にしましょう」と言って、シートを広げてささっとティーセットを用意してくれた。
これってあれだ、漫画とかでよく見るスイーツが段になっているあれ、ええと女神様がいつか語っていたような、『アフタヌーンティー』だっけ?
まぁとにかく、小さなサンドイッチもあったので遠慮なくいただきます。
いつも用意している側だからちょっと新鮮。
紅茶も良い香り、これを神薙さんに提供したら喜ぶだろうな、そう言ったら後ろでメイドさんが凄い勢いでメモしてた。
「他には」
「え?」
「例えば神薙様の好みの味付けなど」
ちょっと前までの遠慮した感じはどこへやら、護衛さんが目をギラギラさせて聞いてきた。
もちろん背後ではメイドさんがメモを片手にスタンバイ。
「基本的に何でも好きです。でも一番のお気に入りは子供達から一口貰う事です」
タイガに専用スプーンを作ってもらった当初なんて、自分の分が無くなるぐらい「神薙しゃまあーん」を繰り返していた。
アー君はフォークとナイフだったな、綺麗に切れたのが嬉しかったのか、何度も神薙さんに「あーん」してたっけ、あれは可愛かった。
カトラリーを思う存分使いたかっただけとは思うけど、神薙さんが満足する上に子供達が楽しそうだったから誰も止められないんだよね。
自慢を混ぜつつ語ったら護衛さんが背後の人達と目で会話していた。
「そんな畏れ多い事をしたら我らが長の心臓が止まります」
「ありそう」
うーんもうちょっとハードル下げるか。
「季節のイベント料理も好きですね、他には色々食べれるブッフェ、後はそうだ、大事な基本情報がありました」
「!!!」
目をくわっとさせてこちらを見ないでください、ちょっとビクッてなりました。
「えっと、心を込めて料理するんです」
「心を?」
「エヴァ君で例えるなら、エヴァ君はきっと「白様が美味しく食べてくれますように」って願いながら作っていると思います」
「そう言えば確かに、本人もそのような事を言っていたような」
「どんなものでも、例えばおにぎり一個でも、ただ作業的に作ったものよりも、美味しくなりますようにって祈りながら握られたおにぎりの方が神薙さんには美味しく感じるようです」
その方が材料も少なく済むので皆幸せ。
「ただ、料理ではなく盛り付ける時に祈りをこめても効果は同じです」
食材一つ渡してもらうだけでも違うから、料理中や盛り付ける時だけでなく、食材を選ぶ時も有効です。
うちの子がそれを証明してくれました!
ちょっと気持ちを込めすぎて神薙さん泣いちゃったけど。
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