284 / 1,127
可愛い子には旅をさせよ
第282話
しおりを挟む
何かを察した女神様からプレゼントをもらった。
白いふわもこのワンコ耳+尻尾付きパーカー。
朝起きたらイブとお揃いで枕元に置いてありました。
「イツキ、可愛い」
「わふわふ」
「お揃い」
無表情に近い顔でほんのりと喜ぶイブが可愛くて返品できません。
表面はふわふわもこもこしているけど、通気性が良くてさらっとした肌触り。
効果は日焼け止め。
「銀狼が六匹、可愛いな」
「刀雲の分も欲しい!」
「俺は遠慮しておくよ」
苦笑いしながら頭を撫でられた。
「イツキ、出発する?」
そわそわしながら神薙さんが部屋に入ってきた。
なぜ僕の部屋に集まるのかな?
「神薙、まだ朝早いよ」
後ろには苦笑いする騎士様、これ、主を足代わりにするつもりだ。
「朝釣り」
「神薙の場合は海水ごとだからちょっと違うんじゃないか?」
「休暇って、いいですね」
当たり前のように姿を現したのは上品なワンピースを着、麦わら帽子をかぶった女神様、中身を知っていても一瞬どこのお嬢様かと思ってしまった。
え、もしかして一緒に行く気?
「主様と海休暇……ぐへへ」
一緒に行く気らしい。
パーカーは賄賂か、賄賂なんですね。
神子に賄賂を渡す女神ってどうなんだろう。
「この長期休暇は『女神の休暇』とも呼ばれているのよ、つまり――私も休みぃぃl!!」
猫かぶりの継続が3分以下。
女神様、しょっちゅう休んでますよね。
「主様、主様、早く」
「はいはい、じゃあドリちゃん行ってくるね」
「いってらっしゃいませ」
ちょっと待った。
ドリちゃん喋れたの!?
驚いて目を見開いている間に景色が切り替わった。
ドリアン達が並んで見送ってくれたので、あれはドリアンの声だったのかもしれない、あの子達カタコトなら単語喋れるし。
「は? 主様!? え、まだ早朝ですよ」
出たのは庭園。
ギレンが上半身裸で素振りをしている所だった。
良かった真っ最中に乱入する予想もしてたけど、何もなくて良かった。
女神様は残念そうに舌打ちしたけど。
「ギレンご飯」
「は?」
「お腹空いた、朝食」
「いや食べて来いよ」
「接待」
「だから」
「お腹空いた」
神薙さんの圧が凄い。
もう仕方ないなぁ。
僕がごそごそ始めた時点でイブが無限仕様の鞄から敷布を取り出し地面に敷き、ルークが簡易テーブル、刀雲がジョッキに入ったお茶をセットしてくれた。
僕の家族の連係が素晴らしい。
「騎士様、このおにぎりに魔力込めて貰っていいですか?」
「はいよ~」
ドリちゃんが限界に挑戦した圧縮おにぎり・直径30センチに、騎士様の魔力を込めてもらいます。
するとあら不思議、神薙さんでも瞬殺出来ない奇跡のおにぎりが完成。
お皿の上にそっと置き、次に神薙さんに声を掛けます。
「神薙さんご飯ですよ」
「!」
滑るように席に着き、にこにこと食べ始める神薙さん。
ギレン、呆れたように溜息吐いてないで、今のうちに朝食の用意お願いね。
これ食べ終わるまでの時間は多分30分ぐらいだよ。
白いふわもこのワンコ耳+尻尾付きパーカー。
朝起きたらイブとお揃いで枕元に置いてありました。
「イツキ、可愛い」
「わふわふ」
「お揃い」
無表情に近い顔でほんのりと喜ぶイブが可愛くて返品できません。
表面はふわふわもこもこしているけど、通気性が良くてさらっとした肌触り。
効果は日焼け止め。
「銀狼が六匹、可愛いな」
「刀雲の分も欲しい!」
「俺は遠慮しておくよ」
苦笑いしながら頭を撫でられた。
「イツキ、出発する?」
そわそわしながら神薙さんが部屋に入ってきた。
なぜ僕の部屋に集まるのかな?
「神薙、まだ朝早いよ」
後ろには苦笑いする騎士様、これ、主を足代わりにするつもりだ。
「朝釣り」
「神薙の場合は海水ごとだからちょっと違うんじゃないか?」
「休暇って、いいですね」
当たり前のように姿を現したのは上品なワンピースを着、麦わら帽子をかぶった女神様、中身を知っていても一瞬どこのお嬢様かと思ってしまった。
え、もしかして一緒に行く気?
「主様と海休暇……ぐへへ」
一緒に行く気らしい。
パーカーは賄賂か、賄賂なんですね。
神子に賄賂を渡す女神ってどうなんだろう。
「この長期休暇は『女神の休暇』とも呼ばれているのよ、つまり――私も休みぃぃl!!」
猫かぶりの継続が3分以下。
女神様、しょっちゅう休んでますよね。
「主様、主様、早く」
「はいはい、じゃあドリちゃん行ってくるね」
「いってらっしゃいませ」
ちょっと待った。
ドリちゃん喋れたの!?
驚いて目を見開いている間に景色が切り替わった。
ドリアン達が並んで見送ってくれたので、あれはドリアンの声だったのかもしれない、あの子達カタコトなら単語喋れるし。
「は? 主様!? え、まだ早朝ですよ」
出たのは庭園。
ギレンが上半身裸で素振りをしている所だった。
良かった真っ最中に乱入する予想もしてたけど、何もなくて良かった。
女神様は残念そうに舌打ちしたけど。
「ギレンご飯」
「は?」
「お腹空いた、朝食」
「いや食べて来いよ」
「接待」
「だから」
「お腹空いた」
神薙さんの圧が凄い。
もう仕方ないなぁ。
僕がごそごそ始めた時点でイブが無限仕様の鞄から敷布を取り出し地面に敷き、ルークが簡易テーブル、刀雲がジョッキに入ったお茶をセットしてくれた。
僕の家族の連係が素晴らしい。
「騎士様、このおにぎりに魔力込めて貰っていいですか?」
「はいよ~」
ドリちゃんが限界に挑戦した圧縮おにぎり・直径30センチに、騎士様の魔力を込めてもらいます。
するとあら不思議、神薙さんでも瞬殺出来ない奇跡のおにぎりが完成。
お皿の上にそっと置き、次に神薙さんに声を掛けます。
「神薙さんご飯ですよ」
「!」
滑るように席に着き、にこにこと食べ始める神薙さん。
ギレン、呆れたように溜息吐いてないで、今のうちに朝食の用意お願いね。
これ食べ終わるまでの時間は多分30分ぐらいだよ。
20
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
王子様のご帰還です
小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。
平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。
そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。
何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!?
異世界転移 王子×王子・・・?
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。
竜鳴躍
BL
サンベリルは、オレンジ色のふわふわした髪に菫色の瞳が可愛らしいバスティン王国の双子の王子の弟。
溺愛する父王と理知的で美しい母(男)の間に生まれた。兄のプリンシパルが強く逞しいのに比べ、サンベリルは母以上に小柄な上に童顔で、いつまでも年齢より下の扱いを受けるのが不満だった。
みんなに溺愛される王子は、周辺諸国から妃にと望まれるが、遠くから王子を狙っていた背むしの男にある日攫われてしまい――――。
囚われた先で出会った騎士を介抱して、ともに脱出するサンベリル。
サンベリルは優しい家族の下に帰れるのか。
真実に愛する人と結ばれることが出来るのか。
☆ちょっと短くなりそうだったので短編に変更しました。→長編に再修正
⭐残酷表現あります。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる