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可愛い子には旅をさせよ
第285話
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思い出してみる。
ヨムちゃんは幼少期、確かに神薙さんそっくりの白い肌だった。
再会したヨムちゃんはこんがり小麦色の肌。
途中で刀雲の遺伝が覚醒したとか?
「あのな、あのな、お天気いいから毎日日向ぼっこしてたらこうなった!」
にこーってにこーって! 可愛い!!
ギレンはヨムちゃんが成人したって言っていたはず、でも僕の横を陣取ってべったりと抱き着くヨムちゃんは15~16歳ぐらいの少年、この国の成人って何歳だっけ?
こうなると親子と言うよりもはや兄弟、しかも発育良いから下手すれば僕が弟に見える?
「ヨムちゃん成人したの?」
「ままと同い年! お揃い!」
「繁殖可能になった事には変わりない」
なんて事ないように神薙さんが補足してくれた。
「父様あーん」
「はい」
口をぱかっと開けるとそこに神薙さんがパンケーキを一口。
「んふ~、ありがと」
「いいよ」
両親との再会にヨムちゃんご機嫌、神薙さんに食べさせてもらって照れたのか頭を僕の胸にぐりぐり押し付けてくる。
可愛い。
「まま、父上、あのな、市場行ってみない? おれの加護が効果出てるか見て欲しい」
なんだろうこのきゅんとする感じ。
「ギレン市場ってどこでやってるの?」
「港だ。護衛を呼ぶから少し待ってろ」
準備が整うまでの間、ヨムちゃんの話を神薙さんと聞いていた。
何でも加護の調節が難しくて、海に出る船に加護を与えたら強過ぎて獲物が掛からなかったとか、船にはかけて港にはかけてなかったから、ヨムちゃんの気配に逆に魔物が寄って来てしまったとか色々大変だったみたい。
「父上どうしよ、おれ役に立てない」
「力が強過ぎるのかな」
「泣くと邪気が溢れちゃうからね、ほらお兄ちゃん達も大好きなミニタルトだよ」
「うぅ、おいしい」
ギレン見てる?
こうやってご機嫌取るのもギレンと皆さんのお仕事だからね?
「神薙さん何か解決方法はありますか?」
「あるよ、簡単」
「父上ほんと?」
「神薙様よろしければ私達にもその方法をお教えください」
カルロがギレンの頭を押さえつけ、使用人一同とともに頭を下げている。
「ヨムを祀る祠を立てて供物を奉納、ヨムは奉納品を捧げた者に加護を与える」
「なるほど、神薙さんもそうやって加護を与えてるんですね」
「うん、胃を満たす意味でもやる価値はあるよ」
「だってギレン」
「形式に指定はあるか?」
「ないよ、和式でも洋式でも、捧げる心が大事だから」
「おれ父上と同じ鳥居がいい!」
鳥居は道であって祠とは違うよヨムちゃん。
「必要なのは奉納品を捧げる祭壇、奉納品が転送されるスペース、管理する人、って所かな。周防さんは一人だったから蔵に押し込んでただけだけど」
「ドリアン有能」
「ヨムちゃんは神殿と神社どっちが好き?」
「神社! 父上とお揃い!」
「手配する。カルロ」
「はい」
「大丈夫だよギレン、夕食にとっておきのお酒出せば建築する必要はないよ」
「は?」
今は釣りに行っていないけど、港に行けば会えるしね。
合流ついでに設置お願いすれば問題ない。
「まさか……主様を使うつもりか?」
「邪神を鎮めるためだもの、普通にやってくれると思うよ。でも夕食は気持ち豪華にね」
「ままの膝の上!」
「体型が僕より大きめだからちょっと無理かな、刀雲にお願いしようね」
「おう!」
話が決まった所で護衛と馬車の用意が出来たようです。
時間かかると思ったら馬車を用意していたのね、よしじゃあ市場に行ってみよー!
ヨムちゃんは幼少期、確かに神薙さんそっくりの白い肌だった。
再会したヨムちゃんはこんがり小麦色の肌。
途中で刀雲の遺伝が覚醒したとか?
「あのな、あのな、お天気いいから毎日日向ぼっこしてたらこうなった!」
にこーってにこーって! 可愛い!!
ギレンはヨムちゃんが成人したって言っていたはず、でも僕の横を陣取ってべったりと抱き着くヨムちゃんは15~16歳ぐらいの少年、この国の成人って何歳だっけ?
こうなると親子と言うよりもはや兄弟、しかも発育良いから下手すれば僕が弟に見える?
「ヨムちゃん成人したの?」
「ままと同い年! お揃い!」
「繁殖可能になった事には変わりない」
なんて事ないように神薙さんが補足してくれた。
「父様あーん」
「はい」
口をぱかっと開けるとそこに神薙さんがパンケーキを一口。
「んふ~、ありがと」
「いいよ」
両親との再会にヨムちゃんご機嫌、神薙さんに食べさせてもらって照れたのか頭を僕の胸にぐりぐり押し付けてくる。
可愛い。
「まま、父上、あのな、市場行ってみない? おれの加護が効果出てるか見て欲しい」
なんだろうこのきゅんとする感じ。
「ギレン市場ってどこでやってるの?」
「港だ。護衛を呼ぶから少し待ってろ」
準備が整うまでの間、ヨムちゃんの話を神薙さんと聞いていた。
何でも加護の調節が難しくて、海に出る船に加護を与えたら強過ぎて獲物が掛からなかったとか、船にはかけて港にはかけてなかったから、ヨムちゃんの気配に逆に魔物が寄って来てしまったとか色々大変だったみたい。
「父上どうしよ、おれ役に立てない」
「力が強過ぎるのかな」
「泣くと邪気が溢れちゃうからね、ほらお兄ちゃん達も大好きなミニタルトだよ」
「うぅ、おいしい」
ギレン見てる?
こうやってご機嫌取るのもギレンと皆さんのお仕事だからね?
「神薙さん何か解決方法はありますか?」
「あるよ、簡単」
「父上ほんと?」
「神薙様よろしければ私達にもその方法をお教えください」
カルロがギレンの頭を押さえつけ、使用人一同とともに頭を下げている。
「ヨムを祀る祠を立てて供物を奉納、ヨムは奉納品を捧げた者に加護を与える」
「なるほど、神薙さんもそうやって加護を与えてるんですね」
「うん、胃を満たす意味でもやる価値はあるよ」
「だってギレン」
「形式に指定はあるか?」
「ないよ、和式でも洋式でも、捧げる心が大事だから」
「おれ父上と同じ鳥居がいい!」
鳥居は道であって祠とは違うよヨムちゃん。
「必要なのは奉納品を捧げる祭壇、奉納品が転送されるスペース、管理する人、って所かな。周防さんは一人だったから蔵に押し込んでただけだけど」
「ドリアン有能」
「ヨムちゃんは神殿と神社どっちが好き?」
「神社! 父上とお揃い!」
「手配する。カルロ」
「はい」
「大丈夫だよギレン、夕食にとっておきのお酒出せば建築する必要はないよ」
「は?」
今は釣りに行っていないけど、港に行けば会えるしね。
合流ついでに設置お願いすれば問題ない。
「まさか……主様を使うつもりか?」
「邪神を鎮めるためだもの、普通にやってくれると思うよ。でも夕食は気持ち豪華にね」
「ままの膝の上!」
「体型が僕より大きめだからちょっと無理かな、刀雲にお願いしようね」
「おう!」
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時間かかると思ったら馬車を用意していたのね、よしじゃあ市場に行ってみよー!
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